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阿寒湖の植物たち

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2021年6月の記事一覧

「準備を重ねて時を待つ」 森の貴婦人と呼ばれるオオバナノエンレイソウ

「準備を重ねて時を待つ」 森の貴婦人と呼ばれるオオバナノエンレイソウ

春の弟子屈町〜清里町ルートの森の中に白い花の群落をよく見かけます。
これは「オオバナノエンレイソウ」と呼ばれる花です。
かなりの広範囲で咲くので「春の妖精」とか「森の貴婦人」と呼ばれるそうです。

オオバナノエンレイソウは変異が多く、北海道内だけでも9種類ほどあるんだとか。根付く土地の環境によって変わるみたいです。

この変異にはちゃんと訳があります。

オオバナノエンレイソウは発芽から開花まで1

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小さな小さな一輪咲きの「ヒメイチゲ」

小さな小さな一輪咲きの「ヒメイチゲ」

フクジュソウから始まり、エゾエンゴサク、ミズバショウの次に花を咲かせるのが「ヒメイチゲ」です。

イチゲで調べてみるといろんな種類があるんですよね。
特に北海道ではエゾイチゲと呼ばれるものもあるそうなんですが、阿寒湖近隣で咲いているのはヒメイチゲでした。

イチゲは「一花」と書き一輪咲きを表すそうです。
ヒメイチゲは漢字では「姫一花」と表されます。

(2021.5.6撮影)

うっかりすると見落

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可憐な花なのに荒々しい由来を持つ「キタコブシ」

可憐な花なのに荒々しい由来を持つ「キタコブシ」

北海道の動植物には「エゾ」がつくことが多いんですけど、たまに「キタ」がつきます。
キタコブシを見るたびに、エゾとキタの違いはどこにあるのか気になります。キタキツネもそうですよね。

北海道では「マンサク」と呼ぶ地域もあるそうです。
その由来は「(春に)まず咲く」と「満作」からだとか。
キタコブシの花付きが良い年は豊作になると言われ、収穫の目安にしたそうです。

2021.5.10 道の駅丹頂の里

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湿地帯を美しく彩る「ミズバショウ」

湿地帯を美しく彩る「ミズバショウ」

ミズバショウは葉が大きく、水辺(湿地帯)に咲くことから「水芭蕉」の名がついています。

春先の咲き始めの頃の姿からはその名の由来は想像しきれないのですが、花が終わり始めると一気に葉が成長します。

(2021.5.26 弟子屈町 水郷公園)

あまりのデカさにびっくりです!

一ヶ月前はこんなに小さくて可愛かったのに〜(笑)

(2021.4.23 阿寒湖畔エコミュージアムセンター)

ミズバショ

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春の訪れを知らせる花「フクジュソウ」

春の訪れを知らせる花「フクジュソウ」

力強く金色に咲く「フクジュソウ」
草花が芽吹き出した頃、一番先に花が開きます。

阿寒湖の雪溶けは4月に入ってから。
地表が見え始めるとフクジュソウは咲き出すので、比較的暖かい場所を探しに行ったら咲いていました。

(2021.4.2 森の小道にて)

フクジュソウが咲き始めると幻の川魚「イトウ」が川を登ってくるとされ、漁の準備を始めることからあいぬごでは「チライ・アパッポ(イトウの花)」と呼んだ

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