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都庁安倍課~ワケアリビトの勤務格闘記

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~難病、発達障害、鬱、ガンサバイバー、みんな働きたい! ~ 東京都庁49階には、”都庁疾病課”、通称”都庁安倍課”が存在する。 安倍総理の鶴の一声、「少子化の進む日本で、病気を抱…
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#筒井康隆風

都庁安倍課~月曜の出社は憂鬱~

都庁安倍課~月曜の出社は憂鬱~

 誰だって会社なんて行きたくない。誰でも職場が合わない、ただ……。朝食後阿部はもう30分も自宅のトイレに閉じこもっている。このまま蟄居して化石になりたい。
「唖倦啊厭屙荒遭痾安遭......。」
 とか考えてもしょうがないのだ。安部には家族がいる。子供たちも中学と高校お金のかかる時期だ。家のローンも残っている。ここ、しか、ない、のだ。
 アベノミクスで景気は一見上向いたかにみえる。さらに経済特区が

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都庁安倍課 ~悩み多き火曜日~

「こ、古藤さんまた休みだそうです。」
ADHDの吉川君が、電話を何度も切りそこねつつ報告した。さて、本日の休みは古藤さんらしい。
「また休みか……。」
 阿部は溜息をつく。別に彼女じゃないといけない仕事があるわけではない。カバー出来るよう、タスクワールドで仕事の進捗状況は把握できている。もっともこの職場程度の仕事なら、エクセルで十分なのだが。そのくせ出退勤は、カードに出入り口に設置してある打刻器で

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都庁安倍課~水曜の朝は極鬱

「ああ、この季節は曇ると気が滅入る。」
 鬱病持ちの小山は歩道の手すりにもたれつつ、諦めて職場に電話をした。電話に出たのは課長で、その落ち着いた声が彼を安心させる。
「課長、すみません、今朝の出社、ゆっくり行きます。」
「無理しなくていいよ、直接コミュニテイハウスに向かってもいいよ。」
 課長は静かに優しく言う。欝の人には当然の対応だが、この課長には誠意が感じられる。病人は馬鹿ではない。というより

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都庁安倍課~木曜日はわりと元気

「そ、それでは地域の見回り行ってきます。」
 ADHDの吉川は、母親に教えられた通りの丁寧な挨拶をして外に出た。看護婦さんとペアで、地域の独り暮らしのお年寄りを訪問するのだ。
「この季節は歩いていて気持ちがいいから、ちょっと回り道しない?」
 看護婦の井上さん珍しい事を提案した。
「そんなに気持ちいいかな?」
 吉川は少し疑問を抱いたが素直に従う。実はこの道は井上の通勤ルートで、この先に日赤の募金

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都庁安倍課~金曜日はHAPPY

 山田課長は淡々と仕事をこなす。定時出社、定時帰宅。管理職としてはこの上ない待遇である。彼は自分の処遇になんの不満もない。
 妻と二人の夕食。妻は庭木についてぽつりぽつりと話す。山田はうんうんと頷く。特に多弁なわけではないが、話をしないわけでもない。よくある50代後半の夫婦だ。
 2年前、前立腺がんのため摘出し夫婦の関係はないが、その遥か以前からそのようなことは無かったし、自分でもそんなものだろう

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都庁安倍課~土曜日はみんな一緒~

「相変わらず古藤さんは遅れているなあ。」
 安部は貧乏ゆすりをしながら、盆踊りに使う広場前で皆の点呼をとっていた。
「まあまあ、主任、古藤さんは準備時間開始には現れますよ。」
 ADHD吉川は場の雰囲気に気を配る。
 要領がよければいいってもんじゃねえ!再び叫びたくなる阿部であった。でもまあ、今週の勤務態度はまあまあであった。

 今回の祭りの目標は
「怪我なく、事故なく、そこそこ楽しく。」
 ミ

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