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Event Report | AI時代に考える、幸せなくらしのヒント。 Presented by SHARE WEEK 2023

すまいとくらしの未来を語る「philosophy」。今回はn’estateチームメンバーが参加したトークセッションの一部をレポートします。

一般社団法人シェアリングエコノミー協会による、持続可能な共生社会を体験するイベント『SHARE WEEK 2023』が開催され、2023年11月15日に行われたオンライントークセッションの一部で「n’estate」チームリーダの櫻井がモデレーターを担当。「AI時代、日常はどう変わる?」と題したテーマで、不動産テック・地方創生・メディア、それぞれの立場から、あたらしいくらしのあり方を提案をするプレイヤーが集合し、AIやテクノロジーとともにある未来の可能性と課題、これからの時代の幸せや豊かさについて語り合いました。


登壇者紹介

写真左:近藤 佑太朗さん | 株式会社Unito 代表取締役/一般社団法人シェアリングエコノミー協会幹事
写真右:中島 みきさん | 面白法人カヤック 執行役員 兼 ちいき資本主義事業部部長
写真左:松浦 弥太郎さん | エッセイスト/クリエイティブ・ディレクター
写真右:櫻井 公平 | 三井不動産レジデンシャル株式会社 事業創造部 主管

櫻井:みなさま、こんにちは。本日は「SHARE WEEK 2023」のセッションのひとつとして「ライフスタイルトランスフォーメーション ~AI時代、日常はどう変わるのか?~」というテーマのもと、こちらの4名でお話しをしていきたいと思います。今回、モデレーターを務めさせていただきます、三井不動産レジデンシャル 事業創造部の櫻井と申します。それでは、お三方からもそれぞれに自己紹介からお願いします。

近藤 佑太朗さん(以下、近藤):株式会社Unito 代表取締役CEOの近藤と申します。1994年の11月生まれで、今年29歳になります。クロアチアのビジネススクールで観光学を学んで、国内のスタートアップでインターンを経験した後に起業し、現在は「Unito」という、滞在しない日数分は家賃が下がることが特徴のサブスクリプション型の住居サービスを運営しています。

櫻井:「Unito」のサービスがどういうものか、簡単にご説明いただけますか?

近藤:例えば出張や旅行、帰省などの「家に帰らない日」。従来は賃貸家賃は月額固定制なので、家に帰らない日があったとしても、家賃は同じでしたよね。それを僕たち「Unito」では、留守の日は家賃がかからないサービスとして、出張が多いサラリーマンや単身赴任者、多拠点居住者の方々など外泊が多い人に向けて提供しています。全国に5000部屋以上の物件を展開していて、来年の2月からは世界14都市でも展開を予定しております。

櫻井:ありがとうございます。続きまして中島様、お願いいたします。

中島 みきさん(以下、中島):面白法人カヤックの中島と申します。私たちの会社も、私の住まいも鎌倉にございまして、今日も鎌倉から参加させていただいています。私たちの会社の取り組みとして、サイコロで給与を決める「サイコロ給」だったり、社員の顔をモチーフにした漫画名刺などをよく話題にしていただくのですが、日頃取り組んでいることの全てが「つくる人を増やす」という私たちの経営理念に繋がっています。今日は私自身が取り組んでいる事業のお話しをさせていただくのですが、ぜひ私たちと関わったみなさんが、今度は「つくる人」になっていただくような、そんな社会がつくれたらいいなと思っております。

櫻井:中島さんが取り組んでいらっしゃる事業についてもご紹介いただけますか?

中島:ちいき資本主義事業部の事業部長を務めています。部署名に「資本主義」というワードが入った不思議な部署なんですけれども、これは私たちが掲げている「ちいき資本主義」という考え方に紐づいていて。地域の経済を潤すことを直接的にやっていくのではなく、地域の社会的資本、人と人のつながりをつくっていくことで環境や文化を大切にするようになり、最終的にまちに愛着を持つようになるのでは?という壮大な仮説を持っています。これをいろいろなまちの方々とご一緒して取り組んでいるのが私たちの部署です。

櫻井:ありがとうございます。最後に松浦様、よろしくお願いいたします。

松浦 弥太郎さん(以下、松浦):エッセイストの松浦弥太郎です。『暮しの手帖』の編集長を9年ほど務めてから、現在は「おいしい健康」という、管理栄養士監修のレシピと献立系アプリサービスのスタートアップで役員をしながら、ほかにもさまざまな企業のアドバイザーをしています。本業のエッセイストとしては、これまでに80冊を超える著書を刊行し、最近ではこれからの時代のあたらしい生き方と価値観を示した『エッセイストのように生きる』という新刊があります。

櫻井:ありがとうございます。個人的にも、松浦さんのご著書は何冊も読ませていただいています。モデレーターではありますが、私も簡単に自己紹介を。三井不動産レジデンシャルの事業創造部という部署で「n’estate(ネステート)」というプロジェクトのチームリーダーを務めています。すまい方、働き方が多様化する時代に、くらしのあり方をもっと自由にするための新規事業で、ライフスタイルや家族のかたち、ライフステージの変化に応じて、都市の便利さも、自然の開放感やローカルの心地よさも、人生の選択肢に気軽に取り入れることのできるくらしを目指して、全国にさまざまなタイプの滞在拠点を拡大中です。

AIとの付き合いかたを考えることは、自分のくらしを見つめ直すこと。

櫻井:さて、いよいよ本題に入って参りましょう。改めまして本日のトークテーマは、AIの時代の到来が今後くらしにどのような影響や変化を与えていくのかということで、まずはお三方それぞれに異なる立場から感じているAIのあるくらしについて語っていただければと思います。中島さん、いかがですか?

中島:世の中が新しいフェーズに変わってきているタイミングであるということは、私たちが事業に取り組む中でも、常日頃から感じています。例えば、最近ではChatGPTであったり、ものを探す手段もより一層便利になってきていますよね。これまでは比較的バーティカルな(特定のカテゴリやトピックに焦点を絞った)検索の手法だったのが、最近では単一ワードではなくて、長い文章だったりセンテンスで検索をして、ストーリーや考えかたといった切り口から調べることができる。調べ方によって、さまざまな回答が返ってくるようになる。情報の量はもちろん、欲しかった情報の質や網羅性も高まってきていると思います。

そうやってAIをはじめ、テクノロジーをどんどん利用していくことで情報を摂取しやすくなっていくだろうと思う反面、逆に「しっくりこないな」と思うことも増えるんじゃないかなと。それはテクノロジーが未熟だということではなく、自分への問いかけだと思うんです。変わっていくもの/変わらないものという観点で見ると、その「しっくりこないな」と思えることが改めて自分が何者なのかを考えるスタートラインになったりもする。そのきっかけづくりという観点で、今私たちはとても面白い局面にいるなと感じています。

櫻井:テクノロジーを上手に活用していくなかで覚える違和感が、じつは自分にとって揺るぎない、本質の部分だったりするのかもしれないということですね。松浦さんは、どのように感じていらっしゃいますか?

松浦:2023年ということで考えると、ChatGPTや画像生成AIなどが話題になり“AI元年”などと取り沙汰されていますが、それらはあくまで経済圏のなかで言われているものであって、生活者にとってAIというものは、言葉には聞くけれども、現時点では実際にどうやって使ったらいいのか分からないという人がほとんどだと思うんですよね。それに、現状ではChatGPTを使おうとすると月額数千円の課金が必要だったりと、コストが常に付いてくるという部分でも、まだまだリアリティがないのかなと考えたりします。

あとは、テクノロジーが何か困りごとを助けてくれたり、答えを出してくれたり、安心を与えてくれるかということになってくると、注意しなければいけないのは個人が孤立していきやすい社会でもあるということ。人と話さなくてもいいとか、自分に好ましいものしか受け入れない生活になってしまうとよくない。そういうノイズみたいなものも、人間の成長や学びにはやっぱり必要だったりするじゃないですか。
だから自分がAIというものをどのように使っていくかということを、先ほど中島さんがおっしゃっていたように、これからの働き方や生き方を考えていく上で、自分はどうしていけばいいのか、どうして生きていくのかということを、各々がしっかりと答えを持つべきタイミングに来ているんじゃないかなと思いますね。あとは、AIやテクノロジーに不慣れな人の社会はどうなるのかとか、その辺りもきちんとすくっていかないといけないと思います。

櫻井:たしかに、いかにテクノロジーを使いこなせるかどうかがリテラシーであるような風潮もあるように思いますが、「本当にそうなのかな?これでいいのかな?」ということを見極めながら対応していく必要があるというのは、私も感じました。近藤さんの見解も、ぜひお聞かせください。

近藤:AIやテクノロジーの発展によって、ここ5年ぐらいはずっと最適化社会に向かっていますよね。人々が検索をするということが少なくなってきて、基本的にはサービサー(サービスを提供する側)がユーザーのデータを分析してレコメンドしていくような動きが、食やエンタメなどあらゆるサービスで主流になっています。大局観としては、ユーザーが思考せずにサービサーの思惑でレコメンドされたものを利用していくような社会になっていくように感じています。

櫻井:それがいいのか悪いのかはさておき、そういった社会の流れは顕著に現れていますよね。今後そういったAIやテクノロジーをくらしに上手に取り入れながら、ライフスタイルをアジャストしていくことにおいて我々に何が必要となってくるのだろうということも、ここから先でお話しできればと思います。

テクノロジーが「時間」を生み出す未来、必要なのは「暇」になる勇気。

松浦:プラスに考えると、これまでできなかったことができるようになったり、短い時間でできたりすることで「時間」が余るようになると思うんですよね。そこで生まれた時間をどうやって、何に使うかということが、これからの生き方の非常に重要な観点になると思っています。それが、ワーカホリックな思考に寄ってしまうと、僕らは便利なものを手に入れたおかげでさらに忙しく、疲れていく、そんな怖さはありますよね。人間にとっては、ぼんやりするとか、非生産的なことに時間を使うことも必要ですよね。そのなかで、生産的なことが生まれることもあるじゃないですか。

櫻井:松浦さんのおっしゃる通り、本来テクノロジーの発展によって生まれたプラスの時間は非生産的なことだったり、自分自身をモチベートする何かに振っていくべきだと思うのですが、なかなかそれが難しい。私も会社に入って15年ぐらい経ちますが、その間にパソコンやスマートフォンも進化して、だいぶ便利になってきているはずなのに、総業務量が減っているかというと、そんなに減っていないんですよね(笑)。

近藤:可処分時間がどんどん増えていくという話では、きっと30年後の人間って、今よりも絶対に暇だと思うんですよね、それは歴史が繰り返していて、昭和の人がやってきたことの当時の1/3ぐらいの時間でできるようになったわけじゃないですか。それに加えて、彼らが全くやっていなかったことを僕たちはやっている。同じように未来を繰り返していくと考えたとき、事象に対する必要な所要時間が減っていくとして、そこに対して何かやらなきゃと新しいパスを出すんじゃなくて、未来の人間たちはテクノロジーを使って“暇になる勇気”みたいなものが今後必要になってくるんじゃないかなと思います。

中島:暇になっていくことは、もしかするとリスキーな部分もあるかもしれませんよね。先ほど櫻井さんが「便利になって時間ができたはずなのに、業務量は減っていない」とおっしゃっていましたが、私もついついスケジュールを詰め込んじゃうタイプなので「私、もしかしてこの仕事がパタっと終わったら突然暇な人になる?」と思うときがあったりします。ライフステージが変わった時に突然暇になってしまう、大きな差ができてしまう可能性がある。そういう急激な変化が起きないようにするためにも、例えばいろんな場所でくらしてみたり、いろいろな方々と繋がり合ったりすることが、人生において伏線を張るという意味でもすごく重要なんじゃないかと思っていて。それがまさにこのテクノロジーが進化したことによって「複数の自分がいる」ような状況をつくれるんじゃないかと、不安とともに期待も併せ持っています。

松浦:そうですね。時間がたくさんできました、さて何をするかというときに、ゴロゴロと昼寝をするんじゃなくてということだと思うんです(笑)。自分がどことリンクしておくか、何をシェアするのか、所属する場所のようなものがたくさんあればあるほど、生産的ではないかもしれないし、仕事とは離れるかもしれないけれど、自分の空いた時間を、豊かで楽しいことに使える。
ですので、AIやテクノロジーが進化すればするほど、人間はさらに人間的になっていくと僕は思います。「人間とは、幸せとは、豊かさとは、楽しさとは何だろう」みたいなことを自ずと考えざるを得なくなるので、僕らのライフスタイルが変わっていくことで“仕事命”だった人間が“生き方命”に変わっていくような、そんなポジティブ未来を、僕は考えていきたいなと思っています。

櫻井:複数の自分がいるような状況、というお話に関連すると、私も「n'estate」でいろいろな研究や調査に触れるなかで知ったのですが「人は、所属しているコミュニティの数が多ければ多いほど幸せである」という学説を唱えている方もいるんです。今のみなさんのお話のように、人生のセーフティネットみたいな拠点やコミュニティがいくつもあるということが、今後自由な時間が増えていくなかで、より充実した人生を過ごすために必要になってくるのかなという気がしました。

AIは“親切”の技術。上手に活用することで、未来をもっと人間味あふれる社会へ。

櫻井:さて、ここまでAIやテクノロジーが発展すると、未来は一人当たりの自由な時間が増えていくんじゃないかという話をしてきました。ここからは、そのような世界観を見据えた上でみなさんがこれからどういった取り組みをしていこう、発信していこうとされているのか、それぞれにお話を伺えたらと思います。まずは中島さん、いかがでしょうか?

中島:私たちが今、実際に取り組んでいる事業で「まちのコイン」というサービスについて少しお話しさせていただきます。
コインといっても法定通貨をやり取りするものではありません。運営団体、自治体の方々を中心にまちの加盟スポットやユーザーとなる市民の方、関係人口としてまちにいらっしゃる方々がこのコインをきっかけに、法定通貨、つまり実際のお金には変えられない出会いや関わりが生まれる世界観をつくっています。
2020年からスタートして、当初は地域内のつながりの強化や、関係人口の拡大による地域の活性化という文脈で導入いただくことが多かったのですが、導入後の事例を見ていると、地域共生社会をつくっていく、つまりは社会的孤立の対策としても可能性があることがわかってきたんです。

例えば「まちのコイン」を利用して、近所のお店にチェックインするような感覚でまちを練り歩くところからはじめてみたり、そこからだんだんと会話が生まれて、顔見知りになる、町内会のイベントに参加してみる。地域のつながりと言われて、いきなり「はじめまして」と声を掛けるのは難しくても、テクノロジーがあるからこそ、人と人の関わりかたのきっかけを探れるようになってきているんです。
こういった取り組みを通じて「一人ひとり、自己責任の社会だ」といった風潮に対してのアンチテーゼのような動きになればいいなとも思うし、それこそ新たな技術を活用しながら広げていきたいと思っています。

櫻井:ありがとうございます。個々人がコミュニティの外に出ていくとか、あたらしいコミュニティに接続するとか、そういったきっかけを地域通貨が担っているという具体的な事例から見られるお話ですね。過去の事例に基づいた客観的なデータからわかってきていることなので、より証明しやすいという部分もテクノロジーを活用してこそですよね。

松浦:今の中島さんの話を聞いて、ちょっと感動しちゃいました。素晴らしいですよね。僕は、個人的な活動の根幹として、お守りのように大切にしていることが言葉あるんです。たしか2012年のロンドン五輪のときだったかな。P&Gがアスリートのお母さんを題材にした“The hardest job in the world is the best job in the world.”というメッセージがあって。「世界で一番大変な仕事は、世界で一番ステキな仕事です」という意味。僕はこの言葉がすごく好きで、どんなにテクノロジーが生活の中に浸透したとしても、人間として「一番すてきな仕事」を手放してはいけない。このことをコツコツと言語化してみたり、いろいろな活動と表現でこれからも発信していきたいなと思っています。

櫻井:苦労をいとわずに、厳しい仕事であればあるほど価値がある、という思想ですね。

松浦:そうですね。仕事の方法としては、生成AIやテクノロジーを活用してもいいと思うんですけれど、やっぱり一番大変な仕事っていうのは、じつは世界で一番すてきな仕事なんだよということをひとつのお守りとして、こういう言葉を大事にして、シェアしながら励まし合っていけるといいなと思っています。

櫻井:近藤さんは、いかがでしょうか?

近藤:僕たち「Unito」は「くらしの最適化の追求」というビジョンを掲げています。今は“リレント(Re-rent)”という家賃のイノベーションを起こし、すまいを頻繁に留守にする人に対して家賃を抑えるソリューションを提供しています。スタートアップという業態でビジネスを行っている以上、マイナスをゼロにするという、わかりやすい課題解決を掲げたほうが世の中に浸透していきやすいので、多くの人が毎月支払うものにも関わらず、すごく商慣習が厳しい家賃に取り組んでいます。リレントのような一人ひとりのライフスタイルに寄り添った仕組みを提供することで、その人が自分自身に合ったくらしをし、将来的には“地元”をたくさん持てるようになる。先ほどの「複数の自分」の話にもつながりますが、ひとつの拠点で家賃負担を減らすことで、もっとたくさんの地域に“地元”をつくれるような、そんな世界観を目指しています。

櫻井:私も「n’estate」の都市型拠点(賃貸マンション)で、「Unito」と一緒に組んでサービス提供をさせていただいているのですが、私たちのプロジェクトでも「都市と自然」や「都市とローカル」といった境界線を上手くかき混ぜられるような事業にしたいと思って、日々活動しています。

先日、養老孟司先生とお話をさせていただく機会があったのですが、「数十年前の都市部でくらしていた方々は、基本的には地方に自分の故郷があって、そこから出てきてくらしている人がほとんどだった。それが現代では、都市部で生まれ育った“故郷を持たない人”がすごく増えているんだよね」と。養老先生ご自身は鎌倉と箱根、ふたつの拠点を使いこなしながらくらしておられるのですが、先生の言葉をお借りすると「そんな世の中だからこそ、こういった(自由にくらしを選択し、行き来できるような)世界観をデベロッパーが率先して供給していかないと」と、激励いただいたことを思い出しました。

さて、そろそろセッションの残り時間もわずかとなってまいりました。今後、AIやテクノロジーの発展により、私たちのくらしや日常が徐々に変化していくなか、みなさんが見据えるビジョンや伝えたいメッセージがあれば最後にお願いします。

中島:私は、私たちの経営理念である「つくる人を増やす」という言葉が大好きなので、みなさんがつくり手になることで社会を“自分ごと”化できるようになると、社会をもっと楽しめるようになるはず。その世界観をテクノロジーと一緒に実現していくことで、もっともっと楽しさが広がっていくといいなと思っています。

櫻井:これからが、ますます楽しみですね。近藤さんは、いかがでしょうか?

近藤:僕たちは「日本の新しい暮らし方」をつくっていきたい。働き方が多様化して、くらし方もどんどん自由になっていくタイミングだからこそ、あたらしいくらしをつくることが、あたらしい町、その先のあたらしい未来をつくることにつながると思っています。日本という国が、自分のライフスタイルを前提に、自分の居場所を選択できる国であってほしいと願っているので、ますます頑張っていきたいなと思っています。

櫻井:ありがとうございます。松浦さんからも、よろしくお願いします。

松浦:AIやテクノロジーが何か、ということを考えていく上で思いついたのが、一言で言うと「親切の技術」。要するに、生身の人間に対して、いかにいろいろなおせっかいや親切をしていくかということの追求だと思ったんです。そんなおせっかいを受け取る私たちが忘れちゃいけないことは、それによっていろいろなことを失っていくのでも、退化するのでもなく、人と人が生かし合うための知恵とか工夫を大切にしている社会になればいいなと。

例えばものづくりも、思考のプロセスや美意識、感覚といった人間味が感じられないものには、人は関心を持ったり信用できなくなっていくんじゃないかと思うんですよね。本来、表現には個性があるべきで、それがAIやテクノロジーが正しく機能して、シェアしたり、つながったり、いいかたちで「さらに人間らしいくらし」というものを手に入れることができると信じています。

櫻井:最後に、すてきなビジョン、メッセージをそれぞれお聞かせいただくことができました。今回のセッションを通じて、AIやテクノロジーとともにある未来のくらしについて、みなさんがあたらしい視点や、好奇心を持つきっかけになればとてもうれしいです。みなさん、ありがとうございました。

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