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市場価値のある人の特徴。

「市場価値のある人の特徴」をテーマにコメントを依頼された。答えたものが結構いい反応をもらえたので、それをベースに書いてみる。

意識高い人向けの王道な特徴「経営・事業を率いた経験」

『職業としてのプロ経営者』(インプレス刊)を書いた慶応大の小杉俊哉先生は、「今50~60代プロ経営者として活躍している人は、20代で仕事に慣れたところでMBA取ったり、ストレッチして成長する機会を持ち30代で事業を率いてPLに対する責任を持って、遅くとも40代前半までには子会社の社長をやっている」と話す。

仮にその事業が失敗したとしても、事業責任者の経験があるなしで、その後の職が大分変わる。新規事業やってたという人は、職に困っていない印象がある。 

 スキル寄りな特徴「UI/UXデザイン」と「採用」

これまでのプロダクトは「UI/UXデザイン」を無視して、「機能だけ使えればいいでしょ」的なものでもヒットしていたが、昨今のプロダクトを見ているとUI/UXがしっかりしてないと、そもそも使ってもらえない。

なので、「どんな顧客体験をしてほしいか」を考えられてそれを製品やプロダクトにに落とし込める人は需要があるなと思う。

デザイナーさんならばプロダクトを良くする視点から改善に対して入りやすい。一方で、コールセンターにもホスピタリティ高めの人材がいたりする。相手のことを考えられる人は重宝されるはず。

採用の部分。

人手不足がより加速していく日本では「人・モノ・金」のなかで、人が最も重要なリソースになる。なかでもで、「採用ができる人」はより希少な存在になっていくはず。

現在でも、「エンジニア採用」とかは各社みなさん困っていて、共通課題としてイベントやったりなんだりで需要が顕在化している。『採用学』(新潮社刊)を書いた、神戸大経営学部の服部泰宏先生も「アメリカを見ててもリクルーター(採用に携わる人)の重要性が増してる」と話している。

今後は「大企業の人事部に居た」という経験だけだと採用はできず、厳しいだろうけれど、「事業をスケールさせるためにどんな人が必要か」を定義できて、人を惹きつけられる人が重要だなと思う。

人柄よりな特徴「人と人をつなげるハブになる人」

佐々木俊尚さんが『広く弱くつながって生きる』(幻冬舎刊)という本を出しているけれど、ビジネスの文脈でも「人と人をつなげるハブになる人」の重要性が増していくと思っている。

その話は、早稲田のビジネススクルールの准教授入山章栄先生が話していることの受け売りだけれど……。

https://www.businessinsider.jp/post-104127

ストラクチュアル・ホール(Structural Holes)理論というのがあり、「2つのネットワークのハブの位置にいる人が、最も給料が高く、出世もしやすい」とのこと。

社内の人脈を増やすのではなく、社外の人と広くつながってそれを自分の仕事に繋げられる人の価値は上がってくだろうなと。

もちろん、異業種交流会で名刺交換しただけの人とつながっても意味はなくて、「〇〇で困ってる」→「あ、先日会った人が〇〇の専門家らしいから聞いてみよう」となれる関係性をどれだけ有してるかが鍵。

当然、他の人から信頼してもらうためには、自分も何らかのスペシャリストであることは必要である。でも、そこの専門性はビジネス領域でなくてもよくて、肩肘張らずに「クラフトビールにめちゃくちゃ詳しい」とか「サーフィン教えられるくらい上手い」とかでも繋がりが生まれる要素になるだろう。

少し意識低めでも生き抜ける特徴「ITリテラシー」

地方の中小企業に行くとビックリするくらいIT化が進んでなくて、ITリテラシーが高めなだけで無双できる可能性がある。そもそも予実管理がきちんとできていなかったり、コミュニケーションツールがIT化されてないので、「ちゃんとIT化をしましょう」という話。

旅館がセールスフォース入れて、予実管理できたら復活したという話があったり……。農家にサイボウズ入れたという話があったり……。JリーグクラブにSlack入れたという事例もある。

チャットツール入れるにしても、「Slack」「ChatWork」「LINEワーク」「Workplace(FBのビジネス版)」など色々あって自社の置かれる用途によって使い分けは必要なので、その辺を嗅ぎ分ける能力は欲しいけれど……。

総じて「無双できる場所で戦う」と言う点には同意してくれる人が多いのではと思う。


これを書き終えて気がついたことがある。何かを伝える時に、「問い」の存在はすごく重要で、「問い」があったからこれを書けたなと。誰かに何かを伝えようとする行為はすごくクリエイティブだ。しばらくは、自分に「問う」ことをしたい。