見出し画像

「ダメな社員」は、実は「上司にダメにされている社員」である


「うちの会社にはダメな社員がいるんだ!」


よくある中小企業の社長の愚痴です。
私の周囲にも結構います。


確かに“ダメな社員”はこの世に間違いなく存在するでしょう。

しかし、そう決めつけられた社員の大多数は

実は“ダメな社員”でなく

“ダメにされている社員”なのです。


「アイツはほんとダメなんだよ!」

とダメレッテルを貼られた社員が、その後私が講師を務める研修会などに参加していることがあります。
しかし、直に話してみると決してダメな社員でなかったりすることが多々あります。

むしろ、しっかりとした“できる社員”の雰囲気さえも感じることがあるのです。


「この社員のどこがダメなの?」

とついつい思ってしまいます。


私自身が直接、経営に携わっている自社内においても同じ経験があります。

社内の経営幹部会の席上で

「○○課のだれだれはダメな社員で困っているんです」

とある幹部が言い、隣にいる幹部までも

「私も以前から彼は問題児と思っていました」

などと同調する発言があると、ついつい、その社員を本当に“ダメな社員”と決めつけてしまうことがありました。

事実、そのダメ社員と言われた者の所業を聞くと確かによくないことばかり。
その上、注意をしてもなかなかなおらないとなれば誰が考えても間違いのないダメな社員となります。


ところが、このレッテル貼りには真実が隠されていたりするのです。

その所業自体は確かにダメな社員を物語るものなのですが、そのダメな社員は

「なぜダメのまま放置されていたのか?」
放置されていなくとも、「どのような指導を受けてきたのか?」と上司の方に目を向けると、

実はその上司がダメだったりするのです。


つまり、

「ダメな社員はダメな上司がつくっていた」

というのが真実だったりするのです。


もっと言えば、そのダメな上司も、その上のダメな上司によってつくられ、最終的にはそのダメな上司は、その上の最終責任者、

社長によってつくられているのです。


「部下をダメと決めつけるあなたがダメなのでは!」
「部下がダメになるもならぬもあなた次第」


と考える方が正しい捉え方ではないでしょうか。


勿論、もともとダメな社員いるでしょう。(これも真実です)

しかし、そうであってもダメな社員をつくっているのは上司であり会社であり、最終的には社長と考える方が成長する会社になると思うのです。


この捉え方は“責任を果たす社員”と“責任を取る上司”、さらに、“責任を果たす幹部”と“責任を取る社長”の決定的な立場の違いを認識したものと言えます。


上司にとっても、社長にとっても、ちょっぴり辛い捉え方ですが、社員が成長するたびにその辛さは楽しさに変わります。


<文/つのだアントレ>


【関連書籍】
部下から「ダメな上司だな」と思われないためにも、ドラッガーの「マネジメント」は必読。
ぜひ読んでみてくださいね。


よろしかったらサポートしていただけると嬉しいです。いただいたサポートで、毎朝毎夕のウォーキング中に飲むコンビニコーヒーを買いたいと思います。