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台湾の街角「赤い垂れ幕」の正体

民家の玄関先に、よく赤い垂れ幕が張り出されているのをみかける。

中華圏の何かしらの風習なんだろう、としか思っていなかったが、真っ赤ショップであれだけ大々的に売り出されているのを発見して以来、どうしても気になるように。

調べてみると、この「赤い垂れ幕」の正式名称は春聯chūnlián。直訳するならば春節にあたって門戸に貼り出す、対になっている句。なんとなく想像できるとおり、魔除けや縁起物の一種らしい。日本の門松やしめ飾りみたいなものなのかな。

門扉の左右で「対」になっているのが原則のはずだけれど、実は街でいちばんよく見かけるのは4文字だけのものだったりする。これも一般的に春聯に含まれるみたい。

そしてこの4文字の春聯を観察しながら街を歩くと、あることに気づくのである。

そう(←って気づくひとはマニアだろう)、政治家の名前入りタイプが多いのだ。台南の場合、現在の政権与党・民主進歩党の所属議員名義のものが圧倒的多数を占める。

これは民進党所属の台湾政府トップ・蔡英文総統と、民進党の現党首・賴清德名義
これは民進党所属の現職台南市長・黃偉哲の配布したもの。中国語で読むと「ワン・トゥー・シュンリー」になるので「one two three」とかけているという説も
これは蔡英文と賴清德にくわえて、台南選出の立法委員・林俊憲の名前が入っている
これも民進党の立法委員名義
これは寅年だった去年のをそのまま張り出し続けている。名義は黃偉哲・台南市長
珍しく民進党ではない議員の春聯。このふたりはいずれも無所属。ただ左の台南市議員のほうは、おばさんが国民党だった気がする

このあたりの記事を読むと、やっぱり政治家が無料配布しているみたいですね。

台南の場合は全家庭に配っているんだって。すごい。市の税金を使って「台南市」名義ではなく「台南市長 黃偉哲」名義の春聯をばらまくのって、なんだかすごく不思議な感じがする。

それにしても「深緑」都市こと台南では国民党の議員名義の春聯は本当に見かけません(注:深緑とは、緑色をシンボルカラーにする民進党の牙城である、という意味)。

国民党の支持者が多く暮らすエリアにいけば、やっぱり春聯も国民党議員名義のものが多くなるんだろうか。そこらへんも検証してみたいけれど、なかなか時間がない。

政治家以外もあります。これは銀行が配ったもの。日本でいうなら歳末に翌年のカレンダーを配っているようなものだろうか
真っ赤ショップでみかけた四字熟語を一文字にしたアート?の春聯も
これもアート系。いまの台南市長である黃偉哲名義だけど、これは彼が立法委員だったころに配ったものである模様。ということはこのお餅屋さんは熱心な支持者?
これは中国語を知らない日本人でも理解できる「漢字」

【2023/01/18の日記】

机に向かっての勉強時間は1時間14分。

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