見出し画像

夏の終わりは、寂しい。そんなときに思い出すのは、ゼミ旅行で行った東南アジア。

 今日の空は、曇り空で、時々みえる太陽の光が熱い。曇ってるけど、どこかさわやかで、秋の訪れを少し感じた。しかし、まだ秋は遠い。ここから見える代々木公園が赤くなるは、いつだろうか。

 夏の終わりは、少し寂しい。つい三週間前は、「夏よ、早く終われ!」と心で念じながら歩いていたのに、今日外を歩いて、風にあたると少し寂しく感じる。もちろん聞きたい曲は、フジファブリックの若者のすべて。この曲程、夏の終わりの情景が浮かぶ歌はないよなって想う。

 この九月の時期に夏の寂しさを感じるのは、小学生の頃からだ。夏のプールで真っ黒に日焼けした顔で、ともだちに再会する瞬間は、ひと夏の思い出が一気にフラッシュバックする瞬間で、一年で最も楽しい夏休みという期間が今年も終わったと感じた。中学生のこのころは、あんまり覚えていないけど、高校のこのころの気持ちも懐かしい。ほぼ毎日部活の夏休みが終わり、新人戦に向けて最終調整に入る。文化祭は、試合とかぶって出れない寂しさはあるけど、レギュラーとして試合に出るという優越感が勝った。

 大学生になってからは、夏の終わりは大体海外に行く。というか、夏は大体海外にいた。特にこの九月。ゼミの旅行で、東南アジアにいることが多い。普段海外旅行は、もっぱら一人か数人だから、ゼミ生全学年30人以上で行く旅行は、ちょっと面倒なこともあるけど、別の楽しさがある。

 ゼミ旅行はまず、行きの電車から一緒に行く人がいる。最寄り駅から電車に乗って、「6両目にいるよ」ってラインするのが、ゼミ旅行の始まり。5分もすれば友達が乗ってきて、一人の時間は終わる。ここから次の一人の時間は、帰りの電車がこの駅に止まり、ドアが閉まる後だから、この旅行の一人の時間は、30分未満。空港のカウンターに行けば、顔なじみのメンバーがそろう。教授が遅刻気味に登場するのは、ほぼ毎回のこと。成田と羽田を間違えるメンバーもいて、朝から涙が出るほど笑う。一人旅では、笑うことはそんなにない。

 飛行機の中では、各々の時間を過ごし、東南アジアの空港につくのは、午後か夕方。機内にパスポートを忘れたと、ついてそうそうパスポートコントロールの前で、慌てるやつもいる。市内への移動は、渋滞に巻き込まれつつ、市内のレストランへ。一人旅では、いいレストランなんて入らないけど、ゼミ旅行ではレストランで食べるからそこもまたいい。バンコクにあるソンブーンのプーパッポンカレーは絶品級においしかった。全学年で行くから、先輩も後輩も関係なくしゃべる。普段はしないような会話をするから、ゼミ生の意外な一面を見れるのもいい。

 夜はみんなで、ホテルで夜更かし。コンビニで、ビールを買って部屋のみする。ノリで買ってみたお菓子が意外とおいしくて、また笑いあう。多分何が面白いのかもよくわからないけど、その時はすごく楽しいし幸福感も高い。

 ゼミ旅行に行くと、旅はどこへ行くかではなく、だれと行くかという言葉を知る。ゼミ旅行でみた海外の風景は、一人旅でみた風景より少し薄いけど、またゼミ旅行に行きたいと思うのは、メンバーがいいからだろう。

 この夏の終わりの寂しさは、夏が終わる寂しさと、ゼミ旅行の思い出がない寂しさがまざるから、余計に寂しい。この寂しさをいやすときは、冬に仲間と再会し、鍋を食べるときかもしれない。

 


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?