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和紙の可能性

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和紙のこと、染めや工芸など和紙加工のこと、つづっていきたいと思います。
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2020年8月の記事一覧

箱張りのレシピ2 上張り。

箱張りのレシピ2 上張り。

箱の上張りの様子をレポートします。

まず 上張りの紙の裏から 糊を付ける。
糊は 正麩糊(小麦粉を炊いた糊)。

とりあえず 箱の上の部分貼ります。

次に 側面。
内側に曲げるのりしろ部分(今回は 5分【ごぶ】=約1.5mm)測って余分な部分を喰い裂き(水切り)で 切ります。

四方とも余分な部分を切ったら 側面を貼ります。
写真のように折り曲げ部分を残して喰い裂き(水切り)にして

正麩糊で

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箱張りのレシピ最終章 内張り

箱張りのレシピ最終章 内張り



箱の内側を貼る。
まずは 四隅から 貼ります。
箱は角が 一番痛みやすいと思いますのでその補強の意味もあります。

紙の大きさは幅約1.8cm(6分・ろくぶ)高さは箱の内側の内寸より
0.5mmほど大きくします。

今回使った紙は 横野和紙黒弁柄染め この紙に墨で黒色の染めを加えました。ベンガラも 墨も 長年色褪せがほとんどないからです。
お客様のご要望が内側は 黒色の紙で…ということでしたの

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箱張りのレシピ1(下張り偏)

箱張りのレシピ1(下張り偏)

硯入れ用の 和紙の箱のご注文を承りました。

大きさ 縦15cm 横9cm7mm 高さ 3cmです。

4mm厚の 厚紙(色紙の二枚芯)を使います。
大きさに沿って切れ込みを入れ 余分な部分を切り落とします。

まず 内側から 下張り紙を貼ります。
今回使ったのは 表具の掛け軸の総裏打ちに使う 機械漉きの薄めの和紙。

下張りが乾いたら 組み立てて角を補強のために和紙を内側から貼ります。

今回使

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紙粘土の使い方

紙粘土の使い方

通勤中 朝焼けの中を走ります。
今朝のお仕事、紙粘土を使った細工。

和紙のお皿は 厚紙に 紙粘土を貼り付けて作ります。
あらかじめ 厚紙の片方に和紙を一枚貼って 少し反るようにしておきます。

何日か放置して 紙粘土が乾くと ご覧のように 逆に反ります。
これがお皿としては 使い勝手がよく ドレッシングなどをかけた時こぼれないので重宝します。
最初に一枚和紙を貼り 反対側に反らせておくのは この

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今朝のお仕事✨

今朝のお仕事✨



今朝の空は美しかったです。
マジックアワーに通勤してるので こういう美を毎日見られるという僥倖 感性が刺激されないわけがないよね💓

今朝のお仕事✨
墨染めに墨を重ね染めしたり 柿渋染めをしてみたり
タイトル画像は 揉み紙に挑戦してみた。
ノリノリで deep purple 聴きながら🐱

最近の陽子さんの染め紙がカッコいい

東京の紙舗 「直(なお)」の坂本直昭さんの染め紙の迫力に 匹敵

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月の形のお皿を貼る

月の形のお皿を貼る

8月4日の記事に書いた 月の形のお皿出来上がるまでを今日は記事にします。→ https://note.com/tsuyoume/n/neeb02590f2ee

紙取りをした和紙に正麩糊(小麦粉を炊いた糊)を付け

お皿本体のほうには 木工ボンドを付けます。
これは 水洗いをするという使い方をするので 万が一にも 水洗いしたときに浮かないように という考えでやってます。

貼り合わせます。

表か

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壁掛け作りました。

壁掛け作りました。

来月の二人展に向けて作品つくり佳境に入ってます。

今日は壁掛けを作ったので その作り方 ノリの使い方中心に記録に残していきます。
上の写真は 壁掛けのベース。
厚紙を二枚張り合わせ ふちに紙粘土で丸みをつけてます。
それを裏打ち用の薄い和紙で 下張りした状態。

表に貼る染め和紙を 少し大きめに切り 上下を決めます。

上張りの紙の裏から 正麩糊(小麦粉を炊いた糊)を付けます。

壁掛け本体に張

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月の形の和紙のお皿

月の形の和紙のお皿

岡山のお寿司屋さん「いちえ」さんから別注のお皿の注文を承りました。
いちえさん →https://tabelog.com/okayama/A3301/A330101/33001464/

画面奥の 木のお皿。
長年お使いになってらっしゃったみたい。
和紙を貼って 手前のような金銀装飾で 仕上げてほしいとのこと。

まずはサンダーで表面を削り 防水のために塗ってあったであろうニスを落としました。(和

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