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考古学用語解説

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第447回 勝手に考古学用語解説 NO.21 道

1、ついにガチャと呼ぶ人までTLに現れました

本日は某国民的イベントに駆り出されているため、

朝から深夜まで更新する余裕がないと思いますので

記事自体は前日に作成して、

日付が変わったらUPできればと思っています。

主にTwitterと地元紙でしか情報を入手しておりませんで、

大変偏った状況分析しかできないので詳しくは述べませんが

結果はどうなっているでしょうか。

2、本日のむかし

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第412回 勝手に考古学用語解説No,20 喫煙具

1、発掘調査の休憩時の一服が何より楽しみだったこともありました

今日のミヤギは昨晩からの雨がしばらく続き、すっかり梅雨空でした。

そんな中、私といえば地域の奉仕活動に参加して川沿いの草刈り。

農業で鍛えたオジさまたちに混じってへっぴり腰でひたすら草刈機を振るいました。

そしてその休憩中に吸う煙草のうまそうなこと。

そう、私は禁煙して3年くらいになるでしょうか。

こういう外仕事したときの

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第411回 勝手に考古学用語解説No.19瓦器と瓦質土器

1、なぜこんなものが

本日は所属するというか、事務局を勤めている研究会の活動として

とある遺跡の出土遺物を見学してきました。

すでに20年前に報告書が刊行している遺跡ですが

当時は掲載しきれなかった遺物が多数あったようで、

驚きとともに大いに勉強になりました。

その中で、普通はミヤギでは出土しないようなタイプの遺物がありました。

それが瓦器です。

2、瓦器の成立と展開

導入はいつ

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第410回 勝手に考古学用語解説No.18 溝・堀

第410回 勝手に考古学用語解説No.18 溝・堀

1、冒頭のイラストは『歴史人』2019年5月号より引用

昨日リツイートしたこのニュース。

コメントを頂いて気になったので今日はこの話題を取り上げます。

薬研堀はいつからあったのか。

そもそも薬研堀ってなんだ?

どんな意味があるの?

という方も是非最後までお付き合いくださると嬉しいです。

2、堀と溝の違いは?

いつものように導入はこちらの事典から

まずは水田耕作技術の構成要素として

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第404回 勝手に考古学用語解説No.17 庖丁と俎板

1、俎板と庖丁はいつからあるの?

先日とあるツイートをコメント付きでリツイートしたらフォロワーさんたちが意外と関心を持ってくれたのでちょっと整理してみようと思います。

こちらのサイトによると

『春日権現験記絵』に台所を描いた場面があり、ちょうど俎板の上で魚を切っている様子を伺うことができます。

2、考古学的に確認できる資料

手元にあった事典を紐解いてみると

古代には刀子(とうす)と言っ

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第389回 勝手に考古学用語解説No.16 礫石経

第389回 勝手に考古学用語解説No.16 礫石経

1、横穴古墳を見に行って中世の信仰に出会う

過日、視察研修の一環で宮城県利府町の道安寺横穴古墳群を訪れました。

横穴墓については以前noteでも触れたことがありましたね。

しかし、今回は古墳時代ではなく、中世のお話。

この横穴墓は7世紀代のものとみられているのですが、どうも中世にも信仰の対象となり、

仏教の経典を石に書いたものが多数発見されています。

これを礫石経といいます。

2、礫

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第382回 勝手に考古学用語解説 No.15 古墳

1、読書記録 58

先日のnoteで百舌鳥・古市古墳群の話題に触れましたが

その時少し参考にしたこの本を今日はじっくりご紹介したいと思います。

そのものズバリというタイトル。ある意味挑戦的でそそられますね。

2、目次

古墳の存在意義

始祖墓としての古墳

古墳からみる政治構造

五世紀後半の画期と渡来人

古墳の終焉

その後の古墳

3、古墳は一族の結束を高めるためのもの

まずは古

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第370回 勝手に考古学用語解説No.14 鏡

1、三種の神器の一つ 八咫鏡

勾玉に剣ときましたので最後は鏡で締めたいと思います。

また例によって、伝説などについては以下にリンクを貼ったさなさんのnoteをご確認ください。

2、銅鏡とは

これまた例によって導入はこちらの本から

これによると、東アジアで最古となる鏡は、紀元前3000年頃の斉家文化のときだそうです。

我が国に鏡が初めてもたらされたのは弥生時代で、

多鈕細文鏡(たちゅう

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第369回 勝手に考古学用語解説No.13 剣

1、三種の神器の一つ 草薙剣

改元を機に注目を集める三種の神器。

昨日のnoteに引き続き、考古学的に剣について紹介していきたいと思います。

また古事記などにどう描かれているかは

さなさんのnoteをご参照ください。

2、剣から刀へ

例によって導入はこの本

これによると

東アジアでは紀元前1000年頃に中国東北部で遼寧式銅剣というものが出現します。

この系譜が弥生時代の日本にも伝

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第368回 勝手に考古学用語解説No.12勾玉

1、三種の神器の一つは勾玉

平成から令和への改元で注目を浴びている三種の神器。

フォロワーのさなさんのnoteにも触発されたので

今日は勾玉について考古学的に解説してみようと思います。

神話でどのように描かれているのかなどは是非リンク先をご覧いただければと思います。

2、日本人の基層にある勾玉信仰

本日も導入として引用させていただくのはこの辞典。

本稿で取り上げる部分だけ抜粋すると

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第359回 勝手に考古学用語解説 No.11滴水瓦

第359回 勝手に考古学用語解説 No.11滴水瓦

1、瓦の話リターンズ

この企画はすっかり久しぶりになってしまいましたね。

そう、熊本城の復旧工事に際して、「慶応」の年号が記された滴水瓦が出土したことがニュースになっていましたね。

そこで今回は滴水瓦を解説しようと思います。

瓦にどんな種類があって、どんな名前があるか考えたことあるでしょうか?

以前も一度noteで触れたことがありますが改めて取り上げてみます。

大阪府柏原市のHP

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第334回 勝手に考古学用語解説 No.10 板碑

第334回 勝手に考古学用語解説 No.10 板碑

1、こんな日には悲しいニュースも

今日は季節外れの雪が深々と降り積もっています。

ミヤギはよく冬の終わりに最後の雪が降り、桜と共に眺めることもできます。

さて、今日は勝手に師匠と仰いでいる考古学者さんから、とある町の板碑が復興事業のどさくさで失われてしまっているのではないか、というお知らせをいただきました。

そこで今日は板碑について用語解説をしていきたいと思います。

ちなみにトップ画像は

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第327回 勝手に考古学用語解説 No.9金印

1、水田の中から金色の輝き

明治大学文学部の石川日出志教授から、平成30年1月21日に福岡で行われた

シンポジウム 「漢委奴国王」金印を語る~真贋論争公開討論~

の資料をいただいたので、これをもとに今回は「金印」について解説していこうと思います。

画像は是非リンク先の福岡市のページでご確認ください。

金印が発見されたのは江戸時代、天明4年(1784)のこと。

福岡県福岡市の志賀島

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第319回 勝手に考古学用語解説 No.8 横穴墓

1、洞窟と古墳

全国の丘陵の裾や崖面に見られる洞窟。

それらは時代も掘られた意図も様々ありますが、そのうち少なくない数の洞窟は「横穴墓」とよばれる古墳時代の終わりころの有力者のお
墓です。

今回は

池上悟 2004 『日本横穴墓の形成と展開』雄山閣

を参考にこの用語を解説します。

高塚古墳(通常イメージされる墳丘を持った古墳)があった地域にそのままあったわけではなく、限定

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