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#自分のための人生

※今回はこちらのnoteの続きです。
↓いいことばかりだった私の初めての挫折

https://note.com/tukuda/n/ncdf4cd49287f?from=notice




家族に税に詳しい人がいて欲しい。
ある件でのり子はそう痛感した。

では誰が適任か?
最終学歴が尋常小学校の両親は想定外。
姉は既に嫁いでいる。
残るは弟と私。



そうか!
私が税に詳しい人になればいいん

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※今回はこちらのnoteの続きです。

https://note.com/tukuda/n/n2e8a02988c9e?from=notice




のり子は快適なひとり暮らしを続けるうちに都会で暮らす自分を想像するようになった。


のり子の勤務先は東京に本社があり、社内で転属できる制度がその頃始まり、のり子は東京の本社の事務管理部に転属したいと思うようになった。


都会での独り暮らしは怖

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※今回はこちらのnoteの続きです。

https://note.com/tukuda/n/ndba5c76dba52





自分から進んで事務職から販売職に転属したのり子は水を得た魚のように毎日を楽しんでいた。


「やってみたいと思うことはやってみよう。」

その時ののり子を言葉で表現すればこうだった。


そしてのり子は20代後半になって、「ひとり暮らしをしてみたい」と強く思うようにな

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人は未来を思い出しながら生きている。


例えば、のり子が行った着せ替え人形の投票企画でいうと、のり子がディスプレイしたお人形たちを子どもたちがウインドウのガラスにおでこやほっぺたを付けて見ている様子を想像すると、のり子は嬉しくなりました。

そして、当選した方にお人形を渡し、記念写真を撮った時の可愛い顔を想像するとワクワクしてきました。

このようにまだ起きていない未来のことを思い出しながら今、

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おもちゃ売り場に配属になったのり子は、配属初日に「ゆりちゃんの好きなようにしていいから」のチーフの言葉の通り、自由な発想でやりたいようにやらせていただいた。


これまでのおもちゃ売り場は商品をただ置いているだけだったが、のり子はお客様に自分から近づくことを積極的にしていった。

おもちゃのミシンやはたおり機で作った作品を展示して、こちらの商品をお求めになるとこのようなことができます、と商品を手に

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のり子は念願の売り場異動が叶い、嬉しくてたまらなかった。


たまたま退職の方がいらっしゃってその補充という形でおもちゃ売り場に配属になった。

売り場初日にチーフのイシタさんに挨拶に行った。
イシタさんはフランクな方で一緒に売り場を廻りながら商品の簡単な説明をしてくださった。


そしてリカちゃん人形が陳列されているところに来て、
「ゆりちゃんには女児玩具を担当してもらうから。今日からここはゆり

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のり子にとっては、「服」「髪」「靴」、この3つが揃い、会社では堂々といられるようになり意欲的に仕事をしていった。


のり子が入社して4~5年位の頃に、会社では「業務改革」という言葉が使われ始めた。

時代はどんどん変わっている。だからこれまでの成功が今後も続くとは限らない。過去の成果にこだわっていては時代の波に乗られないと考えられ、社内の組織が劇的に変わり業務もどんどん新しくなっていった。


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会社の同期の女性社員は入社と同時にパーマをかけ、大人びて見えていた。
それに比べのり子は相変わらず床屋さんで髪を切ってもらっていたから、「美容院」や「パーマ」にとても憧れを抱いていた。

「いつか私もパーマを」と憧れていた。



のり子は意を決して美容院に入り、そして生まれて初めてパーマをかけてみた。


髪をくるくるに巻かれ、炊飯器の釜を逆さまにしたようなものが頭上にあった。

数十分待ち、ド

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どうしたら自信を持てるか。
それには次の3つが確立したら自信を持てるとのり子は過去の経験から思う。

その3つとは、服と靴と髪。



貧乏な家に育ったのり子はいつも姉のおさがりを着るのが当たり前で、服は与えられるものであり自分で選んだり買ったりできるものではなかった。

休日、街に買い物に行くときも学生服で行くこと。
そんな厳しい校則があった高校時代は、その校則のお陰で休日の服装に困ることは無か

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入社したての頃ののり子は通勤着にどんな服装をしていけばいいか分からず困っていた。

のり子の勤務先は衣料品も扱っているから最初、売り場の方が勧めて下さったものを購入していた。

しかし、「あれは〇〇円の服だ」とすぐに分かってしまうのが恥ずかしく感じてその内、社外のお店から買うようになった。

貧乏な家に育ち、いつもおさがりの服しか着ていなかったのり子は自分で服を選ぶことができず、お休みの日に探し

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のり子は食事も喉に通らないほどになっていた。

縁談を破談させてしまった人。

そのセルフイメージを自分で勝手に作ってしまい、その世界から抜け出せずにいたのり子は、ある日、温泉の体重計の数字を見て目が覚めた。

30kg台の自分。

大きな鏡に映る姿は頬がこけて目がくぼみ、骨と皮だけの貧相な体形の女性がいた。




自分の感情に流されていて、それが体中の雰囲気に溢れていた。

これではいけない。

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お見合いをしてその後2回だけその方と喫茶店でお話したりドライブしただけ。


紹介してくださったおば様から「どう?」と言われ、数回あっただけでは分からないとお答えしたのり子は、先方が言う「キメザケ」をしたら次回も会えるという条件を飲んで、またその方と会うことになった。

これまでは喫茶店でお話をしていたが当日は先方のお宅に招待された。


通された座敷を見てのり子は驚いた。

なんと、結納のセット

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