趣味
上から下への往復運動。
君の呼吸をみることで、僕は生きていることを実感する。
手は繋がない、そのかわりに手首を握る。
君の手首が脈を打って、僕は生きていることを実感する。
君を抱きしめるのが好き。
君のうなじは温かくて、僕は生きていることを実感する。
君の命を見つめることが僕の趣味だった。
あなた、わたしが死んだらどうするの?
うーん…
考えたこともなかった。君がいるから僕がいるのであって、俗に言う君なしでは生きていけないってやつなわけで。
死ぬのかも?
なんて答えたけど、君は喜びも呆れもせず
じゃあ、明日も生きるよ
って答えた。
しかし、明日も生きるよ は また明日 という意味ではなかったらしい。
意外にも僕はふつうに生活ができた。
パンにジャムを塗ることも、皿を洗うことも、ワイシャツにアイロンがけをすることも。
これで良かったのだろうか?
君なしでは生きていけないと言ったとき、君は何を思ったの?
これが君の本望なら、わたしなしでも平気じゃないかと笑って、また会いに来てくれないか?
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