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仕事の合間に、抹茶飲もうよ!怖くない「お茶の点て方」マニュアル

鳩です。「ド素人だって、おうちで抹茶を楽しみたい!」。その思いから独学でお茶を点て始めて早1カ月。リモートワークの合間、コーヒーで一息つくように、ひっそりと一服を楽しんでいます🍵

ここまで自服をして感じたのは「ゼロからおうちで抹茶を楽しむための情報が、インターネット上にまとまっていない」ということ。だったら超初心者の私が、超初心者のためのマニュアルをnoteにつくろう!というわけで、茶人の近藤俊太郎さんを頼ることにしました🎤💻

今回、近藤さんには、テレビチャットで60分間の1on1レクチャーをしていただきました。前半は、近藤さんが毎朝お茶を点てる流れを見せてもらい、後半は、私が実践しながらあれこれ質問をぶつけます。この記事では、お茶を点てる流れに添いながら、質問ごとにポイントをまとめました。
このnoteが、誰かの「初めての一服」の後押しになったらうれしいです。

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※今回教わったことは、あくまで初心者が抹茶を楽しむのにおすすめなやり方やコツで「茶道」では、流派により異なります。

0.近藤さんって何者?

近藤 俊太郎さん プロフィール
インターネット事業に携わる仕事をしながら、若い世代の人々が茶道に触れるきっかけを作る活動として「茶団法人アバンギャルド茶会」を立ち上げる。百貨店やギャラリーでの企画展プロデュースでも、熱い注目を集めている。

1.畳で点てなくちゃダメ?

初めてのレクチャーにドキドキしながら畳に正座でスタンバイした私。
近藤さんも畳に正座かしら......と思いきや、あれっ......?

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椅子に座ってる!!!
「正座で点てたほうが理に適ってることもあるんですが、現代のライフスタイルで、毎朝畳で正座して点てるのって難しいじゃないですか。キッチンで立ったまま点てても、仕事机で点てても良いと思います!」。そっか、そんな難しく考えなくていいんだ!正座して点てるときの利点については、後で教えてもらうことに。

2.道具って何があればOK?

近藤さんの毎朝の一服セットは、想像以上にシンプル! 茶碗とポット、抹茶の入った缶、茶杓、茶筅(ちゃせん)と茶筅立て。あれ?こないだ調べながら描いたこの絵の内容よりも少ない!

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「毎朝自分で楽しむのならこれくらいあれば十分。最低限、茶筅と抹茶だけ用意すれば、あとは家にあるものでも🙆‍♂️」。つい形から入りたくなっちゃいますが、最低限の道具から用意するのでも十分なんですね。

3.茶碗はどんなものがよいの?

浅い漆器、ご飯茶碗、深いどんぶりの3つを並べて、どれがおすすめか聞きました。

\どれがいいんですかね?/

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「この3つだったら、どんぶりです。深い器のほうが、バシャバシャ跳ねないし点てやすいので、初心者におすすめです」器はその日の気分だけでなく、季節によって使い分けるんだそう。例えば、浅い茶碗(平茶碗)は冷めやすいので夏に使い、深い湯呑みのような茶碗(筒茶碗)は冷めづらいので冬に使う、とか。なるほど〜。さらに「毎日同じ茶碗を使うと、抹茶やお湯の分量の感覚が掴めてきます」ということは、今日はいつも使っている浅い漆器じゃないので、量の感覚を掴むのがむずかしいかも?

4.茶碗って温めたほうがいいの?

よーし道具が揃ったぞ!よくあるお茶の点て方には「まず茶碗を温める」と書かれていたけど、必ずやらなくちゃダメなのかな......?近藤さんの返答は「毎朝コーヒーを飲むのにマグカップを温める人の方が少ないでしょう?」なるほど!それと同じで、温めた方が、冷めにくいしベターだけど、私のような人が毎朝飲むのに、いちいちやらなくてもOK。ちなみに、温める場合は、点てる前にしっかりと乾かす必要があるとのこと。抹茶がくっついちゃうもんね......。

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5.茶筅も温めたほうがいいの?

同じく「茶筅も温めるべし!」と多くのサイトに書かれていたけど、こっちはどうなんでしょう?「温めるというか、茶筅は湿らせた方が良いです。理由は、乾燥した状態で茶筅を使うと先っぽを傷めてしまう恐れがあるから」茶碗と違って、茶筅は道具の保護のために行うんですね。

6.道具はどう配置したらいいの?

今、私の手元にある道具は......茶碗、茶筅、抹茶の入った缶、茶杓。この4つのカッコイイ置き方ってあるのかしら?
「茶碗に対して、茶筅は右上、左上に缶があって、右下に茶杓があると使いやすいと思います。」
たしかに、抹茶→茶杓→茶筅と手にとる順序とあっている!

\こんな感じ!/

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7.抹茶はどれくらい入れたらいいの?

抹茶は2匙入れるって、どこかで読んだような気がするけど......そもそもなんで2匙なの?「チャンスが2回あると思うと良いです。 1匙目多かったな〜(少なかったな〜)と思ったら、2匙目で調整できるから」ふむふむ!そもそも匙の大きさというか、茶杓の大きさも人それぞれだと思うんですが、適量とは一体......?「量の正解はありません。気分で濃さや量は調整してOK。抹茶が少ないよりは多いほうがあとで調整がきくので、初心者は気持ち多めで。」う〜ん、もう少しヒントがほしい!と思っていたところ、アヴァンギャルド茶会の公式サイトには抹茶とお湯の黄金比についての詳細な記事が書かれていました。それによると、お湯60mlに対して抹茶1.5gを基準にするのがおすすめだそう。

8.お湯はポットから直接いれてOK?

近藤さんはポットを用意しているけど、直接注いじゃっていいの?「大丈夫🙆‍♂️コーヒーのドリップ用のポットなど、注ぎ口が細いものがおすすめ!」

\こういうポットですね!/

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9.お湯の温度は?

沸騰したお湯を用意しちゃいましたが、もしかして温度も決まってる......?「飲むときに65〜70度くらいだとベストです。目安としては、沸騰したポットの火を消すと95度、片口とかにお湯をうつすと10度下がるのでちょうどよくなります。ただ毎朝点てるのであれば、前に書いたようにポットから直接注いでもOKです」お湯を片口に移したあと、私のような初心者は点てるまでにモタモタするので、かなり冷めてしまいます。もしかすると、初心者は慣れるまでポットから直接でちょうどよいのかもしれません。

10.お湯の量は?

抹茶の量と同じく、お湯の量にもコツがあるんだそう。「抹茶は多め、お湯は少なめの意識で。お湯は少しでいいんですけど、ついもうちょっと.....と注いでしまいますよね。そこをグッとこらえて、少ないかな?くらいで試してみてください。抹茶って石鹸と同じ原理なんです。天然の界面活性成分が含まれているから、水分が多すぎるよりはちょうどいい・少ないがいいんですよ。お湯が多い場合に抹茶を足すのはむずかしいんですが、お湯が足りないときは、最悪足すことができます。なんといっても濃い方が、おいしいです」これを聞いた鳩は「あ、インスタントスープと同じね......!」と妙に納得したのでした。

11.お湯の注ぎ方は?

真ん中にドボドボ注ぐのではなく、茶碗の肌に当てるようにしてちょろちょろと注ぐ。

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これまたいろんなサイトに書いていましたが、なんでなんだろう?
「真ん中に注ぐと、抹茶がブファって飛び散るじゃないですか? なので肌に当てて注ぎます。コーヒーのドリップを見ていて気づいたんですけど、外側から内側へとゆっくり注ぐ場所を変えると全体が湿ってよいかも、と僕は思ってます。慣れてきたら試してみてください。」試してみましたが初心者には難しすぎました!まだまだ、繊細なコントロールができません。

12.点てるときの姿勢は?

最初に「畳で正座するほうが理に適っている」と聞きましたが、これは姿勢と関係しているそうです。「丹田に力をいれて正座すると、背筋がピンと伸びて、畳に置いた茶碗に向かって、腕も伸びます。なので手首に力が入らず、シャカシャカ点てられるのです。茶碗の真上から茶筅を入れられるような座り位置を心がけてみましょう」では、椅子に座ってやるときも背筋を伸ばして、手首に力が入らないことを意識してみます。

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13.茶筅の持ち方は?

そういえば茶筅の持ち方を調べずにここまでやってきました。......が、近藤さんいわく、以下のような持ち方がおすすめとのこと。「人差し指と中指と親指で軽くつまむようなイメージです。」

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14.シャカシャカの回数は?

これも量と同じで、決まりはありません!」ええっ!!正解がないこと、多すぎじゃないですか。せめてヒントだけでも!!!

15.点てるときのスピードは?

回数に決まりがないなら、スピードは?
「まず手首をぶらぶら、前後でリズミカルにシャカシャカします。左手は茶碗を上からそっとおさえる程度で。」

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「ゆっくり→少し速く→最後にゆっくり『の』の字を書いて表面の泡をつぶしていくように意識しています。」

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「今の説明は上から見た状態ですが、今度は横から見た状態。底に茶筅をつけないようにして、徐々に表面へと持ち上げていくイメージです。こうやって緩急をつけるとキレイに泡立ちます。」

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(頭では)わ......わかるけど、(やるのは)むずかし〜〜〜!!!
(むずかしいので、いつも使っている器にかえて再チャレンジ)

16.泡立たない原因は?

\シャカシャカシャカシャカ/

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うーーーん?肝心の点てるところが難しすぎる!近藤さんのように上手く泡立たない原因はなんでしょう。

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「その粘度を見るに.....もうちょっとお湯を足しましょうか?」
ほう!ねちょっとしすぎていたらお湯を足す。
「初めて点てる人は、泡立たせようとしてつい全体を混ぜてしまいがちですが、とにかく前後にシャカシャカする。対流をつくると泡が発生します。」

\近藤さんのシャカシャカは音からして違う!/

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上達の近道なんて、ないですよね......?「毎日やるのみです!続けた数に応じて必ず上手くなります」ということは、ストイックに練習あるのみ!スポーツや楽器と同じなんだな〜。

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17.どうやって飲むとカッコいい?

いつも適当に茶碗を持ち上げていたけど、どうやって飲んだらいいんだろう?「右手で持ち上げて、左手の掌にのせるとカッコイイです!」

近藤さんがいただいている様子を見ていると...ごっくり豪快に飲んでいました。少量でちびちびと飲むよりも、しっかりと飲んで味わった方が所作が美しいんだとか。

抹茶は怖くない!インスタントコーヒー感覚だ!

正直、お茶を点てるたびに「これ、間違ってるかも......。」ってビクビクしながらやっていたので、近藤さんにひとつずつ手順やコツを教えていただいて、ホッとしたんです。

最後に近藤さんが、こんなことを教えてくれました。

「抹茶を点てるのって、意外とシンプルなんですよ。茶筅という特殊な道具を使いますが、行程はコーヒーをドリップするよりも簡単です。どちらかというと、インスタントコーヒーを飲むくらいの感覚ですね(笑)。茶道のイメージがあって非日常の飲み物のように思われる方もいますが、身近なおいしい飲み物のひとつとしてとらえてもらったら、みんなが気軽に楽しめると思うんです。」

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近藤さん、お忙しいところレクチャーありがとうございました!

\近藤さんがお茶会のイロハを解説する記事はこちら/



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