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このnoteの方針

今まで私にとってnoteとは猥褻文書か自作私小説を書き溜めて自己満足するためのツールでしかなかった。もちろんそれも悪くはないのだが、このアカウントでは趣向を変えてみようと思う。というのも、神戸大学主催の公開実習で出会った鈴木雅大先生が運営されている「生きもの好きの語る自然誌」というサイトに心惹かれてしまったのだ。そこでミーハーな私は「私もあのようなサイトを作りたい!!」などと考えた。 というわけでこれからはここに日常で出会った生き物を魚類を中心として記録するとともに健全な趣味

    • アマゴ (陸封型サツキマス)

      条鰭綱サケ目サケ科タイヘイヨウサケ属 サツキマス (𝘖𝘯𝘤𝘰𝘳𝘩𝘺𝘯𝘤𝘩𝘶𝘴 𝘮𝘢𝘴𝘰𝘶 𝘪𝘴𝘩𝘪𝘬𝘢𝘸𝘢𝘦) サクラマスの日本固有亜種。 天然では神奈川県西部以西本州太平洋岸、四国、九州の瀬戸内海側河川の一部に生息する。 陸封型の個体はアマゴと呼ばれ、パーマークが見られるなど降海型とは形態が異なる。 ※前述の通り、本種には降海型と陸封型が存在するが、この記事では陸封型のアマゴについて書こうと思う。 夏の釣りは基本的に地獄である。灼熱の太陽の下で日除けも無しに長時間なん

      • イソヒヨドリ

        鳥綱スズメ目ヒタキ科イソヒヨドリ属 イソヒヨドリ(𝘔𝘰𝘯𝘵𝘪𝘤𝘰𝘭𝘢 𝘴𝘰𝘭𝘪𝘵𝘢𝘳𝘪𝘶𝘴) 肉食中心の食性。 かつての日本では磯や港など海辺を中心として生息していたが、近年では内陸で見かけることも珍しくない。 成鳥のオスはその体色から童話になぞらえ、「幸せの青い鳥」とも言われる。一方メスは全体が茶褐色である。 釣りをしようと某漁港へ行くと澄んだ綺麗なさえずりが聞こえた。 その主が彼だった。なるほど「幸せの青い鳥」の異名も納得の美声と容姿だ。チルチルとミチルもこんな美しい

        • 【小咄】タイならざるタイ

          (※この記事ではスズキ目タイ科の魚類をモノホンのタイとして扱う。) タイと言えば多くの人に馴染みのある魚種であろう。昔からめで”タイ”ということで縁起物とされてきた。そのため普段の食卓以外にも、行事などで目にする機会が少なくないはずだ。 マダイの他にもクロダイ、アマダイ、イトヨリダイ等々タイの名を冠した魚を聞いたことがあるのではないか。 ……ちょっと待って、それ本当にタイ? 満場一致のTHE・タイ、マダイだ。 側扁形の身体と赤い体色、そして綺麗な青色の斑点が特徴だ。 隠れた

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          カケス

          鳥綱スズメ目カラス科カケス属 カケス(𝘎𝘢𝘳𝘳𝘶𝘭𝘶𝘴 𝘨𝘭𝘢𝘯𝘥𝘢𝘳𝘪𝘶𝘴) 日本では屋久島以北の平地から山地の林に生息。 雑食性だが秋から冬にかけてはドングリを好む。 種小名の𝘨𝘭𝘢𝘯𝘥𝘢𝘳𝘪𝘶𝘴はドングリの意。 英名のJayは「ジェージェー」という鳴き声から。 この美しい鳥がカラス科だと誰が信じられるだろうか。 街でごみを漁り「ガーガー」、「カ―カ―」と鳴くハシボソガラスやハシブトガラスとは似ても似つかない。 やはり分類学は面白いと感じる一例だ。 この鳥とも一瞬の

          メバル(𝘚𝘦𝘣𝘢𝘴𝘵𝘦𝘴属)

          条鰭綱スズキ目カサゴ亜目メバル科メバル属 メバル(𝘚𝘦𝘣𝘢𝘴𝘵𝘦𝘴 spp.) 日本では北海道南部から九州までの岩礁や藻場近辺に生息。 全長30cmほどになる。 食性は肉食であり、貝類、多毛類、甲殻類、小型魚類などを捕食。 卵胎生。 私はこの魚をきっかけに分類学が面白いと感じるようになった。 この魚の奇怪な分類について少しだけ語ろう。 実を言うと、厳密には「メバル」という名前の魚は存在しない。 2008年に公開された「Taxonomic review of the Seb

          メバル(𝘚𝘦𝘣𝘢𝘴𝘵𝘦𝘴属)

          ニホンカモシカ

          哺乳綱偶蹄目ウシ科カモシカ属 ニホンカモシカ (𝘊𝘢𝘱𝘳𝘪𝘤𝘰𝘳𝘯𝘪𝘴 𝘤𝘳𝘪𝘴𝘱𝘶𝘴) 北海道・琉球列島を除く日本各地に生息する日本固有の草食哺乳類。 体長1~1.5mほどで枝分かれしない2本の角を持つ。 国の天然記念物にも指定されている。 どうでもいいが、筆者はこの記事を執筆するにあたり初めてカモシカの分類を知った。 恥ずかしながら「シカ科じゃないのか!?」というのが第一印象であった。 言われてみれば確かに角はこじんまりしてるしシルエットも違う。 魚類にも「タイ科では

          ニホンカモシカ

          ニホンアナグマ

          哺乳綱食肉目イタチ科アナグマ属 ニホンアナグマ (𝘔𝘦𝘭𝘦𝘴 𝘢𝘯𝘢𝘬𝘶𝘮𝘢) 北海道と沖縄を除く日本各地の里山に生息。 冬眠するが浅く、冬場でもしばしば見られる。 ミミズや昆虫の幼虫を好むイタチ科に多い食性。 このアナグマ、マヌケな見た目をしているがれっきとしたイタチ科の動物であり肉食なのだ。 私は元々、このひょうきんな容姿と𝘢𝘯𝘢𝘬𝘶𝘮𝘢というカワイイ種小名に惹かれていたが、骨格を見たときその獰猛さの片鱗を感じてさらにギャップ萌えしたものだ。 あまりにも好きすぎて髪色

          ニホンアナグマ

          コゲラ

          鳥綱キツツキ目キツツキ科アカゲラ属 コゲラ (𝘋𝘦𝘯𝘥𝘳𝘰𝘤𝘰𝘱𝘰𝘴 𝘬𝘪𝘻𝘶𝘬𝘪) 日本に生息するキツツキの仲間では最も小型。 平地から山地に生息。都市部でも普通に見られる。 雑食だが主に昆虫を補食する。 近所の梅園を歩いているとトトトト…という小刻みな音が聞こえてきた。驚いて見上げるとこの鳥がいた。 恥ずかしながら、私はこれを見て初めて「キツツキの仲間って本当に木をつつくんだ」と感じた。 随分と木の上方にいたため私の貧弱なデジカメでも撮影出来るかいささか不安であった

          メジロ

          鳥綱スズメ目メジロ科メジロ属 メジロ (𝘡𝘰𝘴𝘵𝘦𝘳𝘰𝘱𝘴 𝘫𝘢𝘱𝘰𝘯𝘪𝘤𝘶𝘴) ほぼ全国の平地から山地に留鳥または漂鳥として生息する。 雑食だが基本的には花の蜜や果実を好む。 さて、この写真を見て「ウグイスだ!」と思ったそこのあなた、騙されています。 このメジロだが、同じ春を告げる鳥としてウグイスと混同されがちである。中にはこの緑がかった色をウグイス色と勘違いしている人もいるようだ。 確かに分類的にも同じスズメ目でありシルエットは似ていると言えないこともない。 勘違いし