見出し画像

オバケも類友であるの話

昨日も書いたけど
オバケにも幽霊にも人間にも鈍感なので
心霊体験なんて大それたことに出会うことも全然ない人生でして
これまでに3回ほどしかない(はず)のですよ

一回はおばあちゃんのお葬式の時

もう2回についてなんですが
一回は、まだ小学生の時の話
たしか高学年

当時アパートに住んでいて
子ども部屋に二段ベッド置いて
妹が上のベッド、
僕が下のベッドに寝ていました

ある夜中に目を覚ましまして
まぁそんなことよくあったんですが
その夜は妙に部屋が明るい

妹がまだまだ幼くて
夜中に真っ暗の部屋は怖いということで
豆電球?ていうんですか?
あれを点けておいて寝るのが常だったのですよ
なので、まあ周りが見えるくらいには明るい
しかもちょっと赤い
という感じだったのですが

その日はいつもより明るい
というかいつもより赤い

そんな気がしたんですよ

でも、だからどうしたって感じなんで

そのまま寝返りして
横向きになったんです

ドアに向かって、横向きに

で、その部屋のドアは引き戸なんですよ
横にガラガラって開けるドア

横向くとそのドアを真正面から見る体勢になるんですね

そしたら、ドアがちょっと開いてるんです

2,3cmくらい
ちょーっと開いてる

一家全員適当な性格なので
ピシーッと閉まってなくても気にならない人だらけで
いつも通りといえばいつも通り

ただね
いたんですよ

見てるんですよ

こっちを

僕を

見てるんですよ

その2,3cmの隙間から

家族ではない誰かが

てか、人じゃないんです

目はあるし、目は合ってるし
髪の毛も生えてて
黒くて長くてロッカーのようなんですが

ありゃ人ではない

生きてない

って感じの目なんです

じーっと見てて、目がずーっと合ってるんです

死ぬほど怖い

叫ぼうと思ったら声が出ない

あれ?と思って体を動かそうとしたら動かない

金縛り初体験

あ、終わったぞと思いました

これで死ぬんだと

そう思えるだけの恐怖

ドアの向こうの彼女は

目元が一瞬、笑ったように見えたんです

で、何か言ってきた
でもわからない

ゴワンゴワンモワンモワンと
音が渦巻いてサイレンみたいになってるし

気がついたら部屋は真っ赤だし

体は動かないで、目はずーっと合っている

あ、終わったと思った恐怖の時間

長いんですよ

本当に長い

途中から、怖いから長いに変わってるんです僕

ドアの向こうの彼女は
相変わらず目は合ってるし
目で何かを訴えてるし
何かゴーゴーと音は聞こえてるんですよ

でも、長い

いつまでたっても
ドアの向こう側なんですよ

いや、来いよと

どうにかしたいんだろ?と
それなら来なきゃ次のステップに進めないだろと

最終ステップまで済んだらなのか
最終ステップまでのどこかでなのか

僕は動けるようになって
さらに怖い思いするんだろ?と

じゃあ早く来なさいよ、あなた

だんだんイライラしてきて

うるさいし目合わせてくるし体動かないし

なんなんお前?と、イライライライラですよ  

で、思わず

早く! 

と言ってしまった

言えてしまった?

あれ?声が出る

と思ったら体も動くし

部屋は赤くないし

ドアは閉まってるし

誰もいないし
妹は寝てるけど

あのオバケ、おそらくなんですけど

初対面なんで
何をどうしていいかわからなかったんだと思います

距離の詰めかたとか、最初に何話そうとか
このあとこの初対面の人(→僕)に何しようとか
ずーっと考えてたんだと思います

お前も人見知りなのか、オバケの人

波長が合うから見えるとかどーたらというのが本当かどうか知りませんが

人見知り同士で波長があったのかなと思う体験でした

ちなみにドアの向こう側
オバケの人が立ってたであろうあたりなんですけど
翌朝オカンが言うには水浸しだったそうです

なんかめっちゃ怒られました

で、拭きました、雑巾で。
僕が。

オバケの人の後始末しました、たぶん。

この記事が参加している募集

#スキしてみて

526,418件

#眠れない夜に

69,412件

サポート頂ければ幸いです。サポートはよりよい記事、よりよい教育研究、教育実践のために使わせていただきます。