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【歴史22】ベトナム史備忘録14(国家意識・粤甸幽集霊・大越史記・大越史記全書・字喃)

ベトナム史の学習内容を深めていきます。

①モンゴル侵略によって文化面に変化をもたらした。大越では巨大な敵を倒した「我ら」の国柄が意識されるようになりモンゴル撃退に功績があった各地の神々を称える『粤甸幽集霊』(ベトディエンウーリンタップ)が作られた。

②陳朝の官僚である黎文休(レーヴァンフウ)によりベトナム最初の歴史書である『大越史記』(ダイベトスーキー)が書かれた。『大越史記全書』(ダイベトスーキートアントゥー)では自分たちの国は中国に対峙する南国であるという自意識が見られる。

③李朝が宋軍を撃退した時に兵士たちが「李朝は中国の一部ではなく北国とは異なる国土と皇帝の存在する独自の国である」という神の声を聴いたと書かれている。

④モンゴル軍と戦って捕虜となった王族の陳平仲(チャンビンチョン)が安南国王になる事をもちかけられた際に「南の鬼になろうとも北の王にはなるまいぞ」といったエピソードが残っている。

⑤漢字を応用した独自の文字の字喃(チューノム)はこの時期につくられた。

⑥モンゴルと戦って撃退した大越のエリートたちは自分たちは北の中国とは異なる歴史と伝統をもつ特別な存在であるという意識を強く持つようになった。

■参考文献 『1冊でわかるベトナム史』岡田 雅志 河出書房新社

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