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自律神経を整えよう

よく自律神経失調症って聞くと思います。自律神経は生きていく上では欠かせない生体反応(呼吸や発汗、血流など)を自動制御している神経のことで、交感神経と副交感神経に区別されます。失調症と呼ばれる場合は、この自動制御がおかしくなっている状態です。自動制御がおかしくなるといろいろな変調が起こるので整え方を覚えおくといいかもしれません。

交感神経

交感神経は一言でいうとスイッチONの状態で、よく【闘争と逃走の神経】と呼ばれます。野生動物でいうと、敵に遭遇し、戦うか逃げるかという状態です。

交感神経は闘争と逃走の神経なので、基本的には身体は興奮します。血管が収縮し血圧が上昇、心拍数も上がり発汗が促されます。筋肉は緊張しやすくなり、腸の働きや排泄は抑制されます。

副交感神経

逆に副交感神経はスイッチOFFの状態。休息やリラックス時に働く神経です。血管は拡張し血圧が下降、心拍数は安定し発汗は抑えられます。筋肉は弛緩しやすくなり、腸の働きや排泄は促進されます。

消化機能を促進させたり筋肉の緊張が取れるので、食事や休息をとるときには優位にさせたいです。ですが、休息しているつもりでも交感神経が興奮している場合があるので注意が必要です。

理想のバランス

交感神経と副交感神経は身体の機能を保つために真逆の働きをしますが、この二つのバランスがとても大切です。一日中興奮しっぱなしでもダメだし、緩みっぱなしでもダメだし。理想のバランスは1:1と言われています。仕事中や緊張感を持つときは交感神経優位、食事や休息や夜寝る前にゆっくりする時間は副交感神経優位となるのが理想です。

自律神経は外部からの影響をかなり受けます。光、音、気候、色などの体に入る刺激が強いと交感神経優位になりがちです。季節の変わり目や環境の変化によって体調がすぐれなくなる方は、自律神経への刺激が強いのかもしれません。

そして副交感神経は加齢とともに機能が低下し、男性は30歳、女性は40歳を過ぎた辺りから急降下します。年齢を重ね怒りっぽくなる人はこういった要因もあります。

バランスチェック

ここで、自律神経のバランスが乱れているかチェックしてみましょう。どのくらい当てはまりますか?

・イライラやカッとなりやすい
・夜なかなか寝付けない
・急に汗をかく
・気づくと肩に力が入っている
・動悸や息切れがする
・仕事中休憩時間がないもしくは早食いする
・疲れやすい
・集中力が続かない
・ボーっとして考えがまとまらない
・やる気が出ない
・寝ても疲れが取れない
・季節の変わり目に体調を崩しやすい
・くよくよして抜け出せない

どうでしょう?当てはまるのが、1~2個でも自律神経のバランスは崩れ気味です。5個以上で、かなり自律神経のバランスが悪くなっていて、身体への負担が大きい可能性が大です。
そんな方は次の方法を試してみましょう。

整え方

自律神経を整える方法をいくつか紹介します。

・深呼吸をする
深呼吸には興奮を抑え、リラックスさせる効果があります。鼻からゆっくりと吸い、口から細長く吐きましょう。理想は4秒で吸って、8~10秒で吐く。何度か繰り返すと緊張状態が取れてきます。逆に興奮させたい場合は、短く浅い呼吸を繰り返すと体にスイッチが入ります。寝る前や休憩時に2~3分深呼吸するだけでも余分な力みが抜け、リラックスできます。

・光、音を調整する
先ほど自律神経は身体の外からの影響をかなり受けると言いました。白や赤、強い光は交感神経を優位にさせます。青や緑、間接照明などの淡い色は副交感神を優位にします。音も激しい音や速いリズムのものは交感神経を優位にし、自然の音(水や風、葉の揺れる音)やゆっくりとしたリズムのものは副交感神経を優位にします。ライブやコンサートでは興奮して盛り上がり、カフェなどに行くとゆったりとした気持ちになりませんか?それは環境が自律神経に作用しているからなんです。

・ゆらぎを感じる
ゆらぎ?と思う人も多いかもしれません。ゆらぎとは自然現象にもみられる事で、ろうそくの炎の揺れ、小川のせせらぐ音、木の葉の揺れたときの音、そよ風、花の匂いなどがゆらぎです。ゆらぎの逆は、狭い部屋にいたり、閉鎖された空間の中にいること。息が詰まったり肩に力が入り固まっていくようなことです。電子機器や家電に囲まれた生活や、狭いところに長時間いると交感神経が優位になります。ですがゆらぎを感じると、神経の興奮が抑えられ、リラックスして感覚が研ぎ澄まされるように感じます。そうすることで副交感神経が優位になり自律神経のバランスが取れます。
ゆらぎを得るためには、自然と触れ合い、太陽の光を浴び、水の音を聞き、花のにおいをかぐことが効果的なので、疲れがたまっている方は散歩をしてみてはいかがでしょうが?

・自律神経に効くツボ
労宮:ろうきゅう
手のひらにあり、手を握った時の中指の先端が当たる場所にあるツボ。痛気持ちいいくらいの感覚で刺激すると緊張が解けて力を抜くことができます。

ろうきゅう

内関:ないかん
手首の横シワから3横指下にあるツボ。動悸や息苦しさなどに効き、呼吸がしやすくなります。ストレスがかかっている人はカチカチになっていることが多いところです。ツボ押ししなくても、軽いマッサージで緩めても効果があります。

ないかん

百会:ひゃくえ
頭のてっぺんにあり、両耳と鼻の延長線が交わるところにあるツボです。
ストレスやイライラを感じているときは、ここを刺激しながら深呼吸すると落ち着きやすいです。頭痛が起きているときにも効果があるツボです。

百会

結局バランスが大事

自律神経(交感神経・副交感神経)は身体の制御をする神経なので、バランスが大事です。興奮しすぎても、リラックスしすぎてもいけません。偏ると、身体の機能も偏ります。機械や道具は、間違った使い方や過剰に使うと壊れますよね?人間の身体も同じです。仕事し過ぎたり、考え過ぎたり、気にし過ぎたり、食べ過ぎたり、休み過ぎた場合、ある程度は回復しますがそれにも限界があります。限界は人それぞれですが、何かが過ぎていると身体は不調やサインを出します。見逃さないようにするには、深呼吸してリラックスし、身体の温度や力の入り方を感じる必要があります。休日だけでもいいので自分の身体のサインに耳を傾けてみてはいかがでしょうか?


Amanoteでした

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