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上達のコツは、上達を放っておくこと【オンラインナースのお仕事】

※この記事は、双極性障害の朝日さんの原稿をもとに、看護師の私の視点を入れ書き起こしたエッセイです。

上達することを目的にしてしまうと、いつか上達しないときがくる。スランプみたいな感じだ。それでは苦しいので続かない。自分の技術の上達は、継続したのちに来るものだから、まずは上達を放っておく。継続させることだけを優先にする。
同じ理由で、作品、傑作を作ろうとしてもいけない。楽しいこと、いやなことを書く。それをどうしたら人に伝えられるだろうとあれこれ考えていたら、否が応でも上達していくはず。

朝日さんの原稿より

文章を書くにあたって「上手く書けるようになりたい」と思いながら書き続けることは困難だと、私も思うのです。私の場合は「上手な文章って何?」というところにぶち当たり、「スキ」の数、コメントの数、アクセス数ばかりを見て「あれ、減ってる。え、私、文章書くの下手になっちゃったのかな」と思ってしまうのです。その沼にハマってしまうと、とたんに書けなくなります。「上手くなりたい」、その評価を自分でできるならまだしも、他者の声で判断しようとしたがる。そこは、スポーツや勉強とは違うのです。

そうだ、私、傑作を作りたいとも思っていたことがあります。著者や読者がうんと驚く読書感想文を書きたいって。傑作、とういうのも、他者評価という意味合いが私には強かったのかもしれませんね。結局のところ「上手くなりたい」「傑作を作りたい」は、「誰かに賞賛されたい」という表れなのでしょう。あくまで私の場合は、です。みなさんは、いかがでしょう。

そんなことで本当にスランプに陥りました。今記事一覧を見直しましたが、3カ月ほど更新できずにいたみたいです。でも、このスランプを抜けたのは「上達を放っておく」という言葉にあったように思います。とにかく書き続ける。きれいな言葉じゃなくても、支離滅裂でも、とにかく書いてみようと思うきっかけになりました。

「エモい文章」と言っていただくことがありました。どうやったら情緒的に書けるのか、何度も辞書を引いていました。でも、それは辞めたんです。今までは「うれしかった」だったら、類語を調べて「なんかかっこいい言葉、ないかな?」って。今はそれよりも、もっともっとその「うれしい」を細かく伝えられないかなと思うようになりました。「エモい文章」から「伝える文章」にシフトしていったように思います。

そんなこんなで、この半年、上達を放っておいたんです。文章が上手くなりたいという気持ちがなくなったわけじゃないのですが、書き続ければ勝手に上手くなると、自分を信じていたのかもしれません。その結果「もしかしたらこれが上達?」と思うことは、2000文字が楽に書けるようになったことです。書くスピードも上がりました。タイピングが速くなったわけではなく、頭の中にある言葉が次々と打ち込まれていくような感覚です。

目に見える変化といえば、これくらいでしょうか。でも、半年前の自分では考えられなかったことだから、続けるってすごいなぁって思うんです。上手くなりたいと思っていたときは続けられなかった。下手でもなんでもいいから書こうと思えたら、続けられました。

読者にとって有益なことを書いているのか問われると、決してそうではないと思います。自分の感じたことをただ書き連ねているだけです。でも、それでいいのかも、とも思ったりします。私は作家でもありませんし、出版しなくてはならない状態にあるわけでもありません。締め切りもノルマもありません。であれば、のびのびと書いてりゃいいのかなって。

書けば書くほど、心が落ち着いていくのがわかります。自分の頭の中にしかなかった言葉が2000文字になって、画面に埋められていく。それを感じる瞬間が私にとっての至福の時間なのです。

自分にとって心地よいことをただ続けているだけ。それを上手いとか下手とか判断するのは、やはり他者であって。この言葉に一喜一憂してしまうときもあるかもしれないけど、自分にとって幸せなことを、ただただ大切にしてけばそれだけでいいような気がしています。

もし「書けない」と悩んでいる人がいましたら、一旦上達を放っておきましょう。そして後になって振り返ってみればいいと思うのです。きっと「あれ、なんだか書けるようになってるかも」と思うはず。もちろん、文章を書くこと以外も同じです。根詰めないで、ゆったり、やっていきましょう。


※このマガジンは、個人が特定されないように書こうと留意しています。でも、朝日さんは「別に自分だと気づかれても構わない。それよりも、同じ病気の人を救えるのならという思いが優先する」とのこと。関係者の方は、そっと見守ってくださると幸いです。


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