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いつも、すべての瞬間に、なにかの光が宿ってる。

日曜日の朝、朝焼けを見ながら起きた。

窓とカーテンを全開にして眠るといつも、朝焼けで目が覚める。
窓のすぐそばにベッドを置いてるから当然なのかもしれないけれど、やっぱり人は空が明るくなると目が覚めるようにできているんだなと毎度感動する。

東の空に、夕焼けとは違う、もっとはっきりとしたオレンジや青や黄色。
ずっと見ていたいけど、たぶんまだ4時台だ。さすがに眠い。しばらく見つめて、「もう一眠りするか」と窓に背を向けて布団にくるまりなおす。


部屋の角の壁と床が、朝焼け色に染まっていた。
燃えているみたいに、揺れているみたいに、朝焼けがわたしの部屋の片隅にあった。


空がある、こんな朝焼けのある世界に、わたしは生きている。

世界の美しさが目の前で燃えていた。
いつもは生活の背景に溶け込んだまま過ぎていってしまうけど、たしかに存在している美しさ。
あったりなくなったりするのではなくて、
いつも変わらず、いつもあって、見ているか見えていないかだけ。

その光をしばらくじっと見て、いつの間にかまた眠っていた。
ほんの少しの時間だったと思うけれど、はっと目を開けると部屋の色が目を閉じる前よりぐわっと温度があがったみたいに濃く鮮やかになっていた。

本格的にもう一度寝て、また目が覚める。
あの朝焼けの濃い色はもうない。白っぽく光る空と、もわっとした暑さ。
ああ、いつもの空だなと思って時計を確かめると、やはり6時半。

夢の世界から、日常の世界へ。だけど本当は、あの夢のような時間が毎朝知らない間に訪れている。
あれが、私たちが生きているいつもの世界。


✴︎✴︎



先週、岩手県の紫波町の水分神社で見た光もほんとうに綺麗だった。

神社を取り囲むように杉の木が生えていて、その一部分に傾き始めた夕陽がふわっと差し込んでいた。
杉の幹と、根元に広がる草の絨毯、そこをふわふわと飛んでいるちょうちょ。すべてが柔らかく光の中にあった。

どうしてだか、時間が見えるみたいだと思った。
その光を見ていると、ここにいる自分を超えた、なにかもっと深くて、だけど間違いなく自分自身もそのなかに包まれている「なにか」の存在を感じた。

ただ、見ていた。
初めて、神様っているんだなと思った。


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