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社会人になっても管楽器を続けるためには中高時代の部活の延長にしないことです。

吹奏楽部に所属していると、決まった日の決まった時間になれば自動的に(強制的に)楽器を吹くことになるわけですが、学校を卒業して社会人になると、例えば所属している楽団の練習は定期的にあるものの、それは基本的に合奏をするために集まっているので、いわゆる個人練習のための時間や場所は自分で確保しなければならなくなります。

以前から言われていることですが、日本には吹奏楽経験者がとても多く、楽器を所有している人もかなりいるはずですが、高校卒業と同時に楽器も卒業してしまう人が多い理由のひとつにこの個人練習問題があると思っています。
多くの場合、家の中で管打楽器の練習ができる環境が整っていないと思いますし、お仕事や勉強などで音を出す時間が確保できない方も多いことでしょう。

可能であるなら管楽器を続けたいと思っていても、部活の時のように毎日数時間、本番前は朝から晩まで練習をしなければならないと考えたら到底そんなの無理だ、と考えてしまう方もいらっしゃるかもしれません。

確かに何かを身につけたり、形にするには、どれだけ効率的に行ったとしてもある程度の時間が必要です。しかし、部活動の圧倒的な練習時間の多さが(近年はかなり縮小してしまいましたが)社会人になっても同じくらい必要であるとは思えません。
活発な社会人バンドに所属して吹奏楽コンクールで全国大会を本気で目指すのであれば生活の中で楽器の練習を優先事項に入れなければならないかもしれませんが、ゆるく長く楽しく楽器を続けていたいと言うのであれば、例えば一週間に1回、短時間楽器に触れるだけでも大丈夫だと思います。

その際、音出しができる時間でどのようなことをすれば良いか、という部分だけ少し具体的に決めていられればなお良いですが、その前提として吹いていて楽しいことが最優先でありたいので、あまり真剣になりすぎる必要もないと考えます。

よくも悪くも部活動は真剣すぎるきらいがあります。それが悪いわけではありませんが中高生の頃に初めて管楽器に触れたその時の環境や雰囲気はどうしても印象として強く残ってしまうわけで、「管楽器とは、吹奏楽とはそうあるべき、そうでなければ成立しない」と思い込んでしまうのも仕方がない面もありますが、やはりそれは偏っています。

ですので、部活の時のイメージを引き継がず、大人になったらまた違ったスタイルで楽器に触れ続けていってほしいな、そんな人がたくさんいたら嬉しいなと思っています。


荻原明(おぎわらあきら)

荻原明(おぎわらあきら)です。記事をご覧いただきありがとうございます。 いただいたサポートは、音楽活動の資金に充てさせていただきます。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。