「環境」「チーム」勧誘編②

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A、Bの2人と五反田で会った翌日、Aから「今度、俺の師匠が夜の時間空いてるらしいから、一緒に会ってみない?」と連絡が来ました。起業家に会ったことのない私は、社会人飲み会から凄い繋がりができたという高揚感から、これもすぐに了承し、「師匠」のオフィスがある大崎のタワーマンションに行くことにしたのでした。

師匠は自信に満ちた態度で、起業に至るまでの自分の経緯を面白おかしく教えてくれました。師匠もまた、起業家に弟子入りして経験を積み、ついに昨年起業に成功したというのです。帰り道にこっそり調べたところ師匠が代表を務める企業のホームページが見つかり、「ほんとうに会社を立ち上げた人なんだ!」と興奮したのを覚えています。

その後、Aから「夢リスト」を作るように勧められました。Aは師匠から夢リストを作って、それを叶えるために必要な金額を逆算しよう!と教えられていたようで、特に夢について考えることもなく過ごしてきた私は、良い機会だと思い作ってみることにしました。作ったリストを共有するたびに「他には?」と聞かれ「もっと大きなこんな夢にしたら?」と言われ、自分の人生における夢を考える時間は、確かに楽しいものでした。

夢を考えると、次は期限について聞かれました。「ゴールを決めたら、いつまでにやるか決めるのも大事だよ!会社と一緒!」と言われた私は、先のことは分からないので、適当に「30歳までに叶えたい」と答えました。すると「そしたら、自分の夢を金額ベースに落とし込んで、30歳までにいくら必要か算出してみようね!」と言われました。当然、膨らんだ夢が30歳までという短い期間で、社会人の給料で叶うはずもなく、そのことを報告するとAは「やっぱりビジネスオーナーになるしかないね!」と言うのでした。「ビジネスオーナーとは、厳密には起業ではなく、会社の経営権を取得したり、フランチャイズ権を購入することではないか?」という疑問はあったものの、こうした出会いや経験を経て、「少なくとも起業はしたい」という気持ちが私の中に芽生えていました。

初めて社会人飲み会で出会ってからひと月ほど経ったある日、Aから「師匠に弟子入りをお願いしてみない?」と言われました。起業するならノウハウをきちんと学んで失敗したくない、と考えていた私はすぐに了承し、師匠のもとに弟子入りを志願しに行きました。そこで師匠から「起業はアイデア勝負ではなく、信頼できる仲間、チームという土台の上で勝負するものだ。アイデアで集まった仲間は、そのアイデアが上手くいかなければすぐに離れていく。でも、チーム全員で豊かになると決めて、お互い財布も預け合えるくらいの信頼関係をもったチームがあれば、その上にどんな仕組みを乗せても成功できる」と説かれ、私は衝撃を受けました。起業家に弟子入りということでビジネスモデルのプレゼンのようなものを想像していたのですが、現実にはチーム作りが重要なのか!と。

師匠にはAやB含めて50人ほどの弟子がいました。彼らは皆、大崎周辺に住み、師匠の仕事を手伝ったり、大崎周辺で毎週末に開催されるセミナーで起業に必要な知識を学んでいる、とのことでした。弟子入りにあたって提示された条件は、大崎周辺に引っ越すこと、土日はセミナーなどのために空けておくこと、の2つでした。人見知りで友達が少なく、蓄えもあった私にはすぐに達成できる条件だったので、それからすぐに引っ越しの手続きを進め、再度弟子入りを志願して受諾され、晴れて師匠の「弟子」となり「環境」の一員となったのでした。

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