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【ゲーム開発】5チーム100人対戦のレベルデザイン ~第1回「コンセプト理解編」~

皆さん、こんにちは!私はトイロジックの開発部企画課に所属しているOです。私は昨年1月にリリースした『Warlander』の最大100人で遊べる「5チームバトルロイヤル」のレベルデザインを担当しました。

今回、連載形式でこのモードのレベルデザインの作成過程を皆さんにご紹介できればと思います。


レベルデザインのフロー

5チームバトルロイヤルのレベルデザインをするにあたり、まずは完成までのワークフローを決めていきます。大まかなフローは以下の通りです。

  1. 目指すべきコンセプトの理解

  2. ステージ全体のプロトタイプ設計

  3. 各エリアごとの詳細設計

  4. ビジュアル調整

今回は一番最初の工程である【1.目指すべきコンセプトの理解】に焦点を当ててお話しします。地道な作業ではありますが、開発を円滑に進めていくための重要な工程になります。


コンセプトの意義

砂漠である目標地点に向かうとして何となく歩いていても、ほとんどの場合は迷子になってしまいますよね。もし目標地点までの道に旗が立っていれば、まっすぐ目標地点に向かっていけるでしょう。レベルデザインを行う上で、その旗となるのが「コンセプト」です。

コンセプトとは、チーム全体が目指すビジョンやプレイヤーに与えたい体験を具体化したもの。コンセプトを明確に共有することで一貫したゲーム開発が可能となります。

逆に、このコンセプトを無視して開発を進めると、認識の不一致による不要な議論や作業が増えるリスクが高まります。そのためまずはコンセプトを深く理解し分析するプロセスが重要です。


5チームバトルロイヤルの場合

5チームバトルロイヤルのコンセプトは、「戦況に応じた戦略的でスペクタクルな戦争体験」を提供することです。

「戦況に応じた戦略」を満たすステージの要素として、リアルタイムに分かりやすく戦況の変化を起こすことに注目しました。

大きな石橋や長い木橋の破壊などの侵攻ルートの動的な変化が起こる要素により、プレイヤーに状況に応じた行動の変化を促すことを狙っています。

石橋の破壊

加えて、城の一部や全ての木製物は破壊可能にしています。これにより今まで侵攻できなかった場所が侵攻可能になるなど、それぞれの戦況に応じた展開の幅を作り出すことを狙っています。


城壁に穴が空いたことで、侵攻可能に

その他にも、断崖絶壁に建てられた城や森に囲まれた城など各チームの防衛拠点に別々の特徴的なビジュアルモチーフをもたせています。

これは進軍時のスケール感のある「戦争体験」を強調してくれる効果を狙ったものです。

どこに行っても同じ形の防衛拠点であれば公平性は担保できますが、よりスポーツライクになり今回5チームバトルロイヤルで目指すべき体験には合わないと判断しました。

このようにコンセプトという旗を目印にすれば、無限の可能性がある中でレベルデザインをどういう方向性に組み立てるべきか順序だてて構築しやすくなります。


断崖絶壁の城
森の城


まとめ

いかがだったでしょうか。今回は「5チームバトルロイヤル」の製作過程の重要なトピックとして、コンセプトについてお伝えしました。

明確にコンセプトを理解することは、効率的かつ一貫性をもった開発を進めるための鍵となります。

次回の記事では、今回決まった方針を元にステージを作成し、プロトタイプを作成する過程に迫ります。非対称な地形を作るにおいて、チーム感の公平性や均等性を保つための工夫や苦労した点など、具体的な事例を交えて紹介できればと思います。

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※本記事はトイロジックのゲーム開発技術ブログ「トイログ」からの転載です。他にも記事を読みたい方はぜひトイログをチェックしてみてください!


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