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短歌集、時々俳句

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#芸術

短歌⑯ 雨

短歌⑯ 雨

⑯雨

雨の日の 夜空は澄んで 美しく
静かな団地の ゴミ捨て場まで

雷鳴の 後に降り出す にわか雨
隔絶された 車の中で

坂の下 バス停の前 行けばきっと
土砂降りの雨 溜まっているぞ

雨の中 りんごと柿を 買いに行き
さんまとししゃも 買って帰った

盲目の 友を誘って 高台へ
なぜか涙が 頬伝う二人

囚われて 何も見えない 闇の中
湧いて流れる 音が彩る

芸術は あなたの心を 動か

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短歌⑮ 放蕩息子

短歌⑮ 放蕩息子

まだ本気出てない

ルカ15 放蕩息子より

死んだ後 くれる予定の 金をくれ
愚かな息子を 父は見守る

立ち上がり 父のところに すがりつこう
この罪人を しもべの一人にと

走り寄り 何も言わずに 抱きしめる
何も持たない 息子は涙す

自分なら 嫌味の一つも 言うだろう
何も言わない 父だからこそ

死んでいたのに生き返り
いなくなったが見つかった
さぁ祝宴だ

子よ、いつも あなたは私と

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短歌③

短歌③

【聖書編】
天、神の 栄光語り 大空は
その御手のわざ 告げ知らせ
(詩篇119:1)

日は昇り 日は沈みまた 昇るように
巡り巡って 風、吹き、帰る
(伝道者の書1:5,6)
空しさの 果てに飲み食う 喜び見つけ
そのこともまた 神の御手による
(伝道者の書2:24)

話もせず 語りもせず 声もない
しかし光は 世界の果てまで
(詩篇19:3,4)

太陽は 花婿のように 部屋を出て
勝者の

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