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#ネタバレ
“神”なき闘いを描く、傷だらけのスピンオフ『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』
プレイヤーが士官学校の先生となって生徒たちを指導し、やがては彼らを束ねる将として、そして自身も一人の兵士として、同じ学び舎で過ごした学友たちと剣を交える。あまりに悲痛で残酷な「戦争」の在り方を出来る限りゲームに落とし込んだ『ファイアーエムブレム 風花雪月』という作品は、忘れえない心の傷と輝かしい青春の喜びとが同居する、中々に得難い「経験」を与えてくれた。
『風花雪月』はあのコーエーテクモが開
『ファイアーエムブレム 風花雪月』は戦争を「経験」するゲームだった。
時折、「作家は経験したことしか書けない」という言説が、定期的にtwitterで広まることがある。それに対し、ならばミステリー作家は大量殺人鬼で、ライトノベル作家は異世界からの帰還者の集まりじゃないか、という批判を目にしたこともある。ただこの言葉の真の齟齬とは、ここでいう「経験」が「体験」と置き換わっていることだと思う。
経験と体験は似て非なるものであり、上の例で言えば他者を殺害した「体験」は
『ニューダンガンロンパV3』賛否両論の結末は、デスゲームの最果てに至る。
途方に暮れている。ゲームをクリアした時、達成感とか充実感とか、あるいは解放感や失望だったりと、ポジ/ネガ問わず何かしらの感情が浮かび上がるはずだ。なのに、『ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期』の最後のムービーを観て、見慣れたタイトル画面に舞い戻った瞬間、感じたのは「困惑」と「虚無」である。
が、数時間経て思い返せば、その心境は「納得」へと変わった。ナンバリングタイトルにして三
絶対的な絶望を撃ち抜く、『スーパーダンガンロンパ2』が創る未来への希望。
10年ぶりに『ダンガンロンパ』を再読する。そこには『2』を遊ぶための準備体操、という意味合いがあった(のだが結局ドハマリしてしまったのは以前の記事をご参照いただきたい)。
『2』発売当初はまだPSPも現役で遊んでいたし、前作(以下、『無印』と呼称)もかなり楽しませてもらった。なのに、金銭的に余裕のない苦学生だった私は『2』を購入することもなく、ダンガンロンパの知識は『無印』で止まったまま、以