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読書感想文

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読んだ本の感想※ネタバレありです
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愛することは地球規模の至上命題だ

最近の私たちは、愛するということがどんなことなのかわからなくて、心のどこかがいつも孤独だ。悟りを開いて、ありのままでいられない。相手と自分の心の間に壁を立てて自由に愛を表現することが難しい。
それなのに、私たちは時に理性を飛ばして不器用に健気に、奔放に傷ついたり傷つけたりして愛するということをやめられない。だからこそ、人間の営みは愛おしくて人間くさいのかもしれない。
愛するということにきっとルール

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『神様のビオトープ』凪良ゆう

静かで穏やかな日常の中に見える人間の、愛着のような感情を柔らかに鋭く描いた物語。
他の人には理解されない感情。その痛みは本人だけのもの。愛する感情も本人だけのもの。
愛の形は人それぞれだから本人が良ければ良い。
人が想う愛の形について問いかけられている気がした。
人間の在り方とは何なのか。
様々な感情がこの箱庭のような世界(ビオトープ)に息づいている。
それらは不器用に曲がりなりにもきれいに整って

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