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誰もが“いつでもどこでも”使うサービスを目指し、できることすべてに挑戦する〜 / 取締役 サービス事業本部長 薄井 インタビュー

2015年10月のリリース以来、様々な取り組みを進め、現在は毎週の配信番組が650以上、月間ユーザー数が2,700万MUBと成長を続けてきた「TVer」。そのサービスの進化を先導してきたのが、サービス事業本部です。

「再生回数・ユーザー数の最大化」という、まさにサービスの根幹を担うポジションとして、どのような戦略で施策を進めているのでしょうか。サービス事業本部長の薄井に、部署の体制や注力している取り組み、今後の展望などを聞きました。

■プロフィール
取締役 サービス事業本部長:薄井 大郎
2006年、株式会社TBSテレビ入社。営業局でのテレビ広告営業、報道局での取材記者などを経験したのち、2020年より編成局編成課長。2022年6月より株式会社TVerに出向し、2023年4月より現職。


月間再生数3億回を突破したTVerは成長途中。さらなるサービスのグロースを目指して

——これまでの経歴と、TVer参画の経緯を教えてください。

私はTBSテレビに新卒入社して、広告営業、報道記者、番組編成と、3つの局で異なる職種を経験しました。

災害の報道や番組の編成に長く携わってきたキャリアから、テレビで情報を発信することは、大きな使命を担っていると実感する場面が多かったです。

重大な災害や事件が起こった際には、通常の放送スケジュールを差し替えて報道するのか、責任の伴う判断を迫られます。

テレビの仕事は届けられる範囲が非常に広く、緊急の情報を速やかに提供することで、多くの人々を守ることにつながります。その社会的意義が自身のやりがいにつながっているんです。

そして2022年からはTVerに出向し、2023年4月よりサービス事業本部長を務めています。

——出向が決まった当時、テレビ番組を制作する立場だった薄井さんは「TVer」に対してどのような印象を持っていましたか?

非常に勢いのあるサービスだと感じていました。TBS編成局時代に、すぐ隣のチームがTVer配信に関わっていたこと、また私自身もTVerのいちユーザーであることから、サービスを身近に感じる場面が多かったですね。

テレビ局は、常に「いかに広く多くの人に番組を届けるか」に注力しています。その中で、視聴者へのアプローチの方法として、“いつでもどこでも”コンテンツを提供できる価値は、計り知れません。

ですから、非常に影響力が増しているメディアに関われると聞いて嬉しかったです。「TVerでやれることはたくさんある」と、期待を胸に出向したことを覚えています。

——本部長を務めるサービス事業本部は、どのような役割を担っているのでしょうか。

TVer社の事業体制は、広告事業本部とサービス事業本部、メディアソリューション事業本部の3つに大きく分かれています。私たちは、広告を除くサービス全体の運営を担っています。

再生数やユーザー数の最大化を主なミッションとして、どれだけのユーザーにTVerを利用していただけるかを考え、実行するのが私たちの役割です。
対象はVODだけでなく、放送と同時に配信を行う「リアルタイム配信」、スポーツなどの生配信を行う「スペシャルライブ配信」などが含まれます。

2023年3月には、TVerの月間動画再生数が初の3億回を超え、サービスは着実に成長しているものの、まだまだ成長途中。さらに多くのユーザーへTVerを届ける取り組みの意義は、非常に高いと考えています。

6つのタスクが連携しながら、日々新たな施策を企画・実行

——サービス事業本部の体制と担当業務について教えてください。

サービス事業本部は、6つのタスクに分かれて業務を行っています。

1.コンテンツ編成タスク

TVerで配信するコンテンツの調達・編成を統括するチームです。

コンテンツ編成タスクの業務は多岐にわたります。例えば「俳優特集」のような切り口で、TVerでしか実現できない放送局を横断した企画を立てたり、各局と交渉してコンテンツを調達したり。

最近では、ドラマ・バラエティのスピンオフや、TVer完全オリジナル番組の配信など独自性の高いコンテンツの配信を行う機会も多くなりました。

また、サービス画面上での効果的な配置を考えるなど、ユーザーの満足度を高めるためのコミュニケーション設計も重要な業務のひとつです。

2.コンテンツ運用タスク

テレビ番組をインターネットで配信するための運用業務およびディレクション業務を行うチームです。社内外を問わず関係者との調整が多く、いかにスムーズに連携できるかが重要なポイントです。

受け取った素材のチェックや配信番組のスケジュール管理、配信に必要な情報の設定など、正しく番組が配信されているか、細やかな作業が求められます。

3.プロダクトタスク

自社サービスであるTVerだけでなく、社内向けTVer運用システムや放送局向けシステムなどの開発・運用を行う開発組織です。

急激にサービス規模が拡大・成長する中、新たな機能を検討・実装しつつ、サービスの安定性や信頼性も向上させるべく、様々な役割に分かれて業務を行っています。

2022年4月からTVerでは、ログイン機能の「TVer ID」が提供開始となりました。ID数も順調に伸長していますので、今後、データの利活用を目指して力を入れていきたいと思っています。

4.マーケティングタスク

市場分析から始まり、プランニング、プロジェクトリード、広告出稿やSNS運用、「TVerプラス」や「Screens」などのオウンドメディアの運営など、幅広くマーケティング業務全般に携わるチームです。外部メディアやプラットフォーマーと協業して施策を進めることもあります。

5.CTV(コネクテッドTV)タスク

現在注力しているのが、利用が急増しているCTVへの対応です。再生数の約3割がCTV経由となっていることもあるため、2022年にチームを新設しました。

CTVを利用する方々に、ビジネス面、開発面を含めて、TVerへアクセスしてもらえるような動線づくりを考えることが主な業務です。

これまでも様々なデバイスへの対応や「TVerボタン」の設置などを行ってきましたが、2023年4月には、Amazonが提供する「Fire TV Stick」シリーズのリモコンに「TVerボタン」が初搭載され、ワンプッシュでTVerの起動が可能になりました。この取り組みを主導したのも、CTVチームなんです。

6.カスタマーリレーションタスク

ユーザーの方からの問い合わせ対応や、ブランドイメージの向上を目的とした広報業務に携わるチームです。サービスに関する各種リリースなどは、カスタマーリレーションタスクから発信しています。

——業務範囲が多岐にわたりますが、部門を統括するうえでどのようなことを大切にしていますか?

各タスク同士でいかに連携を取れるかを、常に意識しています。サービス規模も拡大し続ける中、それぞれのタスク内で成果を上げていくことはもちろん重要ですが、さらなる成長のためには、タスク同士の相乗効果を生んでいかなければいけません。

また「TVerサービスのさらなる成長」に向けて、メンバーにはなるべく明確なメッセージを発信したいと考えています。
「なぜやるのか」を納得してもらうのが、良いパフォーマンスにつながるからです。本部長に就任後、各タスクのマネージャー陣とは個別のキックオフも開催しました。

2023年度に掲げるテーマは「プラスワン視聴」です。新規のユーザーの方に使っていただくことに加えて、目当てのコンテンツを視聴するために「TVer」にアクセスしたユーザーの方が「他の番組も見てみようかな」と、追加の視聴につながるような仕掛けを作りたいと思っています。

実際に、新たな取り組みにも着手しています。2022年にはプロ野球「SMBC日本シリーズ2022」全試合リアルタイム配信、2023年春には「第95回センバツ高校野球」全試合のスペシャルライブ配信を行いました。

スポーツコンテンツのように、あまり拡充できていなかった領域の配信にも積極的に取り組み、良いコンテンツを多角的にユーザーの方々へ届けていきたいですね。

壮大なミッション「テレビの開放」に挑むおもしろさ

——サービス事業本部として掲げる今後の展望を教えてください。

TVerは順調に成長していますが、そのスピードをさらに上げ、ユーザーの方に文字通り“いつでもどこでも”使ってもらえるサービスへと育てるのが大きなミッションです。

最新の調査で、TVerの認知度は68%ほどという結果が出ました。
「認知されている=実際に活用している」状態であれば、単純計算すると国内で7割ほどの方々にご利用いただいていてもおかしくありません。

ですが、現在の月間ユーザー数は約2,700万MUBと、理想とは大きなギャップがあります。TVerを届ける余地は、まだまだ多くありそうですね。

再生回数の最大化に向けては、配信するコンテンツのさらなる拡充、コンテンツの魅力を向上させる企画、サービスの使いやすさ、プロモーション方法の見直しなど、様々な側面で手を打っていく必要があります。

「これだけやればOK」という絶対解は存在しないからこそ、それぞれのタスクが連携しながら、一つひとつの施策を積み重ねていくことが重要です。

今、世の中にはいろいろな動画配信サービスが存在します。競合の動向をまったく意識していないと言えば、嘘になるかもしれません。

しかし「テレビ番組」というクオリティの高いコンテンツを、これだけ多くの放送局をまたいで集めて無料配信しているサービスは、TVerの他にありません。
私たちだから提供できる価値や魅力を磨き、伝えていくことが重要だと考えています。

——薄井さんが感じる、働く場所としてのTVerの魅力はどのようなところにありますか?

とにかく、エキサイティングな環境だと感じています。在籍するメンバーは、全員が各タスクのプロフェッショナル。彼らとともに、今まさに伸びている動画市場に携われるおもしろさを大いに味わえると思います。

また、これほどの社会的インパクトの大きなサービスを動かすには、個々の能力を発揮しつつも、チームとして団結することが不可欠です。ひとつのタスクだけで完結する仕事はほぼありませんからね。

横のつながりを大切にすることで、さらなるグロースを目指す一体感を味わいながら仕事ができると思います。

——どのような人が、TVerで楽しめると思いますか?

「自分が引っ張っていこう」と、オーナーシップを持って仕事を進められる人でしょうか。

サービス事業本部には様々なタスクがあり、業務の幅広さゆえにメンバーのバックグラウンドも多様です。そのような中で、社内外の人たちと円滑にコミュニケーションを取り、同じゴールに向かって協働していくスタンスが求められます。

さらにTVerは、放送局の垣根を越えてテレビの変革に取り組む、業界史上かつてない試みにチャレンジしています。

そうなると、大概の業務はこれまで前例のないことに立ち向かっていかなければならない。誰も正解を持ち合わせていないから、壁にぶつかることだって少なくありません。

そのような中、みんなで一つひとつ課題を乗り越えていく過程を楽しめる組織は、なかなかないと思います。

TVerのミッションは「テレビを開放する」こと。この壮大なチャレンジを楽しんでもらえる人に、ぜひ来てほしいですね。その実現は決して簡単ではありませんが、他のどの会社でも味わえない体験ができるはずです。


株式会社TVerでは、一緒に働く仲間を募集しています。興味のある方は、こちらからエントリーください。

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取材協力:CASTER BIZ recruiting