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【カフェ営業記】店内でのパソコン作業について、コーヒー屋店主が思うこと

僕は今、京都でLaughterというコーヒーショップを運営しています。

先日SNSのこんな投稿が話題となりました。
「家族連れでスタバに来たら、仕事や勉強する人の占領されて座れない!」

ここから、現役のスタバ店員と名乗る方も加わりネット上では大激論に。
スタバといえば、家でも職場でもない「サードプレイス」であることをコンセプトに掲げており、「リラックスしながら仕事をする」ことを、店側もある程度想定していると思いますが…。

スタバに限らず、カフェでのパソコン作業や勉強は賛否が分かれるところであり、お店によっては時間制限やそもそもの行為を禁止しているところも。

店内でのパソコン作業や勉強について、お店側の視点から記してみます。


・最も大事なことは営業に支障がないこと

最も大事なことは営業に支障がないことです。
パソコンや勉強をされる方は、長時間利用を見越してこられるケースが多いです。座席数の多いスタバですら、座れない人が出るわけですから、個人の小さなお店で席を占領されてしまっては困ります。

また、「静かな空間」をコンセプトにされているようなお店なら、パソコンの「カタカタ」という音がするだけで世界観は壊れてしまいます。

作業目的で来られる方も大切なお客さんですが、営業に支障が出ては意味がありません。

作業を制限や禁止されているお店のほとんどがこういった理由からだと思います。
うちのお店では、制限などは掛けていませんが、当然営業に支障が出るようならそうしたルールを設けるつもりです。

・支障がなければ大丈夫だけれど…

ここまでは、根本的なルールのお話でしたが、ここからはちょっと本音の部分を。
うちのお店では店内での作業に関して、特に制限は設けていません。
何かと縛りを設けて、息苦しい感じになるのは嫌なのと、これまで特にトラブルも無かったからです。

作業されている方も、狭い店内なので来客があれば譲ってくださいますし、他のお客さんにも迷惑にならないようにしてくださっています。

ただ、あまりに露骨に「作業しに来ました」という雰囲気を出されるとやっぱりちょっと寂しいなと。
あくまでコーヒー屋ですので、コーヒーを楽しんでいただきたいのですが、「店内を使用する免罪符としてコーヒーを頼まれているんだなぁ」という方もいます。

コーヒーをお出ししても、目もくれることなく作業を続け、退店間際にもう冷えきっているであろうコーヒーを飲み干して帰っていく…。
コーヒー屋として気分が良いものではありません。

・結局はそれぞれの思いやり

ちなみに、スタバでの作業についてはスターバックス側が公式見解を出しています。

要は、その時々の状況で判断してくださいということでしょう。
ある程度のルールはお店側から設けることは出来ますが、それを遂行するのは一人一人のお客さんです。

それぞれの思いやりが一つの空間を作っていくんです。

ちょっと話は逸れますが、最近の世の中は「皆でちょっとずつ譲り合う」ことをもっと大切にするべきではと思います。

最初にご紹介した投稿も
「スタバがサードプレイスを打ち出しているんだから何も問題はない」
「むしろ、家族連れでスタバに来られる方が邪魔」
という意見がかなり寄せられたようです。

確かに、論理的にはそれで合っているかもしれません。
でも、子供たちだって暑い中頑張ってスタバにたどり着いたかもしれません。
「席の使用は○時間以内」というルールはなくとも、「あ、自分結構長いこと使ったな」と席を立つことがあっても良いんじゃないでしょうか。

世の中ルールが全てではないし、明文化されていないことをその時々の状況を見て判断しなければならないこともあります。

一人一人が権利を主張しているだけでは前に進みません。
前に進むための「譲り合い」の大切さを改めて考える時代になっているのではないかな?と。

コーヒーから壮大な社会の話になってしまいましたが(笑)
こんなことを思う休日の昼下がりでした。


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