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歌詞制作『The sea of the clouds 』

初めましてこんにちは、tomonです。
記念すべき第1回目の初めてのnoteです。

緊張しているのと、まだ勝手がわかっていないので読み辛い面もあるかもしれませんが、温かい目で見守って貰えると嬉しいです。

今後は作詞や歌、創作全般についてなど綴っていけたらいいなと思っていますので、ご興味もって下さった方は是非次回も覗きに来てみて下さいね⭐︎

また今回は大きな震災もあり、これを書くこと自体、躊躇してしまう瞬間が何度もありました。
色々な情報を知る度、苦しくなってしまう現実があり、どうするのが1番良いのか考えたりもしました。答えは出ないけれど、被災地に居ない自分にできる事は、自分まで塞ぎ込んでしまっていてはいけないという事。それだけは分かりました。

少しでも早く被災地の方々のお気持ちの回復と、誰かの小さな光になれる事を願って、できる事を探していけたらと思います。


作詞の風景


私は大抵、歌詞とメロディが同時に降りてくるので自然に触れていたり、お風呂に入っていたり、そんな時に溢れるように曲ができる事が多いかもしれません。

勿論、歌詞だけ先に溢れてくる時もあるし、逆にメロディを聴いてから生まれてくる事もあります。

自然の中で歌を口ずさむのが好きで、周りの樹々がさぁぁーっと音を立てて、まるで一緒に歌うかのような感覚になる時はとても嬉しくなります。

今回はそんな時の感覚を思い出しつつ作詞をしていきました。歌詞にほんのり色をつける程度のメロディも少し添えつつ、伊月さんに改めて見て頂くと、凄く褒めてもらえたので後は託す事にしました。

歌詞の読み解きを書くのは少し気も引けます。
何故なら、歌詞の取り方は自由であってご視聴下さった方の数だけそこにストーリーがあると思うからです。

あまり知りたくないリスナー様もいらっしゃると思うので、ここから先知りたくないなと思う方はご留意ください。

歌詞に込められた物語


いつも気持ちが塞ぐと足を運ぶ、お気に入りの場所があります。このThe sea of the cloudsの歌詞は去年9月頃にできました。

大きな空を見上げると、それはどこまでも広がっていて、浮かぶ雲は光に反射するとJewelのように輝いて見えました。もくもくと空に浮かぶ姿はまるで雲の海のように思えたのを覚えてます。

この雲の海を渡って会いに行けたならどんなに良いだろう。そう思った所からストーリーは始まりました。


フィンランドの森


この歌詞の舞台は妖精のいる森です。
妖精といえば……北欧やアイルランドが浮かびました。アイルランドはケルト音楽が大好きな自分としてはいつか舞台にしたい国ですが、色々と模索する中で思考の先に辿り着いたのはフィンランドでした。

フィンランドの森を見ると、鏡のように澄んだ水とそれを覆う樹々たち。今にもお伽の世界が広がりそうな神秘な美しさで、妖精が住む魔法の森のイメージで描いた世界感にぴったりと当てはまったのです。

そこから湧き出た、古の世界での絵本のような短編のBack Story。フィンランド神話の世界を物語の舞台にしていますが、神話とは関係ないOriginal Storyになります。

この作品の序章にあたる部分ですが、ここに少しだけ置いておこうと思います。Back storyは知らない方が良い場合もあると感じる為、実は最後まで掲載するのを悩みました。なので、知りたい方だけ見て貰えたらと思います。

フィンランドの神話をほんのり取り入れて考えたオリジナルの短編物語ショートカット版。

また今回、歌詞の中に鳥が出てくるのですがその鳥にもちゃんと意味があったりします。

鳥は神話の時代から神の使いのような要素もあり、色んな意味を含みつつ歌詞に奥行きを持たせた部分で、どの解釈を取っても色々なストーリーを想像して頂けたらと感じていました。気付いて下さった方がいたら嬉しいなと思う部分でもあります。

他にも視覚的に捉えた歌詞と聴覚的に捉えた歌詞とでは、また違った見え方になっていたり…何気に沢山の仕掛けが潜んでいます。気になる方は是非また探してみて下さい。

実はタイトルでも、そんな二人が同じ空を見ているということを表していたりします。小さな表現の違いですが、大切に考えました。



伝えたかった自然の美しさ


日々感じる自然の美しさを少しでも届けたい。
雨上がりの雫がガラスのように輝く樹々。
植物が彩りの花や実をつける生命いのちの美しさ。眠る遺跡や輝石。空を映す湖や海。

この地球ほしの美しさがいつまでも続いて欲しいと願う気持ちと、この美しさは決して当たり前ではなくて、何億年もの時を越えて作られたこの地球ほしの奇跡であると言う事を忘れないでいたい。そんな想いものせたくて、言葉の描写は大切にしました。

日本語でいう花鳥風月という言葉を使うことなく、いかに表現していくかがポイントでもありました。

イラストレーター 7:24/犬飼陽さんのイラスト

何より嬉しかったのはイラスト動画を担当して下さった7:24/犬飼陽さんの描いて下さった世界がとても綺麗で清廉な空気まで感じる事ができた事です。(以下、犬飼さんとお呼びさせて頂きます。)

ご存知の方も多いとは思いますが、犬飼さんとは、前作品『蒼茫のアールヴァル』でもご一緒させて頂いていて、その時も青の美しい世界を神秘的に描いて下さった素晴らしいイラストレーターさんです。

今回はお忙しい中、引き受けて下さったと知り本当に感謝でいっぱいでした。ただでさえ公開まで時間もあまりなく、細かい設定もお渡しできていなかった筈なので、歌詞の世界、曲の世界から汲み取っていただいて描いて頂いた部分は本当に大きいと思います。

まず感動したのはこのイラストでもわかる通り、リンさんのいる右半分とレンさんのいる左半分で空間や空の色合いを変えて下さっている事でした。

これは本当に嬉しくて、表現したかった二人の置かれた状況を言わずもがな分かって下さっていて、さらに密かに感動したのは、本当に些細な部分ですが植物にそっと、雫を描いて下さっていた事に気が付いた時は感涙そのものでした。

花に雫が…小さな事かもですが嬉しかった…


他にもここではご紹介しきれない程、細かい部分を動画の中で汲み取って下さっていて、あぁこの世界を伝える事が出来たんだと胸が温かくなりました。
何より犬飼さんのリンさんレンさんへの愛が篭っていて、それがとても伝わってきました。

2人のお揃い感ある衣装や色合も装飾もとても好きです。


そして今回このnoteにもイラストを使用させて頂く事を快くご了承下さった犬飼さん。何度お礼を伝えても感謝が止まりません。

犬飼さん本当に有難うございます…!

犬飼さんの素敵な作品が下記でも見る事ができます。ぜひお時間許す限りご覧になってみて下さい。

▼7:24/犬飼陽さんのPIXV & PIXV FANBOX ▼


自然や生命が壊れてしまうのは一瞬です

けれど日常を脅かす争いは絶えることはありません。いつの時代もなぜ繰り返してしまうのかと思うと胸が痛くなった時期でもありました。

願うのは自分たちの幸せな筈なのに、そこにある矛盾。

タイトルや歌詞で、敢えて多様な言語を散りばめているのも、それぞれの文化を認め合えたらいいなと言う願いや祈りも込められています。



フィンランド語での作詞


当初、伊月さんにお渡しした歌詞にはフィンランド語はありませんでした。ゲール語をぽつりぽつり乗せていましたが、どうもしっくりきていなかったので、伊月さんには「Cメロは字数も無視して自由に作って欲しい」とお願いしていました。

伝えていたのは魔法のイメージ。見事に殻を破ってCメロを作って下さったので、大急ぎでCメロはそこから詞を書き始めました。

とにかく時間がありません。ですが思ったより字数が要ります。当初使っていたゲール語の代わりをどうするのかと言う所からのスタートでした。

考え方は様々で正解はないと思っていますが、個人的には曲先の場合、歌詞は字数が合い、書きたい言葉を当てはめていくだけではなく、メロディや曲の構成と言葉の相性を大切に考えていく事が、1番重要だと感じているので、より丁寧に言葉を紡ぎます。

メロディを活かすも活かさぬもそこにかかっていると言っても過言ではないと思うのです。
言葉の持つメロディ。
旋律が持つイメージ。色。匂い。
楽曲の世界観など様々な観点からイマジネーションを束ねて作詞をします。

そう言った事も踏まえながら、先のイメージで出てきた国、フィンランドの言葉を当てはめた時、言葉の響きが持つ雰囲気に魅了されたのです。

何よりフィンランドの水辺と森が共存する神秘的な世界はこの曲の世界観そのものですし、嬉しくなってしまいました。

早速いくつかの語学書を漁っていきましたが、不安だらけ。そりゃそうです。そんな短期間でモノに出来るほど語学は甘くない!tomonの頭では無理です。

でも時間もないので、とにかく自分で調べつつ考えたフィンランド語の歌詞をmalus様に見て頂き、ご指導頂く事にしました。

これが限りではないと思いますが
訳詞を見たいとのお声も…嬉しいです!

快く引き受けて下さった上に、何度も細かい点をやり取りして確認させて頂いたり、またとても丁寧に教えて下さったので、malus様には本当に感謝でいっぱいです。どこかでこれも見て下さってる事を願いつつ、改めてここでお礼を申し上げます。

malus様本当にありがとうございました。



大変だったこと


フィンランド語で考えるにあたり大変だったのは、言葉の音数を考慮しつつ、メロディに合うフレーズで、且つ歌詞として意味が成り立つ事。この3つを同時に考えていかなければいけない事でした。

これはフィンランド語に限ったことではないので当たり前と言えば当たり前ではありますが、フィンランド語は特に使いたい単語でも、センテンスになると格変化してしまうので、発音や音数がガラッと変わってしまい没になっていくのです。そこがとても大変でした。

フィンランド語でも日本語でも翻訳してもちゃんと詩として成立させたい。そして今回はリンさんとレンさんのパートに分かれているので、それぞれの思いを綴る形でも、ラストは曲の構成上、同じ言葉にもっていかなければならないハードルもありました。

リンさんパートは祈りの詩になっています。
フィンランドの神話では魔法も詩を詠唱する事だったりするので、そう言った意味でも神話のような雰囲気を出していければと考えました。

幾つかの縛りがあり時間が迫る中、短期集中で何とか合わせいけた自分を少し……褒めたいなと思っています。



鏡音誕生祭への参加


もともと作詞をした時には、特にボカロさんの事は考えていませんでした。

言葉とメロディが溢れるままに綴っていましたし、1番と2番が対になる形も特にツインボーカルを意識した訳ではありませんでした。
逆に多少2番が逞しいような気もするけど…大丈夫かな…くらいの程度でした。

ある日「ともちゃんはこの曲のボカロのイメージ、ミクさんとか決まってたりする?」と伊月さんから聞かれた時は、ぽかんとしていました。

特にボカロのイメージはなかったのと、何故そんな事を自分に聞くのだろうと不思議だったのです。勿論、自分には特に決まったボカロさんのイメージはない事を伝えました。

すると伊月さんから、「もしイメージがないならリンレンで鏡音誕生祭に出そうと思うんだけどいい?」そう言われて、自分は驚きと胸が鳴りました。

イベント参加を考えていてくれたのだと言う事も、創りたい意志を感じられたのも、どちらも嬉しかったのです。

そして、1番と2番で上手く対となっている歌詞を思うと、なんだかこの為に生まれてきた歌詞だったのかもしれないと思えてきて、大袈裟ではありますが、鏡音誕生祭と運命的な繋がりを感じずにはいられませんでした。

その伊月さんの一言で始まった鏡音誕生祭への道。紆余曲折ありましたが参加してリンさんレンさんをお祝いできた事がとても嬉しかったです。

鏡音リン・レン誕生祭2023の動画
こちらからも色々見ることができます。私もまだ制覇できてないですが、素敵な曲も多いのでぜひ楽しんでいただければと思います。特集組んで下さりニコニコさんありがとうございます!



My favorite


伊月さんの曲を初めて見つけた時から伊月さんの作る曲が大好きで、伊月さんの曲を歌わせて貰える事に本当に幸せを感じていた自分。

そこから皆の素晴らしい作品に触れる機会が増え、皆の楽曲が人生の道導みちしるべとなったり、励ましになったり、前に進む活力となったり。日々素晴らしい作品に魅了されていく毎日です。

そして、何より、自分が今こうして共に伊月さんと制作していける事が夢のようでもあります。

このThe sea of the clouds は決して派手さはありませんが、陰影ある響きや、余情を感じる穏やかな旋律が曲の世界に惹き込んでくれる。
そんな魅力ある作品ではないかなと思っています。

足し算ではなく引き算された作品で、ひとつひとつ誤魔化す事ができない、実はとても技術がいる作品ではないかと感じています。

全体的にメロディもストリングスもホイッスルも流れるように綺麗な中に、際立つベースのかっこよさ。ナチュラルなドラム。特に最初の間奏やCメロの美しさにはため息がでちゃいますが、個人的なお気に入りはBメロです。

実はこの曲Bメロは1番しかありません。私たちのパターンとしては珍しい形でもあるのですが、歌詞としてもメロディとしても、この曲のもう1つの要である部分ではないかと思っています。

歌詞から生まれるメロディ。メロディから生まれる物語。この化学反応が私は楽しくて仕方がありません。

お互いの生み出したものに反応して、また違う世界が見えてくる楽しさをリスペクトする伊月さんと共有できること、そして歌でも描く事ができるのは本当に幸せです。

伊月えんさんの活動リンクはこちら
胸熱な曲が勢揃いしています。ぜひお時間ございましたらご視聴してみて頂けるとtomonも嬉しいです。


後記*結びに


ここまで読んで貰えた事がまず感動であります…!
お付き合い下さった皆様ありがとうございます。

伊月さんの才能は本当に素晴らしいので、自分の力が及んでなく、まだまだ周りに認めて貰えてないなと感じる事も多々あります。

ですが、こうやって作品を昨年度内に出せた事は、とても嬉しいのです。伊月さんが築き上げて来たものを失わないように、音楽から離れてしまわないように、自分なりに恩返ししたいと動いていたつもりだったので、それの善し悪しは別として、公開に辿りつけて本当に良かったなと思っています。

また今回は、初めて自分の書いた詞を好きだと呟いて下さったリスナー様がいて下さった事に、本当に救われました。

何気なく伝えて下さった感想だったとしても、自分が書いた詞を好きと言って下さるその気持ちが、シンプルに響いたのです。

好きって言葉は偉大。
私も良いと思ったものには、ちゃんと好きを伝えていきたいと思いました。

そして日頃からX(旧Twitter)で励ましてくれている皆へ、聴いて下さった皆様へ、沢山の感謝を込めてこれからも心に寄り添えるように、曲や歌を届けていきたいと思います。

今月末にはtomonが歌う、The sea of the clouds のcoverも公開予定をしているので楽しみにして頂けたら、泣いて喜びます。

最後までご覧下さった皆様、お時間頂き本当にありがとうございました…!

ここからも沢山のご縁を結ぶ事が出来ますように⭐︎



The sea of the clouds /feat.鏡音リン&鏡音レンMusic:伊月えん 
https://x.com/vmitsukien?s=21
Lyric:tomon
https://x.com/tuna_tomon?s=21
Illustration/Movie 7:24 様
https://x.com/7_24inukai?s=21

Lyric | piapro





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