見出し画像

バイリンガルニュース  技術 600-649

618 07.11.2024
1-オオアリ手術

(ヴュルツブルク大学 Florida harveater antフロリダオオアリが傷を負った仲間に対し切断手術を行うことを確認:アリは足の節5つのうち、上部の節3つを負傷した場合にのみ切断手術を行い、それより下の脛骨を負傷した場合は口で傷を洗浄するなど、怪我の種類に応じた治療を実施→上部を損傷した場合の生存率は通常40%未満だが、切断手術を受けると90-95%に向上→脛骨の損傷では生存率が通常15%だが、傷口を洗浄すると75%まで向上→ヒト以外の動物で切断手術を初めて確認)

2-ファッション革新
(シドニー大学 糸を通す穴のついた針の発明が、人類のファッションにとっての転換点であり、身体を保護するための衣服が、社会的·文化的なものに進化した可能性:最も古い穴あき針は約4万年前のシベリアで発見されたもので、動物の骨を削って鋭く尖らせた道具に穴を開けることで、衣服を縫い合わせたり、装飾品を取り付けることが可能→衣服の社会的機能が進化し、現在では文化·アイデンティティを表現)


617 07.04.2024
1-共鳴しゃべり

(ランカスター大学 1994-2014年の間に英で録音された会話1600件以上を分析→政治家·医師·企業の管理職·大学の講師などが相手の言葉をそのまま繰り返して使う話し方が増加し、社会的階級が高いほど顕著→一方で、肉体労働者·高等教育を受けていない人々の間では未確認)

2-ブリッジ組み換え
(Arc Institute·東京大学 遺伝子編集技術bridge recombinationブリッジ組み換えを開発:新しいクラスのRNAを使い、recombinase enzymeリコンビナーゼ酵素でDNA配列の標的編集を誘導→DNAを切断せずに挿入·切除·逆位を処置可能。bridge RNAは標的DNA·ドナーDNAの両方に結合可能→現在の精度は94%、成功率は60%以上で、効率·精度を高めるための研究を続け、ヒト細胞での使用も計画→オフターゲット効果·DNA損傷のリスクなしに、欠陥の修正·機能強化などの精密なゲノム編集ができる可能性)


616 06.27.2024
2-脳内AI判別
(オスロ大学 FENS federation of european neuroscience societies forumで発表した研究によると、被験者35人に人間の声とAI生成の声を判別→確率はそれぞれ56%と50.5%で、ほぼ判別不可→fMRI functional magnetic resonance imagingを用いて判別時の脳の血流の変化を調べると、人間の声では記憶·共感に関連する脳の領域が反応→一方で、AIの声ではエラー検出·注意力の調節に関連する領域が反応)


615 06.20.2024
2-お触りリプ

(UCL 触覚を利用することでsocial mediaでの意思疎通が向上することが判明→人がデジタルで会話する際に使用する視覚·聴覚だけでなく、触覚を加えることで感情·トーンがより効果的に伝えることが可能:被験者が架空のsocial mediaでポジティブ/ネガティブな感情を投稿→投稿への反応として、視覚的な絵文字、ロボット·他人による腕のさすり、またはその両方の反応を提示→腕をさすられると最も強い連帯感·支持を感じ、多くの被験者は絵文字と腕のさすりの組み合わせが最も良いと回答)


613 06.06.2024
1-追加の指

(ケンブリッジ大学 人は、人工的に追加した11本目の指を迅速に習得できることが判明:ロボットの指は親指ほどの太さで、小指の隣にバンドで固定し、手首に装着するセンサーで足の指の動きと連動して動かす仕組→RoyalSocietySummerScienceExhibitionに来場した3−96歳の参加者596人がロボットの指を装着し、98%が1分以内に物を掴んだり動かしたりすることに成功→人間の身体拡張技術の可能性を示し、特に障がいを持つ人々に利益をもたらす技術のデザイン最適化が重要と指摘)


612 05.30.2024
1-選択ノイキャン

(ワシントン大学·吉岡拓也 ヘッドフォンのノイズキャンセリング機能は周囲の雑音を消す一方で、全ての音が一律に消されてしまうが、特定の音のみを消さずに聞こえるAIシステムTargetSpeechHearingを開発:市販のヘッドフォン·マイクを使用し、機械学習ソフトで相手の声のパターンを学習しトラッキング→ヘッドフォンをつけてボタンをタップし、話を聞きたい相手の方向を3-5秒間向くことで、その相手の声だけが聞こえ、周囲の雑音を遮断可能→被験者21人による試験では、通常のヘッドフォンと比べて話を聞きたい相手の声が平均して2倍近く明瞭に聞こえると評価→イヤホン·補聴器への応用も検討→システムのコードは一般公開)

3-痩せ薬蔓延
(Michigan大学·Yale大学 10代を含む若者の間で、糖尿病·肥満症の治療に使われるGLP-1受容体作動薬の使用が急増:IQVIA社の処方データベースを用いて、12−25歳のGLP-1受容体作動薬の使用状況を調査→2023年には12-17歳の約31000人·18-25歳の約16万2000人が薬を使用していることが判明 CDC centers for disease control and preventionによれば、米国では子どもの約20%·成人の42%が肥満)
GLP-1受容体作動薬→ep450(1)

4-グーグル検索AI
(Google社 SGE search generative experienceを、検索結果の最上部にAIが生成した要約を表示し、ユーザーの時間を節約するために2023年に試験運用開始→2024年5月頃からAI Overview / SGEがユーザーに石を食べるよう勧める、ピザにチーズを糊付けするよう指示する、妊娠中にタバコを吸うことが健康に良いと宣伝する、5-10分間太陽を見つめることは一般的に安全である、宇宙飛行士が月面に猫を配備してお世話をしたことがあるなどの誤情報を生成している例がネットで拡散→安全性への疑問拡大)


611 05.23.2024
3-不倫防止ホルモン
(Zuckerman研究所 一夫一婦制のOldfield mouseハイイロシロアシマウスと多夫多妻制のDeer mouseシカシロアシネズミの交尾行動の違いは、副腎から分泌されるホルモン20α-OHPの量によることが判明:ハイイロシロアシマウスの副腎はシカシロアシネズミよりも大きく、聴神経帯という細胞が20α-OHPを作り、一夫一婦制の交尾行動を促進→ホルモンの量を増やすと、両方のマウスで育児行動が増加→聴神経帯とそれに関連する行動は、過去2万年で急速に進化した可能性)


609 05.09.2024
1-一発ワクチン

(デューク大学 インフルエンザウイルスの表面にある、棒付き飴玉形のようなタンパク質Hemagglutininヘマグルチニンの変異が少ない棒部分を標的とするワクチンを開発:従来のワクチンはヘマグルチニンの変異しやすい飴玉部分を対象としていたが、新ワクチンはゲノム編集を用いて作成したヘマグルチニン8万種類以上が含まれており、飴玉部分が変異しても棒部分が一貫性を保つため、免疫系が棒部分への抗体をより多く生成し、効果的に免疫反応→場合によっては飴玉部分の免疫反応も向上→インフルエンザウイルス全株への対応が目標で、現在マウス·フェレットで実験が成功)

3-月面鉄道
(NASA·NASA JPL jet propulsion laboratory NIAC nasa innovative advanced conceptsプログラムの一環として、JPLが開発する月面鉄道での物資輸送システムFLOAT flexible levitation on a trackの計画を進行中→月のregolithレゴリスを線路を使って運び、月面建設/水·酸素·水素などの資源抽出に利用予定:線路は炭素鉱物であるgraphite石墨による反磁性浮上、フレックス回路による電磁推進、薄膜ソーラーパネルによる発電の3層構造で、月面線路上を磁気ロボットが浮上しながら動く仕組み→時速2km·最大30kgの荷物を運ぶことが可能で、将来的には物資数百トン/日を数km輸送可能性)
NIAC nasa innovative advanced concepts→ep148(3)
月の水→ep22(5)+205(1)+275(4)+487(3)+554(3)+606(1)


608 05.02.2024
2-車屋根信号

(アイオワ大学·米国国立科学財団·米国運輸省 完全自動運転の普及に伴い、歩行者が車からの合図を受け取れなくなる可能性があるため、13歳以下の子どもたちが交差点を渡るタイミングをどのように判断するかを調査:8−12歳の子ども約100人に没入型3D空間で交差点を渡らせる時、自動運転車の屋根に設置した青信号を歩行者へのサインとして点灯→青信号が遠くで点灯した場合、ギリギリで点灯した場合より、子どもたちは平均1.5秒早く交差点に進入→過去の実験では、6歳の子どもたちが自らの判断で道路を横断した場合、事故率8%であったことから、自動運転車が歩行者に合図を送る方法の重要性が強調され、子どもを含む歩行者の安全性を考慮した研究が必要)

3-階段健康効果
(EastAnglia大学·Norwich大学病院·SophiePaddock 35−84歳の48万479人のデータを含む実験9つのメタ分析→エレベーター·エスカレーターの代わりに階段を利用することが全死因のリスクを24%低下、心血管系の死亡リスクを39%低減させることと関連性判明)

4-動物ロボット比較
(なぜ動物はロボットより早く走れるのかというテーマの共同研究では、ロボット·動物の持久力·機敏さ·頑丈さなどにおいて、power·frame·actuation·sensing·controlのようなロボットの主要サブシステムと動物の生物学的機能を比較→ロボットの各サブシステムは優れていたが、一方で動物はシステムレベルの統合·制御によって、複雑な行動をシームレスに実行可能→ロボット工学の進歩を考慮して、システムレベルの統合に重点を置くことで、動物を凌駕/匹敵するロボットを素早く生み出せる可能性)


607 04.25.2024
3-原子X線画像

(Ohio大学·Argonne国立研究所·SawWaiHle 単一原子のX線画像が初めて公開:特定のタイプの原子を1つずつ正確に検出し、その化学的状態も同時に測定可能)

4-タイタン探査承認
(NASA NewFrontiers programの一環として、回転翼4つを用いるクアッドコプタードローンを使用して土星の月Titanを探査するミッションDragonflyを承認→2028年7月に打ち上げられ、2034年に到着する予定。総費用は約33.5億ドル:主な目的は、Titanの原始生命化学を調査し、人類の居住可能性を探査+水を基盤とする生命/炭化水素基の生命の兆候を探査)
Titan→ep148(3)+311(5)+389(3)
NewFrontiers計画→ep170(5)+220(6)+229(6)+284(4)+346(5)+475(4)


603 03.28.2024
1-ニューラリンク

(Neuralink社 N1 BCI brain-computer interfaceを人間の脳に埋め込む最初の治験参加者として、29歳のNolandArbaughを公開:2016年のサマーキャンプでのボランティア時の事故で脊髄を損傷し、肩から下が完全に麻痺→コインサイズほどのBCIデバイスを頭蓋骨に埋め込み後、脳の信号だけでカーソル操作を行い、生活が劇的に改善→BCIセッション12回で、カーソルを16.3km動かし、左右のクリック14万6360回、チェス11試合、CivilizationVIを7.6時間プレイ)
Neuralink→ep259(6)+371(1)+427(3)+457(3)
BMI brain machine interface→ep16(6)+67(1)+121(2)+250(5)+259(6)+307(6)+334(6)+339(6)+361(2)+371(1)+427(3)+444(1)+447(4)+457(3)+462(2)+502(2)+538(1)+559(3)+578(2)


601 03.07.2024
1-OpenAI訴訟

(ElonMusk OpenAI社は創業理念に反し、人類よりも自社の利益を優先しているとしてCEOのSamAltman·社長のGregBrockmanに対して訴訟→AGI artificial general intelligence開発においてQ*という技術の開発·Altmanの透明性不足による解雇劇についても、創業理念に違反していると主張→OpenAI社は反論で、創業目的の1つであるGoogle社のAIに対抗するためには非営利モデルでは不可能であると当時のMuskが認めていたことを指摘し、OpenAI社のTesla社への併合·資金調達·自身の管理下への配置に関する提案に同意していた証拠を公開)
OpenAI解雇劇→ep586(3)
ElonMusk·OpenAI共同時代→ep239(5)

2-ナノプラスチック除去
(Guangzhou医科大学·Jinan大学 水道水に混入するナノプラスチック·マイクロプラスチックは、水を沸騰させることで30-90%が石灰沈着物に捕捉され、除去可能→水の硬度が有効性に影響し、硬度の高い水ほど多くの石灰沈殿物が生成可能 2024年1月の研究では、PET polyethylene terephthalateペットボトル1本分の水に約24万個のナノプラスチックが含まれている可能性→プラスチックがestrogenエストロゲンのような内分泌撹乱物質としての作用する可能性)
ナノプラスチック→ep541(2)
水道水内マイクロプラスチック→ep281(2)
マイクロプラスチック→ep180(2)+231(1)+281(2)+317(3)+541(2)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?