見出し画像

学力格差が生まれるのは誰のせい??〜付属中学校実習と子ども食堂での経験から〜


 社会のせいだと思います。

 私は子ども食堂で学習指導員をしています。そこにはお世辞にも学力が高いとは言えない子どもが多く通ってきます。特に中学生は深刻で、取り返しがつかないほど勉強が遅れている子もいます。小学生の内容からつまづいてしまっているのです。

 一方で、とんでもなく学力が高い中学生もいます。付属中学校の生徒たちがそうでした。私は付属中学校で実習させていただいたのですが、子どもたちの学力の高さには本当に驚愕させられました。私が「少しレベル高すぎるかな」と思って作った難しい授業にも簡単についてきます。普段子ども食堂で教えていることもあってこの差には本当にびっくりしました。

 ここで問題提起です。この学力の差は子どもたちの努力の差でしょうか?親の努力の差でしょうか?私はどちらでもなく、ただただ環境の差だと思っています

 印象深いエピソードがあります。付属中学校での出来事です。昼休みの時間、子どもたちの話を聞いていたら、「俺この前アメリカ行ったんだけどー」という話が聞こえてきました。すると周りの子達が「私も(外国)に行ったよー」と言い合っていました。

 中学生の時点で外国に行ったことのある子どもたちはどれほどいるのでしょうか。そしてそう行った子どもたちが多数を占める集団なんてどれだけあるのでしょうか。子どもを連れた海外旅行なんて、相当経済状況にゆとりがないとできないはずです。このことから付属中学校には高所得の親を持つ子供が比較的多いと考えられます。

 一方で、子ども食堂に通っている子どもたちはどうでしょう。高所得の親がいればそもそも子ども食堂に来る必要はないはずです。学力を上げたいのなら塾に通わせる方が安心でしょうから。この事実からも子ども食堂に通う中学生は付属中学校の生徒と比べると低所得の親を持つ子供が比較的多いのだと考えられます。

 親に経済的なゆとりがあれば、子供に高水準の教育を受けさせてやれます。しかしその日暮らしていくのが精一杯であれば、子供に教育を受けさせるどころか子供が家事を多く担わせなければならなくなります。高水準の教育を受けられる子供家事を担わなくてはならない子供。両者に学力差がつくのは必然だと思います。

 この現状を見ても「勉強なんて塾にいかなくても努力さえすれば、一人でもできる!!」という人がいます。きっとその人には塾などに通わずに一人で学力をあげたという成功体験があるのでしょう。それ自体はすごいことだと思うので否定はしません。しかし、この学力差問題の根深いところはその「努力さえすれば」という部分さえ格差を生むことだと思っています。

 高所得者は高学歴である場合が多いです。だからその人が親になると子供に「勉強のノウハウ」を教えてやることができます。自分の成功体験があるからです。その結果子どもは「勉強習慣」を身につけ、自分も高学歴になっていくんです。

 一方で低所得者はどうでしょう。低所得者の中には中卒の人も少なくありません。そしてそのような人達の親も低学歴者である場合が多いです。このような環境で自分の子供に「勉強のノウハウ」なんて教えられるでしょうか?。子供に「勉強習慣」は身につくでしょうか?私は極めて難しいと思います。このような習慣による格差を便宜上「習慣的格差」と呼ばせていただきます。

 先ほどの「勉強なんて塾にいかなくても努力さえすれば、一人でもできる!!」という主張は、自分がある程度の「勉強習慣」を身につけさせてもらったから言えることです。私自身、塾には行っていませんでしたが親のおかげで知らず知らずのうちに「勉強習慣」がついていました。

 こんな浅はかな主張、誰がしていたかって??大学生になってばかりの俺ですよ?。マジでぶん殴ってやりたいです。

  「経済的な格差」に加えて「習慣的な格差」も存在することから、「学力格差」が生まれるのはコーラを飲んだらゲップが出るくらい当然のことのように思えます。

 私は最初にこのような格差が生まれるのは誰のせい?という疑問に対して社会のせいだと答えました。これはまさしく「経済的な格差」や「習慣的な格差」を生む社会のせいである、という意味です。特に「経済的な格差」は「習慣的な格差」を生むという意味でも最も根深い問題だと思います。

「経済的格差」があるから「学力格差」が生まれ、「学力格差」があるから「経済格差」が生まれるんです。負のループなんです。

 だから「経済的な格差」か「学力格差」どちらかを是正しなければ、この負のループは終わらないんです。

 私はこのような格差をなるべく小さくしていきたいという思いで、子供食堂で勤務しています。しかし、私にできることなど微々たるものです。毎日自分の非力さを痛感させられます。

 子供たちははっきり理解していなくても、なんとなく「負のループ」を実感しているんだと思います。だから、子供達は必死に頑張っています。必死に頑張っているのですが、小学生の時から蓄積した「格差」を前に打ちひしがれ、自分に自信を無くしてしまっています。私はこのような状況に怒りを覚えます。何もできない自分に対しても、この子たちを救ってやれない社会に対しても・・・。

 この問題は個人で解決できるものではありません。社会全体でこの問題に向き合い、解決方法を探っていかなくてはなりません。子どもは未来です。教育に携わる人も、そうでない人もぜひ、この問題について考えて欲しいと思っています。

 だから私はこの現状を発信していこうと決めました。私にはたくさんの人に見てもらえるほど影響力はありません。しかし、少しでも多くの人にこの状況を知っていただければと思います。

 次の記事では私なりの学力格差是正の方法を述べていけたらなと思います。

 次回の記事です!!よかったら、読んでみてください!

 ここまで読んでくれてありがとうございました!!





この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?