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身体感覚と物理現象の4スタンス理論
こんにちは。4スタンス理論公式トレーナーのもっちです。
今回は指導者にとって重要な
「先生が言ってることと実際にやってることは違うのが正しい」
というおはなし。
※この記事では一般の方に分かりやすいように骨理学・REASH理論全般を指して4スタンス理論と呼んでいます。
※規約の関係上、有料部分も4スタンス理論そのものの解説は含まれません。理論解説は書籍かマスター級のレッスンを参照ください。
はじめに
先日こんなツイートをしました。
#4スタンス理論 のタイプ別には
— 坂本優一(4スタンス理論) (@tt_4stance) September 30, 2022
物理現象と身体感覚があります。
見た目の説明は物理現象の
タイプ別分類で十分ですが
指導は身体感覚のタイプ別も
意識しないと意味がありません。
どの身体感覚でどの物理現象が
起こるのかはタイプで異なります。
ここを踏まえて指導できるのが
マスター級です。
4スタンス理論のタイプ別には物理現象と身体感覚があります。
見た目の説明は物理現象のタイプ別分類で十分ですが指導は身体感覚のタイプ別も意識しないと意味がありません。
どの身体感覚でどの物理現象が起こるのかはタイプで異なります。
ここを踏まえて指導できるのがマスター級です。
この内容を補足します。
あなたの先生は説明が上手?下手?
スポーツでも音楽でも、指導者の説明と見せてくれるお手本がぜんぜん違うことはよくあります。
「手首を使って」と言っているのに手首はほとんど曲がっていなかったり、「腰を前に向けて」と言っているのに実際は横に向いていたり。
今は動画などで情報がたくさん手に入りますが、言ってることとやってることがどう見ても違う!と悩む場面も増えたのでは。
では、このような指導者は能力が低くてダメな指導者でしょうか。
名プレーヤーを育成した先生にもこのパターンは結構います。
説明と手本が全然違うのになぜ生徒が育つのか不思議ですよね。
説明が上手いのに指導がヘタな先生
反対に、動作の説明を高いレベルで正確に表現できる人もいます。目が良いので物理的にどんな現象が起こっているかが見えています。
指導の指示も明確で「ここに足を置く」のように解釈のズレが起こらない説明も得意です。しかし、それが良い指導者の条件かというとそうでもありません。
具体的な説明が得意な指導者なのに、生徒がよく故障するという話や言えば言うほど動きがおかしくなっていくという話もよく聞きます。
感覚的な指導と論理的な指導
この2種類の指導者がいる理由は、身体感覚と物理現象の差にあります。
言ってることとやってることが違うのは身体感覚を重視する人に多く、反対に、明確な指示が得意なのは物理現象を重視する人に多いです。
こう言うとすぐに「どっちが優れているか」という二項対立を考えてしまいますが、実際はもちろんどちらも大切です。
自分目線で考えるなら身体感覚を重視するのもありですが、他人にものを教えるときは身体感覚をそのまま言葉にしても伝わりません。
自分の感覚が生徒の感覚と同じである保証はどこにもないからです。
人間の体は機械ではない
機械の操作なら物理的な説明でいいかもしれませんが、人間の体を扱うのはそんなに簡単ではありません。物理的な説明どおりに体を動かすのはかなり難しいからです。(そんなことができるなら誰でも一流選手になれるはず)
人間の身体センサーは機械とはちがう仕組みなので錯覚が起こります。平行なはずの2本の棒が曲がって見える錯視などが有名ですよね。
センサーが物理現象と対応するとは限らないのに、物理的な正しさを求めてもうまく伝わらないのは当然です。
同じ言葉でも伝わらないのはなぜ
同じ言葉でも伝わる人と伝わらない人がいるのはなぜでしょうか。過去にこの答えもポストしたことがあります。要は同じ言葉からイメージする感覚が異なるからです。
「手首を使え」と言われたときに
— 卓球のスポーツ科学 (@tt_scieng) August 22, 2022
腕のしなやかな流れで手首の反動や
スナップを意識するAタイプと
手首周りの筋肉を稼働させて
リストの強さを意識するBタイプ。
同じ言葉でもタイプが異なると
想像以上に伝わっていないのです。
指導者は「知らなかった」では
許されません。#4スタンス理論
「手首を使え」と言われたときに
腕のしなやかな流れで手首の反動やスナップを意識するAタイプと
手首周りの筋肉を稼働させてリストの強さを意識するBタイプ。
同じ言葉でもタイプが異なると想像以上に伝わっていないのです。
指導者は「知らなかった」では許されません。
「手首を動かす」といわれて手首を筋力で動かす人と、手首周りを脱力させて反動で動かす人では体の使い方が全くちがいます。ちなみに同タイプならこの感覚も似ている可能性が高いです。
なぜ感覚的な指導者も生き残れるのか
4スタンスのタイプごとに身体感覚が似るということは、指導者と同じタイプの生徒には感覚も伝わります。4人に1人は自分の言葉がほぼそのまま使えます。
指導者の方ならよく分かると思いますが、言ったことをすぐにきちんと理解できる生徒はせいぜい4人に1人くらいだと感じませんか?これは生徒の理解力の問題ではありません。
(まったく同じ説明で全員が理解できていると感じるならそれは生徒が「分かりません」と言えない環境なだけ)
自分とタイプが同じで言葉が伝わりやすい生徒を"センスがある"
タイプが違って言葉が伝わらないと"センスがない"
と誤解するのはよくある話です。
スポーツの世界では10人の生徒から2~3人のトッププレーヤーを育てれば十分に名指導者と呼ばれます。なので指導者の好きな方法や感覚を押し付けてもそれなりに伸びる生徒が出てきてしまいます。
だからこそ、自分の正解だけを押し付けて生徒を壊してはいけません。
感覚的な指導って実はすばらしい
感覚的な指導には4スタンスタイプの特性が強く現れます。
タイプごとに身体感覚の傾向が異なるので合わない人には意味不明。しかし、同タイプのプレーヤーにとっては救いの一言にもなります。
物理的な現象を説明してもそれは指導ではなく事実の羅列です。
「100mを10秒で走りなさい」はどう考えても指導ではありませんが、同様に「ストライドを広くとって走りなさい」も指導ではありません。
「右足を205cm前に出すと同時に左腕の肩関節を36度前方に...」とどこまで具体的に言ったところでそれは結果を述べているだけです。
感覚的な説明にこそ真理が宿る
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