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次の駅までのひとときに

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わたしのなんでもないエッセイ
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2021年2月の記事一覧

文章教室に通ったら、もやもやがステキで弱さは強みだったこと。

文章教室に通ったら、もやもやがステキで弱さは強みだったこと。

「接続詞は基本的にいりません」
そして、に朱で二重線。
「この文は2行前と同じ内容を説明しているだけですね。消しましょう」
ペンが勢いよく下へ走る。
「この段落はほとんど効果がないです」
ガッ、ガッと紙を掻く音。大きなバツ。
「よくはなりましたが、まだ取材先の魅力に踏み込めていません。都村さんの心がどこに動いたのかもう一度じっくり考えてみて。あと、タイトルも」

空になったコンビニのコーヒーカップ

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おきにいりを贈る

おきにいりを贈る

小包が届いた。差出人は遠方に住む友人だ。

就職したての頃は週に1度は仕事終わりに朝まで飲んだものだが、もう1年以上会っていない。始発前の白くかすんだアーケード街をゆらゆら歩いたのが昨日のことのように思い出される。

早速、ガムテープをはがす。緩衝用のプチプチをめくると、段ボールいっぱいにコスメや雑貨が詰まっていた。一番上に赤い封筒。誕生日のお祝いが遅くなったこと、退職までよく頑張ったねということ

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