精神的な体力をつけるリハビリ①
みなさんは、【精神力】と聞いてどのようにイメージするでしょうか?
AIである「Gemini」に聞いてみると…
んー、まぁそりゃそうだろうな・・・と思う一方で、
「何かをやり遂げようとするときの心の強さや意思の強さのこと」
なんてワードが引っ掛かりますね・・・
心の強さや意思って何なのでしょうか?
根性、耐える、鍛える、意志、緊張を楽しむ・・・
それって精神力か!と異議を申し立てたい私です。
では、双極性障害当事者であり、
作業療法士として精神疾患も担当する身として、
精神力とは何ぞや?を考えてみたいと思います。
あくまでも私の意見なので、ご了承いただければ幸いです。
今回も長くなりますので、ゆっくり読んでください。
私が思う精神力は「脳から心」が関係している
私が思う精神力とは、身体的な体力とは異なっていると思います。
・人によって異なる脳機能の働きと癖
・脳機能によって生じる身体への反応
・生活場面での脳の感じ方
つまり、脳と身体・心の関連性だと思っています。
精神疾患の多くは「脳の病気」。
統合失調症、双極性障害、うつ病などなど・・・。
うつ病が「心の風邪」と囁かれていたこともありますが・・・
それは違った解釈ですね。
脳が異常をきたしているから、
感情や身体的な症状に現れると思っています。
つまり、脳から心(感情など)に影響を与えると。
そもそも、「心」って何なのでしょうね。
「心を満タンに 〇〇〇石油」
というCMもあったりしますが。
心に働きかけるとも言われたりしますが、
心ってどこ?って思います。
あくまで私の意見ですが、
脳が機能することによって感情や記憶を呼び戻したり、
辛い、悲しい、楽しい、嬉しいと感じると思っています。
つまり、「心とは脳がどう感じて影響するか」ではないか?
では、なぜ私がそう思っているのか、説明していきますね。
脳機能を理解してみよう
前頭葉:人間の運動、言語、感情をつかさどる器官
頭頂葉:体性感覚(視覚,聴覚,味覚,嗅覚, 触覚)や視覚・聴覚など 統合して認知することで物体の識別や空間認知に関わる。
側頭葉:視覚や聴覚などの認知機能や記憶の中枢。
後頭葉:視覚認知の中枢。
小脳:運動をコントロール。
皮膚や筋肉からの情報を受け取り、歩く・走る・立つ・座るなどの
運動がスムーズに行われるように指令を出している。
脳は大まかに上記の5つに分類できます。
我々精神疾患の方は、主に前頭葉機能に異常を生じることで、
うつ症状がみられ、意欲がなくなりやすいです。
ですから、うつ症状で動けなかったり、
食事や外に出るなど、まったく意欲が出ないのは
病的な問題で、なにも自分のせいではない。
脳がSOSを出している、と考えるのが自然だと思います。
うつ状態では集中力も落ちる
みなさんのうつ症状はどのようなものがありますか?
教科書通りにはいかず、
一人一人が異なる症状をお持ちだと思います。
私はとにかく集中力が落ちます。
少しの音でも敏感になって落ち着かないし、
刺激が入ると集中できづらくなる。
作業をするなんて、もってのほか!
結局何もできなくて、意欲もそがれてしまいます。
脳機能低下はすぐには戻らない
それも自分のせいではなく、脳の影響。
脳機能が低下することで、様々な機能は低下します。
一度低下したものは、すぐに元には戻りません。
そのため、一度うつ状態で落ちているにも関わらず、
あれこれしようとしても、脳が混乱しやすいです。
リハビリをしていくと、段々の脳機能が回復し、
集中・判断できるといったことができるようになると思います。
脳の混乱も減るのではないでしょうか。
脳機能のリハビリで精神的な体力をつけよう!
身体的な体力と精神的な体力は結構違っていて、
身体は大丈夫だけど、精神的にしんどいな・・・
なんて経験は誰にでもあると思います。
この傾向は、我々精神疾患にはつきもの。
では、どのようにして精神的な体力をつけていけばいいか、
知りたい方もいるのではないでしょうか?
ここからは私の考えるリハビリを
段階づけて考えていきたいと思います。
①身体の動きと精神的な体力は関係している
前頭葉は感情のほかに、運動にも関係しています。
つまり、運動すると前頭葉に血液が回るようになり、
結果として感情にもいい影響を与えていきます。
そのため、前提条件として身体的な体力も必要だと考えます。
身体を動かすことで充実感や達成感を味わい、
作業を通して気分の変化も感じていきます。
「行動を変えることで気分が変わる」
行動活性化 などと言ったりもしますね。
身体的な体力は以下の記事にまとめていますので、
参考にしてみてください。
②全く動けないときは休む
うつ状態に陥ってすぐは、休息が一番大事。
休息が一番の薬、といっても過言ではありません。
焦る気持ちはわかりますが、とにかく横になっていましょう。
また、脳機能低下に伴い、認知機能や行動にゆがみが生じる時期なので、
大きな決断はNG。
作業をするというよりは、休んだほうがいいし、
ある意味孤独でもいいのかもしれません。
しかし、甘えられる場はほしいところです。
③段々と身体を動かしていく
先述したように、精神的な体力をつける上で
脳機能にとっても身体的な体力(耐久性)は必要です。
寝たままストレッチ、座る時間を伸ばすなど、
まずはできることから始めましょう。
先ほどご紹介した、記事を参考にしてくださいね。
④精神的な体力をつける上で、新しいことを始めよう
いきなりこいつは何いってるんだ?
うつなのに、新しいことなんてできっこないよ!
いやいや、お待ちください。
以前から馴染みの作業(趣味)をしたいという気持ちもわかりますが、
前はできたのに、できない・・・とショックを受ける可能性があります。
抑うつや焦りが助長される可能性もありますね。
興味・関心・集中力の低下もありますし。。。
そのため、短時間で終わって初めて行うもの、
作業工程がはっきりしている、ことがいいですね。
音楽、読書、日光浴、ストレッチ、マインドフルネス・・・
とにかく横にならない時間を増やしていきましょう。
簡単な作業を通して身体的な体力に加え、
成功体験を積み重ね、自己肯定感を高めていきます。
⑤回復期前期(集中力を高める)
生活リズムが段々と整ってきて、睡眠時間が確保されてくると
回復期に突入したと考えましょう。
しかし、ここでは「早く仕事に戻らないと!」
と焦りをより感じやすい時期です。
むしろ、退屈であったり、意欲が出てきたことが素晴らしい!
この時期では作業に集中する時間を増やしていきたいです。
何かを書き写したり、読書をしたり、散歩や何かしたり・・・。
ここで、気分転換やリラックスできる作業を習得したいです!
どうしてもうつ病や双極性障害の人々は
ゆっくり時間を過ごすという概念がないと思うので(私はそうです)
ゆっくり過ごすのがいかに素晴らしいか!を実感したい。
これぐらいできた!という成功体験が増えると同時に、
集中を通してネガティブなことを考える時間を少なくしたいですね。
1人で行うことももちろんですが、
できれば集団のなか(誰か人がいる環境)でも行いたいです。
周りがいるなかでどれぐらい集中できるか確かめたいですし。
できれば他者との交流も図れるとgood!です
それらを経験したうえで、どれぐらい動くと疲れを感じるか、
自分の身体・精神的な体力を把握する時期ともいえるでしょう。
記録をつけたり、自身が作業を通してどのような癖があるか、
自己分析する時間に充てるも大切です。
心理教育を本格的に実施するのもこの時期がいいと言われています。
いったん終わりにします
まだまだあるのですが・・・・
文字数が3500近くになってしまったのでいったん区切ります。
続きはまた、更新しますのでお待ちください。