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世界一周準備メモ番外編:これまでいったところ(ヨーロッパ編3)


サグラダ・ファミリアが話題になっている今こそ、公開すべきときかなと思いましたので。

■スペイン

スペインのチュロスは甘くない。とびきり甘いホットチョコレートにつけて食べる。

・バルセロナ
寝台列車でスイスから入った。
ベッド付きの券はあまりに高く、バスよりは少しは落ち着けるか、という広さの普通の座席を予約した。

正面の相手と少し距離があるボックス席だった。向かいは、恰幅のよい男性と、その人の連れと思しき女性だった。女性は、男性に対して横向きに座り、自身の脚を男性の脚の上にのっけていた。

私達は何もかもが不安で、突然、乗車時に係の人に預けたパスポートのことも気になり始めた。「あれって、いつ返してもらえるんだろう?」「そもそもあの人は本当に係の人なのか?パスポート盗まれたのではないか」

盗まれたらどうしよう…この旅で一番楽しみにしていたスペインなのに…。

私は係の人を探して、ずんずんと列車の中を進んでいった。一つ前、二つ前、三つ前の車輌までやって来たところで、見覚えのある顔の女性がいた。私は急いで、頭の中で使い慣れないスペイン語を組み立てる。

「パサポルテは、いつ返してもらえますか?」
女性は笑って、「明日の朝返しますよ」と答えた。なぜかここで、「この人は偽物ではない」と思った。

「どこから来たんですか?」と女性も私に質問する。「5号車からです」と私。「ありがとうございました」と続けて、踵を返した。

帰国してから、あれはきっと、ホーム車輌じゃなくてホームカントリーを聞かれたんだ、と気づいて恥ずかしくなった。



私は「かわいそうなアーティスト」が好きだ。不器用な人が好きだからかもしれない。私はずるい人が嫌いで、不器用な人にはずるくない感じがする人が多いからだろう(なぜか私は、不器用でもありずるくもある)。

そんな訳でガウディが好きで、サグラダ・ファミリアとカサ・バトリョに行った。



私はカサ・バトリョが好きだ。

青とタイルが素敵だから。


屋上で空がひらけるまでの、過程もいい。

カタルシスがある。

サグラダ・ファミリアについて考えるとき、一番に思い出されるのはパエリアだ。

外国旅行で一番難しいのは、「そこそこの値段でおいしいものにありつくこと」だろう。地元の人が行くお店に行け、とよく言われるけれど、それにはうろうろする必要があって、方向音痴の私にはハードルが高い。
また、地元の人向けの店というのは勝手がわからないのだ。知らない人に話しかけるのは勇気がいる。はやっていて忙しそうな店なら、なおさらだ。

なんだかよくわからぬままに入ったその店は、サグラダ・ファミリアの近くにあった。

私達はお金を節約するために、水を頼まなかった。ところが、水が運ばれてきたのだ。「頼んでないですよ?」と聞くと「サービスですよ」と店員さん。どこから来たのか尋ねられて、今度こそ「日本から」と答える。店員さんは、自分は中国人だと言った。「スペイン語上手ですね」と言われて、にやにやする私。私は中国語が話せないし、彼女もきっと日本語が話せないけど、私達はスペイン語で話せた。

きっと料理人も中国の人だったんじゃないか。お米は、ふっくら、しっとりしていた(あるいはそういうものなのか?)。


サグラダ・ファミリアそのもので思い出すのは、とっても工事中だったこと。
あとは、ケチって、課金が必要な上の方のスペースに行かなかったのは、やっぱりもったいなかったような気がすること。



コンクリートで創り進められるのはなんだか悲しいけど、出来上がったあの建物からどんな音がするのか、生きてるうちに聞いてもみたい。

受難のファサードはきらい!


・フィゲラス

私はフィゲラスのダリ美術館に行きたくてスペイン語の勉強をはじめたようなところもあるのだが(スペイン語が話せないとスペインに行けないと思っていた)、実際に行ってみると、本当にここが私の求めていた美術館なのかわからなかった。壁にパンのモチーフが貼ってある美術館に行きたかったのに、パンが貼ってなかったからだ。

↑このパンのモチーフがいっぱい貼ってある、ピンクの壁がある美術館に行きたかったのだが…。

中学生くらいのときから何度も観ていた画集に載っていた絵。

メイ・ウエストの部屋、かわいい。

せっかくなので横から撮った。

私が生まれるだいたい3ヶ月前にダリは死んだので、私達は一回も同じ空気を吸っていない。

パリのダリ美術館にも行ったので、友人は完全にダリに飽きていた。私は、互いのために、ダリが好きな人とくるべきだったと思った。

・マドリード

予約していた宿になかなかたどり着けなくて、あと5分で見つからなかったら爆発するんじゃないかと思うほど友人がイライラしていた(だからなのか、マドリードの写真はえらく少ない)。
やっとたどり着いた宿では、心細い薄さの壁で囲われた貧弱な部屋があてがわれた(それでも1泊5000円くらい)。隣の部屋のテレビの音が聞こえた。

絵は、大きいというだけでものすごく意味があると、「ゲルニカ」をみて思った。

友人と美術館ではぐれて、それでも私は「我が子を食らうサトゥルヌス」を観ていた。部屋も暗くて、私も飲み込まれそうだった。

スペインで食べた一番おいしかったものは、マドリードの市場にあった牡蠣だ。どうせもう帰国するんだからお腹を壊してもまあよかろう、ということで2つ食べた。

なぜかわからないが、バルセロナのときよりもうまくスペイン語でやり取りできるようになった気がした。牡蠣売りのお兄さんとも何か楽しい話をしたのだ。

内容は、忘れた。

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