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お茶を楽しむ人たちの記事まとめ

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お茶・お花・茶室建築などなど、お茶を楽しむ人が書いているらしい記事をまとめたものです。
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記事一覧

茶道を通じて感じるものは「非日常」ではなく、「本来の日常」ではないだろうか。

お茶(茶道)を学び始めて1年半ほど。 まだまだ知識も所作も拙いばかりで、学びの日々です。 時にはお茶会のお手伝いをさせて頂いたりもします。その際は参加者の方の喜びのご感想などが何より励みになります。 特に、普段茶道に触れてない方から 「この非日常な空間に癒されました」 といったご感想を伺うと、僕自身がお茶に触れ始めた時を思い出し、とても嬉しくなります。 が、最近この『非日常』というワードに、何か自分の中で違和感を覚えるようになりました。 (以前は自分もそう言っていたにも

小林一三と五島慶太

過日、元宝塚の優ひかるさんとお話をする機会がありまして、創始者の小林一三さんの話で盛り上がりました。 小林一三さんは私も本当に好きな大茶人でとてもリスペクトしてます!! 話ながら、小林一三と五島慶太のエピソードを思い出しました。 (以下、逸翁・耳庵研究所の文書を引用させて頂きます。) **************** 大晦日に近い日、五島から初めてお点前をするから参考のために見に来いと招きを受けた。遠慮のない友人のみ呼んだという。 行くと、五島

日本的ネーションの亡霊はお茶と共にさまよって

お茶、茶道をはじめたのは「日本文化を(より深く)知ろう」とか「真の日本文化を学ぼう」という思いからだった。あれはそう、大学に入りたての頃だったか。右傾化やスポーツの日本代表の時に盛り上がる謎のナショナリズム、経済が衰退する中「日本らしさ」にすがろうとする報道や財界・政界人の発言に対するアンチテーゼ的な態度もあったとおもう。 「○○ぐらい知らないと日本人として恥ずかしいかもな」 こんな感覚があり、○○にちょうど当てはまったのが茶道だったわけである。(そういう意味では、歌舞伎

いま伝えたい、茶の湯のちから

皆さま、はじめまして。裏千家教授の保科眞智子と申します。バイリンガル茶道家として外国人に英語で茶の湯の心と日本文化の魅力をお伝えしています。2018年に著書「英語DE茶の湯 〜こんなとき、どうする?!〜」(淡交社)を上梓しました。現在は3人の子供たちのママをしながら、東京都心で裏千家の茶道を30年お稽古しています。 このnoteについて いま世界は未曾有の困難に直面しています。見えない敵との闘いで、平和な日本が一変しました。 千利休が茶の湯を大成した時代は戦乱の世。そ

仕事の合間に、抹茶飲もうよ!怖くない「お茶の点て方」マニュアル

鳩です。「ド素人だって、おうちで抹茶を楽しみたい!」。その思いから独学でお茶を点て始めて早1カ月。リモートワークの合間、コーヒーで一息つくように、ひっそりと一服を楽しんでいます🍵 ここまで自服をして感じたのは「ゼロからおうちで抹茶を楽しむための情報が、インターネット上にまとまっていない」ということ。だったら超初心者の私が、超初心者のためのマニュアルをnoteにつくろう!というわけで、茶人の近藤俊太郎さんを頼ることにしました🎤💻 今回、近藤さんには、テレビチャットで60分間

無言の茶室プロジェクト。脳波×茶の湯の可能性。

言葉に依らず観賞体験を他者と共有することへのチャレンジ。 非言語の新たなコミュニケーションの模索。 無言の茶室プロジェクト始動。konelの出村さんにお誘いを受け馬喰町のラボでNo‐oNという、脳波を測定しながらその脳波によって音楽や映像が生成されるプロジェクトを体感したときから、脳波と茶の湯という掛け合わせの可能性を大きく感じました。 前日に私の作品展を見に来てくださった出村さんとは、全く違うジャンルながら共有できる感覚が多く、すぐに脳波×茶の湯のプロジェクトが動き出し

和樂が提案したいのは「お茶のある時間」の愉しみ

こんにちは。和樂web編集長のセバスチャン高木です。最近まったくnoteを更新していなくて自己嫌悪に陥っている私ですが、実はこのところ新しい商品開発で頭がいっぱいで、テンパっておりました。キャパシティが小さい私めをどうぞお許しください。 で、noteをさぼってどんなものを作っていたのかをちらりと紹介させていただきます。 TEA TIME MACHINEってなんだ?まずはじゃじゃーん!その名も「TEA TIME MACHINE」(てぃたいむましーーーーーん)。なんだか気分は

お茶が生み出した世界

昨日の「麒麟が来る」第3話では 岡村さんが演じる「菊丸」が、薬草を積んで 手土産に持ってきているシーンがありました その辺に生えているから、いくらでも取ってこれて 煎じて、薬として飲むと 神農の時代から、お茶もそのように 身近な万能薬としてのまれていたのかなーと思いました そんな万能薬が あるときから政治に使われるようになりました 織田信長の「茶の湯政道」です それまでは、道元禅師の「茶礼」から始まり 利休が茶道を作り上げた その茶道は精神性を中心としたものだったの

花と器 Feb.#1 桃/枝ものをいける

春の気配がだんだんと感じられるようになってきました。 道沿いには、梅や桃が花をほころばせている姿も。 桃わたしの出身地である岡山県の花でもある桃。7月〜8月に美味しい果実をつけるために、今の季節から花を咲かせます。 桃が咲き始める3月中旬(3月10日から15日あたり)は、七十二候の第八候「桃始笑(ももはじめてさく)」とされており、桃の花が笑うように咲き始める時節を表した可愛らしい名前のついた季節。 刺すように冷たかった空気も、柔らかさが感じられるようになり、美しい花も咲き始

有料
500

東工大でのゼミ茶会:3Dプリンタ陶芸と茶碗とデザイン

7月30日,東京工業大学融合理工学系の院生ゼミでお茶会をしました。 「なんもできかねます」と言ってる場合ではないので,急遽スライドを作って茶碗の話を。理系の人にも興味を持ってもらえる切り口を考えつつ,依頼の通り「文系特有の混乱」へと結論を運べるように考えます。 (こんな依頼をいただき一番混乱していたのは私です) 以下,アートギャラリー所属の茶人として自己紹介した後に,茶碗の話をしました。 「茶碗の条件」ご飯茶碗ではなく抹茶用の茶碗と言った瞬間にスピリチュアルな議論になっ

茶道は時間のモンキーレンチなのかも

ブランクの期間を抜くともう8年くらいお茶をやっている。一番長く続いている趣味かもしれない。 始めたばかりの頃は始めて3年くらいで「これは一生続けられるな。続けるほど面白さが増えてくるな」と感じたのを覚えている。 「お茶の何が楽しいの?」と聞かれた時に自分なりに整理された答えをもっていたくて、感じたことや感じていることも含めて文字に起こしてまとめておこうと思う。 もちろん、文字にできないこと、論理にできないこと、感覚でしかわからないこともたくさんあるのだけれど。言葉で表せ