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戦後教育を斬る!!(憲法夜話2)最終章

教育滅びて、民主主義も資本主義も朽ち果てた

アメリカ自身による日本の教育の「非アメリカ化」

このアメリカの目論見は見事に成功したというべきであろう。

まことにルソーやジェファソンの指摘は正しかった。

教育なきところに、民主主義は育たない。

教育が骨抜きにされた結果、今の日本に、対米報復戦を行えるだけのパワーやガッツなどどこにも見当たらなくなった。

それどころか、もはや民主主義も資本主義も機能しなくなって、日本そのものの明日さえ怪しくなっている。

かつて世界の半分を敵に回して戦った国だとは思えないほどである。

最近では、75年前に日本がアメリカと熾烈な戦いを繰り広げたことなど、ちっとも知らない若者さえいると言うが、これも驚くには当たらない。

事実、今の日本はアメリカの51番目の州になりたがっているくらいなのだから、そう思うのも無理はないのである。

民主主義教育、民族教育が行なわれないから、政治家も官僚もますます堕落した。

政治家は「国家のためには命を捨てても惜しくない」と思わないから、大胆な改革など行なえない。

官僚に反抗されたら、ヘナヘナと腰砕けになる。

その官僚もまた「自分たちは国家、国民への奉仕者である」という観念がないから、国民の税金から出た機密費を流用しても、良心の呵責を覚えない。

自分たちの安楽こそが最優先で、天下り先の特殊法人を守るのには熱心だが、行政の失策で国民が死のうが責任を感じなくなってしまう。

さらに付け加えれば、戦前には「お国のためにならない政治家」を暗殺する右翼や、国家権力に実力で対抗しようと考えた左翼が存在したが、そうした勢力は右も左も消えてしまった。

政治家の暗殺は、1960年に社会党委員長の浅沼稲次郎が山口二矢に刺殺されて以来、絶えてなくなった。

その代わりに大量出現したのが、いわゆるカルト宗教である。

カルトの教祖たちは、学校教育に満足できない若者たちを吸収することに成功し、ついには国家転覆を実行しようとした。

これらはすべては戦後教育がもたらした荒廃であると言えるだろう。

「自主憲法制定」だけでは何も変わらない

憲法とは「慣習法」である。

たとえ成文化された憲法があろうと、それが実際に行なわれているかどうか、また、行なわれているとしても、それがどのように行なわれているかを見なければ、「憲法がわかった」とは言えないのである。

その意味で、憲法とは日本人が考えているよりずっと幅広いものであると言える。

そして、その中には教育制度もまた含まれる。

憲法を活かすも殺すも教育次第。

こう言っても決して過言ではない。

いかに立派なデモクラシーの憲法を公布しようとも、国民の間にデモクラシーが定着していなければ、その憲法は機能しない。

明治憲法を作った伊藤博文が悩んだのも、その点であった。

伊藤博文をはじめとする明治の元勲達の悲願は、日本を欧米から認めてもらえる近代国家にすることであった。

だが、それには西洋流の憲法や近代法を導入しただけでは不十分である。

日本人が近代精神を持たなければ、その法は機能しないであろう。

そこで伊藤は、山崎闇斎(やまざきあんざい 江戸時代の思想家)以来の尊王思想を基に「天皇教」を完成させた。

しかるに現代の日本は・・

戦後の日本で行われているのは、最もアメリカ式教育から遠い教育である。

いや、「最も非民主主義的な教育」と言ってもいいだろう。

戦後の日本では、デモクラシーの根本概念である「自由」も「平等」もまったく違う意味で使われるようになった。

これもまた、その結果である。

現代では、人を殺すのも「自由」、売春するのも「自由」であるという理屈が平気でまかり通るようになった。

もちろん、そんな自由はデモクラシーとは何の関係もない。

また、本来のデモクラシーにおける平等とは「機会の平等」だったはずなのに、それが日本では「結果の平等」と受け取られるようになった。

学校のテストや運動会の成績にランクを付けるのが「平等に反する」、「人権侵害」と非難される“民主主義国”は世界広しといえども、日本だけであろう。

安倍晋三内閣総理大臣は、「アメリカからの押しつけ憲法」から脱却し、自主憲法を制定しようとしている。

憲法改正の事を口に出すだけで「右翼」だの「軍国主義者」だのと批判された時代から考えると随分、進歩したように見える。

だが、憲法を変えれば、すべては丸く収まるのかといえば、残念ながらそうではない。

憲法を活かすためには、まず現在の教育を考え直すところから始めなければ、今の日本はけっして再生することはないのである。

その事を強調して、この記事のしめくくりにしたいと思います。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

おしまい

※ この記事は日々一生懸命に教育と格闘している現場の教師の皆さんをディスるものではありません。

【参考文献】『日本国憲法の問題点』小室直樹著 (集英社)

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