#46 ブレンドコーヒーの作り方
僕は今、京都で「Laughter」というコーヒーショップを運営しています。
うちのお店にも常時8種類ほどのコーヒーを揃えていますが、どれにしようか迷っている方にはブレンドコーヒーをおススメすることが多いです。
「ブレンド」と侮ることなかれ。
世界各地から様々なコーヒー豆が届く中で、お店独自の配合で作られるブレンドはその店ごとの唯一無二の存在です。
「ブレンドコーヒーってどうやって作っているんですか?」
という質問もよくされるので、書いてみたいと思います。
まず最初にするのは
「ブレンドの方向性を決めること」
うちのお店では、
・スッキリと華やかな味わいのラフターブレンド
・しっかりとコーヒーらしいコクと苦みの西陣ブレンド
・バランスよく毎日飲めるハウスブレンド
の3種類のブレンドがありますが、
「華やか系」「しっかり系」「バランス系」
の3つを作りたいと決めてスタートしました。
バレンタインブレンド、クリスマスブレンドといった季節限定のブレンドを作る時も
「チョコレートに合うような深煎り系のブレンド」
といったように、イメージを膨らませてブレンドの方向性を作ります。
そして、方向性が決まればそれに合うコーヒー豆をセレクトしていきます。
華やかなブレンドを作りたいときは、浅煎り系の豆を中心に。
しっかり系のブレンドを作りたいときは、深煎り系の豆を中心に選んで配合していきます。
上手くいかないときには、配合の比率を変えたり、ほかの豆を加えたり。
思いつく限りのパターンを試して、ブレンドを形作っていきます。
ブレンドを作る過程を僕はよく絵の具に例えます。
最初に「空」を描く色を作りたいとイメージしたとします。
そしたら、青とか白といった色を用意して混ぜていって、理想の「空色」を探すことになるでしょう。
ブレンド作りもまさにそんな感じです。
ちなみに、絵の具で迷子になって色々混ぜた結果黒色になってしまうように、コーヒーもあまりにもたくさんの豆を混ぜてしまうとぼやけた味になってしまいます。
ブレンドとしての味が美味しいのはもちろんですが、それぞれの豆の個性が消えていないことも重要視しています。
そして、納得する味ができなかった場合はお蔵入りになることも…
そんな過程を経て並ぶブレンドコーヒー。
答えがない分、店主さんの好みやそのお店の表現したい味が現れるのがブレンドコーヒー。
ぜひ、ブレンドコーヒーの世界を楽しんでいただければと思います!
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