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【 短編小説 】une grasse matinée ~ アロマの香りと共に ~

宜しかったら、音楽をかけながら、どうぞ。


雨が静かに降り続いている。

湿度を感じる、少し遅く起きた朝。

部屋を満たすアロマ。

深呼吸で香りを体の中に染み込ませる。

穏やかな時間。

息を細く吐き出す。

心地良い目覚め。

ベッドから起き出して、テーブルのペリエを口に含む。

体温と同じ炭酸は身体を優しく起こしてくれる。

スツールに腰掛けて、ペリエの炭酸をしばらく眺めた。


冷蔵庫から冷えたゴブレットを取り出す。

数粒のシャインマスカット。

ひと粒、口に放り込む。

軽く食むとパリっと皮が弾けた。

口中に程よい酸味と濃い甘み、芳醇な香りが広がる。

窓の外では雨が静かに降り続く。

両手でゴブレットを包み込む。

この冷たさと同じ季節は、もう少し先。

・・・fin.

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解説:

夏風邪が長引いていて、味覚はあるのですが臭覚が残念賞状態でした。

事務所に着いて机やそこら辺の拭き掃除、トイレ掃除を終えてから、唯一のオシャレアイテムのアロマオイルの電源を入れます。

夏風邪を引いた2週間前より、香りを全く感じず、アロマオイルと電気を無駄に消費していたようなものでした。

違う意味で贅沢をしていましたが、汗っかきなので、制汗剤の代わりになっていると信じて電源を入れていました。(エチケット?)


そんな昨日。

小雨降る中、事務所の掃除を終えて、アロマディフューザーをセッティングする際、臭覚大作戦としてアロマオイルのボトルを匂います。

すると、約2週間ぶりにレモンもグレープフルーツも匂いがバッチリ分かりました。

「ひゃっほう!!!」と、気を良くして事務所の数少ない贅沢アイテムの珈琲ドリップの粉も香ってみると、苦い香りを感じます。

やっとこさ、夏風邪が抜けたかもしれません。

今週までご自愛ウィークとして仕事を早く切り上げて、サッサと帰宅しています。(割といつも、とか聞こえない)

ガッツのある食事が「夏風邪完治への道である」として、ここ数日は野菜スープ生活から「白飯上等」としています。

臭覚の戻ったこの日の夕飯は、夢のある横流し物件「鰻」を冷凍庫から取り出して湯煎。

同時に豚汁っぽいものを作りました。

飲み物は飲む黒酢。
ペリエは?とか聞こえない。
メンタームさんもゲストで激写。
まさか、自宅のアロマはメンタームか?

デザートに自爆したまま生殺しで食べていなかったシャインマスカットをやっとこさ食べました。

鰻はふっくらとして美味、シャインなマスカットさんも皮がパリっとして甘みたっぷりでベリーグッテイストでした。(半分くらいパクパクと)

豚汁も丼の量で作ったので、お腹が張り出してしばし動けなくなり、座椅子で伸びておりました。

雨が降り続き湿気った部屋で、食べ過ぎた自分はおでこテッカリン。

そんな時に聴いていたラジコのタイムフリー「タブレット純の音楽の黄金時代」から、「京都慕情」が流れて来ました。

「キタぁぁぁ!!」っと、テンションの上がった自分は手拍子をしながら、ゆう子と一緒に歌いました。(男と女は?とか、聞こえない)


この日を脚色したお話が、当記事の冒頭です。

見事になぞっております。(自画自賛)

「ゴブレット」が思い出せず、「ゴブリン」だったかしら?とゾンビの映画音楽ばかり頭に浮かびながら書きました。

せっかくなので貼っておきますね♪


(せっかくの使い方と個々の単語以外なぞっていない件。 by 心の奥さん)


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