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《球事好事》甲子園100年に想う 〜脱ガラパゴスへの好機〜

◎甲子園球場が完成して100年。世代を超えて試合の数だけドラマがあり、次の100年へ選手もファンも、そして球場も進化することを願って。
 

甲子園。この3文字に球児の夢、地元の期待、野球ファンの声援が注がれて今日で1世紀。100歳お誕生日おめでとうございます!
 同球場は間違いなく日本野球の聖地であり、今後もその地位は揺るぎないと確信する。
 一方で、気候変動に伴う暑さ対策として、7回制や試合の2部制、或いは大会期間を例えば秋にずらす等、試行錯誤の大会運営が今後予想される。このことは選手は勿論、応援生徒ファーストの柔軟な対応を支持したい。

ガラパゴス球場からさらなる進化へ

 そしてもう一つ、実現可能ならば是非、選手を世界標準のグラウンドで試合させてほしい。日本の球場は長らく芝生を外野のみに敷き、内野は黒土でどろまみれでプレーするのが当たり前だった。
 しかし本来、野球場は内野・外野共に天然芝で覆うのが標準仕様であり、本場アメリカは勿論、中米、欧州、近隣のアジアにも総天然芝の球場が圧倒的というか、外野のみの球場は日本しかない。よくプロ野球の外国人選手が、初めてプレーする甲子園や地方球場の内野黒土に当惑する話を聞く。
 例えば、サッカーで一部芝が剥がれて土がむき出しのピッチに誰が立てるだろうか?
 
 何故、日本の球場は内野の芝をケチってガラパゴス化したのか?面積でいえば外野の芝の8分の1程度。
 理由の一つに試合数の多さがある。つまり、打者・打球、走者、投手・守備陣による芝の摩耗や劣化が早いため、常時芝を敷いていられない事情がある。しかし、これだけメジャーに選手を輩出し、WBCの優勝国が、日本独自のお粗末なグラウンドの現状はいつか変える必要がある。

日本の球場変革のカギは、やはり甲子園

 更に日本の地方球場は、甲子園で勝つために規格や芝生の形状まで模倣して作られているものが多い。よって、日本のガラパゴス球場が変わるために、まずは甲子園からの新しい改革を望みたい。そうでない場合、総天然芝の海外球場では例えばバント処理ひとつにしても打球の勢いは変わるし、攻守共に思わぬ勝敗を分けるプレーを招きかねない。更には黒土よりも芝のほうが地表温度は下がるという。
 同じ発想ではないと思うが、横浜DeNAの筒香選手が和歌山県橋本市に、世界へ羽ばたく後継球児のために、総天然芝の球場を自費で作ったニュースは記憶に新しい。

甲子園改革の最終形

日本のガラパゴス球場改革は甲子園から

 甲子園のグラウンド整備で定評ある阪神園芸さんが一番長けているのは、土ではなく芝の手入ではないだろうか。ならば、将来メジャーをはじめ、国際大会で日の丸胸に戦う球児のために、同一環境で経験をつませてあげてほしい、そのためにはまず聖地の改革が必要だと痛感している。
 歴史、ロケーション、設備、景観は申し分ない最高のスタジアム甲子園。一部意見にあるドーム球場化など不要、最後に手を加えるのは選手がプレーするグラウンドであると思う。


(以下随時追記)