どうすれば「悩み」が解決していくのか?
1.なぜ人は「悩む」のか?
前回の投稿の最後の方で、「悩みというのは、自分を愛していない時に起こる」と紹介しました。
そしてもっと自分中心に生きましょう!と紹介しました。
今回はその「悩み」について紹介していきたいと思います。
今回の投稿を読めば、「なんで人は悩むんだろう?」という答えが見つかると思います。
実は悩みは人にとって大切なものなのです。
意外かもしれませんが、自分の心を守る大切な役目を果たしているのです。
「悩みは悪いものではないんだ!」と分かってもらえれば、今の生きづらさが多少は安らぐと思います。
今回、この投稿を読んでいただいてその理由を知ってもらえれば、その手助けになれると思っています。
では紹介していこうかと思います。
2.人は「悩み」が解決しては困る
そもそも人にはなぜ「悩み」がつきものなのでしょう?
実のところ、人は心の奥底では「悩みが解消するのを恐れている」のです。
無意識のレベルでは、「悩みが解決しては困る」と感じているのです。
例えば、ある悩み相談に来た方に
「悩みが消えたら、あなたはどうなると思いますか?」
と尋ねたとします。
するとたいてい、こんな答えが返ってきます。
「楽しく仕事をしています。みんなと仲良く楽しくやっています。活き活きと、したいことをしています。張り切ってバリバリ仕事をしています。大きなプロジェクトを任されて、自信を持って取り組んでいます」
「悩みが解消すると、それらができると思いますか?」
「ええ、できると思います」
「では、あなたのいまの職場や、いまあなたが悩んでいる相手や恋人や友達に対して、それがイメージできますか?」
「そんなふうにできるとは思いません。そんな気持ちにはなれません」
これが本当の思いなのです。
この返答をこう書き換えてみましょう。
・やる気を出して、楽しく、張り切って、バリバリと仕事をしなければならない
・みんなと、仲良く明るく、楽しくつきあっていかなければならない
・情熱を持って、活き活きと生きていかなければならない
・やりがいのあるものを見つけて、それに没頭し夢中にならなければならない
・大きなプロジェクトに自信を持って取り組み、リーダーとして信頼され、失敗せずに、必ず成功させなければならない
どうでしょう。
落ち込んでいるとき、悩んでいるとき、こんな文章を読むとどんな気持ちになりますか?
「ああ、もうイヤ。考えたくもない。逃げ出したい」
無意識に、こんな恐れを抱くでしょう。
そして、あなたの無意識はこんなメッセージを発しています。
「悩みが解決してしまったら、こんなふうに“しなければならない“のか。あ〜、苦しい。だったら悩んでいたほうが、まだマシだ」
そう、まさに「悩みが解消するのを恐れている」とは、こういうことなのです。
3.「悩み」はあなたが自分を愛するために起こっている
あなたの抱く悩みを無意識の観点からのぞくと、このように「悩みをもつ」という状態は、あなたの無意識があの手この手を使って、さまざまな“あなたの恐れ“からあなたを守っていたり、“あなたの無意識の願い“を叶えていたりするということなのです。
例えばあなたが「みんなの輪の中に入れない」と悩んでいるとします。
このときあなたは、顕在(けんざい)意識では「仲良くしたいのに」と思っています。
正確には「仲良くしたいと思っている」と思い込んでいます。
ところが無意識のあなたは、そうは思っていません。
あなたはほんとうは、「仲良くしたい」どころか、「人が怖い」と思っています。
あなたが抱いている実感レベルでは、
「人が怖いから、人が自分に寄ってきてほしくない」
と望んでいるのです。
この「怖い」という、あなたが感情レベルで抱いている実感のほうが、本物です。
「え、でも私、寂しいから、ほんとうに人と仲良くしたいと思っていますよ」
ええ、そうでしょう。
では、あなたに近所の人が挨拶しました。どうしますか?
「私も挨拶を返します」
ではその人が立ち止まって、あなたに話しかけてきました。どうしますか?
「話をします」
ここまではできますね。
では、いつまで話をしますか?
話をするのが嫌になったり、つらくなったり、苦しくなったりしたとき、あなたはどうしますか?
あなたは話をやめたくても、途中で相手の話を遮って(さえぎって)断ることができません。
明日もあの人とは、顔を合わせます。
明後日も、明日明後日も、その後もずっと・・・。
あなたの無意識は、あなたが想像する以上に賢く、聡明で有能です。
その能力は無限大です。当然のことながら、あなたの未来も軽々と予測できます。
そうなるのが“怖い”と。
こんなふうにとらえると、悩みは自分を守るために起こっているのだとも言えます。
「悩みは自分を守るために起こっている。つまり、愛するために起こっている」
だから自分中心主義では、悩みは「私を愛し足りない」という、無意識からのメッセージと考えます。
では先ほどの場面では、どこが「自分を愛したりない点」だったでしょうか。
「人と接するのが怖い」。あるいは「人と話をするのが苦痛」。
そんなあなたのほんとうの気持ちを、あなたが無視している。
これが「愛し足りない点」です。
4.「悩み」はあなたへのメッセージ
ではこの例で言うと、「私を愛する」とはどういうことを指すのでしょうか?
それは、
「私は人と接するのが怖いんだ。人と話をするのが苦痛なんだ」
そんな自分の気持ちを認める、そんな自分の気持ちを愛してあげることです。
もちろん「仲良くしたい」という気持ちもあります。
でもその「仲良くしたい」は、自分の気持ちを愛してあげた後でのことです。
「私を愛する」ためには、この2つの願いを気持ちよく叶えてあげることです。
まず「人と話をするのが苦痛」と言う自分の気持ちを愛してあげるために、
「私はわざわざ立ち止まってまで話をしない」、
しかし、「仲良くしたい」という気持ちも愛してあげたいので、
「私は、挨拶だけしよう」
この2つを心から気持ちよく決めることです。
これが、自分を愛するということです。
こんなふうに、悩みがあると、自分がどこを愛していないかがわかります。
悩みがないと、自分の愛し方のポイントすら知ることができません。
それを知るために、無意識は、悩みという形であなたに「私を愛するためのメッセージ」を送っているのです。
「悩むのは、私を愛し足りないからだ。私を愛することができれば、悩みは消える」
ただあなたは「自分の愛し方」を、具体的に知らない点が沢山あるでしょう。
でもそれはこれから学べばいいだけです。
このように捉えると、もっと自分を愛したくなりませんか?
もっと自分のために悩みを解決したくなりませんか?
自分を育てるために、行動したくなりませんか?
さらにそうやって、自分を愛するために行動することが自分を守るためであり、また自分を解放することにもつながっていくのです。
自分を愛せば愛すほど、悩みは解消していくのです。
5.終わりに
文章が長くなってしまって申し訳ありません。
できるだけ分かりやすいよう、具体例も細かく紹介したために長くなってしまいました。
しかし「悩み」はあなたへの無意識からのメッセージであり、それに気づけばあなたがどのように行動すれば良いか、わかってくると思います。
それはこれからの長い投稿の数々をご覧くだされば、どうすれば良いかわかってくると思います。
まずは自分の率直な気持ち、「嫌だ・辛い・苦しい」という気持ちを大事にしてください。
まずはそこから始まってきます。
そして次回からいよいよ“自分中心主義”を紹介していく過程で、どうやって自分を愛すれば、悩みが解消していくかが分かるかと思います。
できればこれからもお付き合いいただければと思っています。
最後まで読んでいただいてありがとうございました!
出典:『「つい悩んでしまう」がなくなるコツ』(心理カウンセラー/石原加受子・著)
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