つるる書店のQ&A
文学フリマめがけて作ったエッセイ集、『春夏秋冬、ビール日和』がおかげさまでご好評をいただいております。
ありがたいことにその後、noteに感想を綴ってくれたり、お手紙を送ってくれたり、Twitterで紹介してくれたり、遠くからわざわざ買いに来てくださったり、さらには知人の分や保存用にと追加でご購入いただいたりと、さまざまな形で応援してくださる方がいて、その都度私は「うひゃ~!ありがてえ!」と身をよじって喜んでいます。
毎日毎日「働きたくない」とか「もう何もしたくない」とか愚痴ってばかりな私ですが、これまで出会ってくれた人たちのおかげで、なんとか今日も生きていられていると実感している日々でございます。本当にありがとうございます。
いただいた感想を紹介したいのはやまやまですが、まだ読み返すたびに「うっひょ~!」とテンションが上がりすぎてしまい文章が書けない状態なので、ひとまず「文学フリマ」マガジンに格納しておいて、今日は『春夏秋冬、ビール日和』の読者の方からいただいた質問に答えていこうと思います。
Q. ブックスタンドとチラシ立ての作り方は?
A. まずはブックスタンドから。
必要なものは、段ボールとセロハンテープ。
まず段ボールを用意して、下記のように切る。
①を三角に折ってセロテープで留め、②を写真の通りに折る。
③に②を写真のように貼り付けて、実際に本をあてがいながら①の位置を決め、セロテープで留める。
実は今回使わせてもらったのは、nolyさんからいただいた段ボール。
いかんいかん。これじゃnolyさんが箱だけ送ってきたみたいじゃないか。正確にいうと、nolyさんが段ボールでお菓子を贈ってくださったのだ。「 #がちょうのフィフィを愛でる 」という企画に参加させていただいた後に。
これがもう本当においしくって。すみずみまでnolyさんのあたたかさが感じられる、本当に素敵なお菓子たちで。お菓子をいただいた後もなんだか名残惜しくて、段ボールを捨てずに眺めていた。
でも小箱やお手紙はともかく、段ボールはそのうちさよならしなきゃだよなぁ。
そんなタイミングで文フリが来た。
よし、nolyさんの段ボールを、ブックスタンドとして持っていこう。
捨てがたいものがあるとき、私はよく「スーホの白い馬作戦」と称して馬頭琴のごとくそれを実用品に作り変えるようにしている。
ここでプチ宣伝なのだけれど、なんとnolyさん、清世さんの展覧会でお菓子を販売することに!!(追記:nolyさんからコメントいただきました。なんとお菓子は販売じゃなくって、来場者へのおもてなしになるそうです。なんなの?すごすぎん…?)
会場が原宿と知った時は「たどり着けるかな……ドキドキ」と少し不安になったけれど、絶対にたどり着いてみせる!!!
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大幅に脱線してしまったけれど、次にチラシ立ての作り方をご紹介しよう。
必要なものは、新聞紙(あるいはチラシ)とセロハンテープ。
まず新聞紙の端を親指と人差し指でよじよじする。
くるくるっと巻けそうな雰囲気になったら、中指の腹に軽く力を込めてくるくるっとする。
そのまま手のひらまで使って巻いた後、両手でしっかりと押さえて、最後まで巻ききる。
真ん中をセロハンテープで留める。
これを三本作る。
土台は適当に四等分あたりで折って三角を作り、セロテープで留める。
主柱は土台とのバランスを気にかけつつ、土台との接続部をセロテープで留める。そしてチラシの横幅に合わせて切った柱を、主柱の先にセロテープで留める。
裏からチラシをテープで貼って完成。
突然の我が家の話で恐縮なのだけれど、私の子ども時代はそこそこに貧しかった。例えば私がシルバニアファミリーをねだった時、母は一言、「ほしいの?」とゆっくりと聞いた。そういう時の母の真顔は、とんでもなく怖かった。
「他の友だちはみんな一人一部屋持っているのに、どうして私は弟二人と同じ部屋なの?」と私がふてくされた時も、「みんなが塾に行っているんだけど……」と遠回しに入塾の話を持ち掛けた時も、母は常に「ほしいの?」「行きたいの?」と静かに問うてきた。
その一言が無性に怖くて、私は工作と空想が異様に得意な、図書館か居間で勉強する子どもになった。
けれども子ども部屋だけはどうしても諦めきれず、ある時自分だけの空間を作ろうと、私はこの新聞ポールでテントを建設した。
あとで母に当時の心境を聞いたら、叱ろう、怖がらせようとはまったく思っていなかったらしい。純粋な疑問として聞いただけだったのに、私たちが異様に怖がっていておかしかったと笑っていた。
Q. 自称ケチのわりに、よくスーパー行くよね?
A. それはうちの会社の残業代の請求方法が、ちょっと特殊だからである。
小社は貧しいうえ社長が老獪な人物なので、「定時を超えて2時間以上働いた時に、夕食代として800円までの領収書を提出することが認められる」という仕組みになっている。
つまり18時に定時を迎え20時まで働いた場合も、18時に定時を迎え23時まで働いた場合も、請求できる金額はどちらも同じ、800円だ。
残業代として下りる金額は800円までと定まっているので、799円を請求した場合は799円が残業代として支払われるが、1000円払った場合に支払われるのは800円までである。差額の200円は自腹となる。
私はなるべく自分のお金は出したくないので、日々ジャスト800円を目指して研鑽を積んでいる。
800円。都内で定食屋などに入ってしまえば一食で吹っ飛んでしまう金額ではあるけれど、閉店間際のスーパーで半額のものを買い漁ればちょうどいい感じの金額だ。だから私は残業した夜、閉店間際のスーパーで乱獲をする。
入社当初は電卓を片手に連夜スーパーを徘徊していた私だが、今では電卓がなくても「豆腐と納豆、卵、キムチを買えば650円くらいだから、あと半額の菓子パンを3つほど買えばほぼちょうど800円になるぞ!」と瞬時にそこそこ正確な判断が下せるようになった。
こんなスキルいらないから、普通に残業代くれないかな。
Q. 「つる・るるる」の由来は?
A. この質問が実は一番多くって。
鶴をアイコンにした理由は以前書いたことがあるのだけれど、それ以前から私のあだ名は「つる」だった。
前職の玄米おむすび屋で働いていた頃、バイト仲間が「○○ちゃんってパッと見、有村架純に似てるよね」と別の子のことを話し始めた。
「△△ちゃんは雰囲気がちょっと杏みたい」「◎◎さんは藤田ニコル系だよね」
ポンポンと芸能人の名前が挙がる。そのくらいかわいい子ばかりが集まっていたのだ。
その子は不意に「で、あなたってさ!」とこちらをまっすぐに見詰めた。
だ、誰に似てるって言われるんだろう?またバナナマンの日村かしら。
ドキドキしていたら彼女は「めっちゃ鶴だよね!ってこないだ○○ちゃんと盛り上がったんだ~」と大きく口を開けて笑った。
たしかに私の手ぬぐいは赤だったし(それぞれ異なった手ぬぐいをあてがわれる店だった)、制服は白いシャツに黒いパンツだけど(制服はみんな同じ)……。
芸能人級にかわいい女の子たちが働くおむすび屋に、紛れ込んだ鶴。
しかしそのイメージは妙にしっくりくるらしく、あっという間に私はそのデパート内の他のお店の人からも「つるちゃん」と呼ばれるようになった。
そして私が誰かに「こないだのお礼でお菓子買ってきたんだけど……」と渡そうとすると「鶴の恩返しだ~~!!!」と爆笑されるのが定番になった。
それから前職を辞して現職に就き、しばらく経った頃。
Twitterやnoteを始めるにあたって匿名の名前を考えようとしたけれど、結局つるしか浮かばなかった。
そんなわけで最初「つる」でアカウントを取得しようとしたら、同名アカウントが多すぎると拒否された。
それなら大好きな五味太郎の味のある絵本『さる・るるる』みたいに、「つる・るるる」と名乗ろう。
そんな経緯で私は、つる・るるるになった。
Q. 次回作の予定は?
A. ありがたいことに、これも時々聞いてもらえる。
『ビール日和』を出して「本作りって楽しい!!」とドーパミンがドパドパ出ている今、ぼんやりと構想があるのは下記の4つ。
①日常系エッセイ その2
今回ビール日和に20編(うち一編は母)を収めたけれど、泣く泣く選外にしたエッセイがそこそこの数ある。
同じテイストでまた一冊作れそう。
②偽本×文学紹介
きりえや高木亮さんの偽本のおかげで、国内外の名作をけっこう読むようになった。
もし高木さんにご了承いただけたら、偽本も楽しめる読書感想文集を作ってみたい。
③恋愛エッセイ
「あなたたちの恋愛はけっこう特殊だから、詳しく読んでみたい!」と友人からリクエストがあった。
もし作る場合には彼氏にも一編書いてほしい。
④ぬか漬け部で『ぬか床マガジン』
もう少し考えがまとまったら改めてぬか漬け部で相談させてほしいのだけれど、ぬか漬け好きによるぬか漬け好きのためのマガジン、作ってみたくないですか?
ぬか漬けエッセイ、ぬか漬けショートショート、ぬか漬けグラビア、ぬか哲学、ぬか漬けの科学、ぬか漬け俳句、ぬか床交換日誌、ぬか漬けアンケート等々……。
エッセイはあの人のあのエピソードを載せたいな、写真が上手な彼女にはぜひぬか漬けグラビアをお願いしたいし、ぬか哲学といえばあの人しかいない。
ダメだ、目次を考えているだけでよだれが垂れそう。
ぬか床を売っている生協にセット商品としてこのマガジンを扱ってもらえたりしたら、ぬか床の世界征服も一気に早まるだろう。いっひっひ。
とりあえず以上が、現段階での私の野望である。
できれば来年の文フリの時には、①〜③までのどれかとぬか漬けマガジンを持っていきたいなぁと思っている(ぬか漬けへの情熱 笑)。
そんなわけで引き続き、つるる書店は精進してまいります!
気持ちが落ち着いたら、みなさまからいただいた感想をまとめたりしたいなぁ。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
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最後にお知らせ
ネットショップの「つるる書店」に、新規でアイテムを追加しました。
2019年の文学フリマで販売した『How to ××』です。
「理想の死に方」を考え煮詰めた14人による14通りの死に方アンソロジーで、私は本名でエッセイを寄せております。一冊買ってくれた母は「こんな綺麗な装幀で、しかも14人も書いてて1200円なんてお得じゃな〜い♪」とホクホクしていました(つくづくお得に弱い母娘である)。
よろしければデザイナーの編屋さつきさん作のシャレオツなコンセプトサイトも覗いてみてくださいませ!
お読みいただきありがとうございました😆