一年の終わりが近いことを手帳が伝えた。残りの頁が少なくて、見開きだとバランスが悪い。今年を振り返るように睦月の頁を開く。汚い字で綴られた予定は、私の足跡。感慨深くなり、読み進めると、デートを示す青ペンは徐々に減っていく。少し寂しかった。同棲は私達からデートという文字を奪ったのだ。

画像1 【140字小説20】

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