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雇われること、雇うこと。 ~ 舞台 広島ジャンゴ2022 ~

仕事以外で率先して「行きまっせ!!」とやる気と楽しみになっていることが、例のアレからこっち、生の舞台やライブ鑑賞となっています。

誰かと行くでもなくマスク装着にて、ひとりでひっそり楽しんでいるため、相当熱気ムンムンで詰め寄られることでも無い限り、感染ということは無いでしょう。

幸い、今のところ罹患しておりません。



そんな中、チケットサイトからの舞台案内がメールで届きました。

天海祐希さん、鈴木亮平さん、ここに大好きな藤井隆さんと来たら、スリーカードでチケットを取らない理由がありません。

仲村トオルさんまで来たのでフォーカード。

ぴあで、第三希望まで申し込みしましたが、ハズレ。。

がっかりなところでイープラスからも案内が来たので、「頼む!!」と祈りながら第三希望まで申し込みしたところ第二希望で当選、ヒャッホー!!

先日、例のアレのせいで楽しみにしていた舞台が流れてしまったので、ハラハラしながら過ごしておりました。




何とか無事に観劇して参りましたは、「広島ジャンゴ2022」!

まあまあなネタバレや個人的感想がありますので、これから観劇予定の方は、観劇後にお読み頂けたらと思います。



舞台は広島の牡蠣工場。

「建前は従業員のため頑張っている、従業員は家族と一緒」な、ワンマン工場長の仲村トオルさんは熱狂的な広島カープファン。

普段からカープのユニフォームを着るべしといった環境下にし、従業員たちに休みの日に「懇親会」と称したカープ万歳会の出席を「強要」して来ます。表向きは自由参加ですが、参加しない場合はボーナスの給付や額面に露骨に現れます。従業員たちは特にカープファンではありませんが、止む無く「カープファン」をしています。

この状況で新入りの天海さん演じる主婦は家庭内諸事情により不参加を表明し、仲村さんからは何故か「巨人ファン」と決めつけられています。全員参加が前提となる「ボーナス事情」なため、他の従業員は参加を強く促します。仲村さんや他従業員から、シフト表作成担当の鈴木さんが天海さんを参加させるよう圧をかけられます。

鈴木さんはあちらこちらの顔色を伺いながら、仕事をやり過ごしていますが、そんな鈴木さんの願い空しく、天海さんはどうしても「懇親会」への参加を拒否し続けます。


鈴木さんには好きな西部劇の映画があり、内容は勧善懲悪もの。

悪者は淘汰され、弱い者たちは救われるといった映画。

家で、翌日までに作成するように言われているシフト表を酒を飲みながら作っている内に、眠ってしまいます。



目覚めると何故か「会話が出来る馬」になっている鈴木さん。さらに西部劇的状況下で追われ者の天海さんとその娘さんと旅をすることになります。

三人が流れ着いた酒場(現実世界では牡蠣工場)で、凄腕ガンマンとして認められて用心棒として雇われます。

夢の中で仲村さんは「水の少ないヒロシマ」の水利権を一手に握った町長として君臨しており、誰も逆らえません。その中で幼馴染の藤井さんが町のみんなのために井戸を掘り進めていて、あと一歩まで来ています。みんなのカンパで最後の一歩に辿り着こうとしたところで、町長の妨害に遭い、井戸も壊れ、家を焼かれ、藤井さん自身も町長の雇われの身となり、妻は宿で客を取る生活、娘も町長の義理の弟に狙われるといった生活へ墜ちます。同時にとあることから、天海さんも町から追われる身となり三人で逃げだします。


現実世界でブラック企業で働いていた鈴木さんの自殺したお姉さんがキーパーソンとして登場しています。言いたいことも言えず、使いっぱしりとして使われ、家族に相談も出来ない中で発作的に橋から飛び降りをしています。

お姉さんから相談されなかったことを悔しく思い続けていた鈴木さん。

お姉さんが鈴木さんに夢を見させている状態となっており、お姉さん自身も家族に相談しなかった後悔や会社に立ち向かえなかったことなどを鈴木さんに語ります。

逃亡のさなかで、水の少ない理由が「上流に町長設置のダムがあること」とわかり、天海さんと娘さんは命懸けで街へ戻ってみんなに知らせるつもりだけど、鈴木さんに付いてくるかどうか問います。渋々承諾し街へ戻り、藤井さん一家がダムを解放しに走り、その間に天海さんは仲村さんを倒します。

お姉さんはそのことを見届けて、去って行きます。



そして、目覚めた鈴木さん。

シフト発表の席で、再度、天海さんに「懇親会」参加を促しますが、拒否されます。仲村さんから言外で「クビ」を言い渡すよう促されますが、鈴木さんは「自由参加だから他のみなさんも・・」と勇気を奮い起こしてみんなにも促します。現実世界でも仲村さんの幼馴染の藤井さん夫婦が「じゃあ自分達も・・」となりかけますが、仲村さんの「(鈴木さんへ)お前に新しい職場を紹介してやる」の一言で、工場のみんなは懇親会会場へ去って行きます。

工場内に残った天海さんと鈴木さんが「これから」を話し続けるシーンで幕は下りました。



物凄くざっくりですがこういった内容の舞台でした。

日本中で同じようなことが起こっていると思いますし、自分自身が天海さん的スタンス(仕事は仕事、プライベートはプライベート)で仕事をしている部分があるため、オーバーラップしてしまい、途中からラストシーンまで涙目でした。最後の舞台挨拶が三回ありましたが、三回目はスタンディングオベーションしました。久しぶりに、そうしないでいられないグっと来る舞台でした。

あの内容を毎日演じられる演者の皆さまが、強靭な気持ちの持ち主に思えて仕方ありません。

笑ってしまうシーンもたくさんあり、鈴木さんのテンション高めなラップありで、物凄く落ち込むところまではありませんが、ストーリーに重なる職場環境であったり、家庭環境だったり、辛い出来事の経験者の方には、ちょっと厳しい舞台かもしれません。

「自分の思う正義」に対してどう対峙することが出来るのか。

楽しくて重い舞台でした。




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