短編小説『未来の自分』①夏休みの図書館
夏休みが始まって、一週間が経った。
その一週間の間に夏休みの宿題を全て終わらせた僕には、残りの期間を優雅で快適に過ごすことができるのだ。
そして記念すべき『宿題解放日一日目』が今日。
7月28日、水曜日、時刻は午前9時36分。
よく晴れた青空の中で、白い雲が散在している。
辺りに響き渡る蝉の声は、騒々しい夏の朝を象徴しているかのようだ。
半袖のシャツに短パンを履き、ショルダーバッグをかけた僕は、石畳の敷かれた街路を歩いていた。
そして額にはうっすらと汗が浮かんで