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#映画
差し伸べられたのは分岐点。『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』
東京での公開から数ヶ月遅れで我が地元にやってきた『ベイビーわるきゅーれ』一作目を、ミニシアターの小さなスクリーンで観たのが3年前。続く二作目は大手シネコンにて全国一斉にロードショーされるようになり、そして今回の三作目は地上波で連続ドラマが並走して放送中、かつ池松壮亮や前田敦子がキャストに集うような作品になっていた。いくらなんでも、デカくなりすぎである。
して、今回の『ナイスデイズ』は冒頭の空
真剣だから、面白い。『侍タイムスリッパー』
時折、「あぁ、映画っていいなぁ」と思える作品に出会えること、あるじゃないですか。本作がそれです。これ以上は何も調べなくてもいいし、何ならこのnoteも読まなくていいです。行って、映画館に。いいから、絶対に。
それでも何とか推薦文のようなものを書くとしたら、本作は「手ぶらで観に行って笑える、万人に開けたコメディ」であることを、まずは推したい。
幕末時代の会津藩士が、雷に打たれたことで現代の
みんな、元気でやってたかい?『デッドプール&ウルヴァリン』
MCU疲れ、という言葉を意識する機会が増えてきた。
映画の連続ドラマ化を実践してきた最大手であるMCUが、今度は本当に配信ドラマ(『ホワット・イフ...?』はアニメだけど)まで始めてしまい、供給量と余暇時間のバランスの不一致が広がり、サノスを倒す以前と以後では自分の中でのこのユニバースに対する熱量は大きく差が開いてしまった。仕事の繁忙期を言い訳に、『マーベルズ』を劇場鑑賞ではなく配信で済ませ
草葉の陰で、シーザーが泣いている。『猿の惑星/キングダム』
つい先日、猿が強制労働させられているという共通点を持つ『ゴジラxコング 新たなる帝国』の感想にも書いたけれど、私はリブート版『猿の惑星』三部作が大好きだ。
CGの進歩によって成し遂げられた「人間を憎み、エイプに感情移入する映画」の発明により、私は“シーザー”の勇姿に喝采を送り、彼の存在そのものが神格化され物語が閉じる様を観て、落涙した。
各作がジャンルを変えながら、それでいてシーザーの波
“キング”コングになるために。『ゴジラxコング 新たなる帝国』
生まれてこの方特撮ファンをやらせてもらっているが、間違いなく今、「ゴジラ」というIPがもっとも元気である。
国産最新作『-1.0』がアカデミー視覚効果賞を受賞し今なおロングラン公開が続き、TVでは『ちびゴジラの逆襲』の新しいシーズンが放送中である。数年前とは比較にならないほど、ゴジラの名を目にする機会が増えた。新作が長い間途絶えたことのある歴史を踏まえれば、考えられないほどに恵まれている。
かくも愚かしき人という生き物。『オッペンハイマー』
『オッペンハイマー』を観た。観てしまった、という気持ちで頭がいっぱいになってしまっている。日本での公開が遅れた理由も、本編を観た今ならわかるというか、配給事情について無責任な心情を抱いてしまったことに反省するばかりである。
『オッペンハイマー』、センシティブな題材ゆえにこの言葉を当てはめるのが正しいかは今なお悩ましいけれど、一個人の身勝手な感想としては非常に面白かった。伝記モノかつ三時間の長