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読書感想

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読んだ本の感想。主に読書メーターから転載。たまに長いものも。
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2023年10月の記事一覧

読書感想-アキラとあきら(池井戸潤)

読書感想-アキラとあきら(池井戸潤)

面白かった。分厚かったが一気読み

■父の工場が潰れて家を追われた山崎瑛と、郵船を柱とする一族系企業の御曹司として生まれた階堂彬。二人は同じ銀行に就職し、出色の活躍をする

■生い立ちは正反対だが、2人のアキラは結構似ている。ライバルではなく、むしろ手を携え、困難に立ち向かうのが新鮮だ

■親族が反目しあい、階堂の家業は傾いてゆく。その様子も興味深い。なぜ会社は沈むのか。なぜ経営判断は誤るのか。学

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読書感想-HHhH(ローラン・ビネ)

読書感想-HHhH(ローラン・ビネ)

▽小説というより散文

どうも255文字の制限があると、なぞかけのような感想になってしまって良くない。

自分向けのメモなので極論構わないのだが、後で読み返しても「よく分からん」ということもままある。しかし別に手を抜いて書いているわけでもないから、労力が勿体ないような気もする。

ナチの高官を暗殺すべく、亡命チェコ政府が本国に送り込んだ2人の青年を軸にした物語だ。史実に基づいた小説であり、著者が相

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読書感想-生物はなぜ死ぬのか(小林武彦)

読書感想-生物はなぜ死ぬのか(小林武彦)

タイトルの大風呂敷にロマンを感じて購入した。人間を生物としてとらえ、誕生、老い、死の意義を問い直すのが面白かった

■説明は親切に噛み砕かれていた。「食べられて死ぬ(捕食される)か、食べられなくなって死ぬ(飢える)か」という分類の仕方も興味深い

■もはや捕食されることの少ない人間も、後進にはその場所を譲らなくてはいけない。多様性を積み上げることが、個体ではなく、生命のバトンを未来に繋ぐために不可

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