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うつ状態からの体力回復、どうする?

先日、双極性障害の方々と交流する機会がありました。
そこで話題に出たのが、
「うつ状態からの体力回復、何してる?」
「うつ状態からの運動、気力はどんな感じ?」

みなさんそれぞれが様々なことをしている一方で、
「何をしたらいいかわからない」
という方もいらっしゃいました。
私が意見を話した際に、色々な気づきを得てくれた方もいました。
私は双極性障害当事者であり、作業療法士資格があります。
そこで、うつ状態からの体力回復を考えてみたいと思います。
長くなりますが、ゆっくり見ていただけると幸いです。

うつ状態の体力低下はどんなことがある


うつ状態は寝たきりの期間があると思います。
長ければ長いほど、体力がなくなり、筋力も落ちてきます。
これらを廃用症候群 と医療では呼びます。
廃用症候群の主な症状としては

身体面

  • 筋力低下

  • 起立性低血圧、めまい

  • 骨粗しょう症

  • 循環器機能低下

  • 呼吸器機能低下

  • 消化器機能低下

  • 免疫機能低下

精神面

  • 意欲低下

  • 集中力低下

  • 脳機能低下

結構影響を受けますね・・・。
これらの症状が起きたうえで、
いきなり長距離を歩いたりすると、疲労でいっぱいになりやすいです。
「あー、やっぱり自分って何もできないんだ」
と自己肯定感が下がり、うつ状態を悪化させる原因になるかもしれません。

うつ状態からのリハビリを考える

では、うつ状態からの体力回復を考えていきましょう。
一度落ちた体力を戻すのは結構大変。
例を出してみましょう。
あなたは両足を骨折して、ギブスを巻いています。
1か月後にギブスが取れました!
さぁ、歩いてみよう!となるでしょうか・・・。
足の筋力が凄く落ちていて、歩けても疲れてしまいます。
ひょっとしたら歩けないかもしれません。

リハビリで段々と体力や筋力をつけて歩いた方が
早く、楽に歩けると思いませんか?

リハビリの注意点としてはは、
・疲れを感じたら休む
・いきなりジャンプアップしない
・無理はしない
・成功体験が大事

この3点を頭に入れて、考えていきます!
ここから凄く長くなると思うので、
小見出しをつけながらいきますね。

①完全に寝たきりの状態でのリハビリ

何もする気がない、起きたくない・・・
必ずといってもいいほど起きる現象ですよね。
これでは筋力や体力が非常に落ちてしまいます。
ここでオススメなのが、足のストレッチ。

こういう運動がオススメです。
どうしても何もする気が起きない方は、
1分15秒ぐらいまでがオススメ。
アキレス腱が伸びることで、気持ちよさも感じますし、
筋力低下を少しでも和らげることができます。

脳にも良い刺激が入るので、非常にオススメ。

②座ってみよう!

次は座って、体力や筋力、体力の持続を目指します。
最初は寄りかかって座るのがいいですね。
起きるときはゆっくりと。
素早く起きると、低血圧でめまいや吐き気が起こりやすいです。
それらを感じたらすぐ横になりましょう。

座るのは1分から段々と初めていき、10分~15分できたら素晴らしいです。
深呼吸をしたり、食事・テレビ・スマホ、歯磨き・・・
ながらで座ることもいいと思います!

その方が気分転換にもなりますよ~。

次は背もたれなしで座ります。
腹筋や、背筋など様々な筋肉に刺激が入り、脳が活性化されます。
これも段階を踏んで時間を伸ばしていき、
ながら作業で10~15分できるとgood!
窓際で太陽の光を浴びながらでもいいですね!
私は凄く気持ちよくて、効果がありました。

体力がついてきたら、座ってストレッチもいいでしょう。
寝たきりだと身体がこわばっていることが多いです。
じっくり身体が伸びて、気持ちいいと思います。

また、何か作業をするのもいいですね。
読書、編み物、スマホ、書き物・・・
なんでもいいですが、作業することで集中力増加にもつながります。

③立ってみよう


次は立って体力をつける段階。
座るときと同様に、寄りかかったり、普通に立ったり・・・
歯磨きや物をとるといったように、
普段の動作の流れで長く立っていくといいでしょう。

これも段々と時間を伸ばしていきます。
10分~15分できればいいんじゃないでしょうか?
こんなストレッチをするのもオススメです。

脳機能に関していえば・・・
立ちながら何かをするのが望ましいです。
歯磨き、ストレッチ、レンチンでできるご飯の準備、
とにかく何でもgood!
これぐらいになると、段々と前頭葉が働いてくるので、
判断・意欲・注意力が上がってくるのかな?と思います。

④歩いてみよう

ここまでくれば、大分体力はついてきました。
ただ、人と接したり、外に出るのは怖いかもしれません。
私も実際にそうでした。

少し外に出て日向ぼっこでもいいですし、
外に出るだけで意味がある、と思います。

ちょっと外に出る、家の周りを歩くなど、
本当に簡単なところから始めていいと思います。
成功体験を積んでいけば
「ここまで歩いてみよう」
「今日はやめとくかな・・・」

といった意欲や判断力がついてくると思います。
一歩ずつ段階を踏むことで、自然と歩く体力がついてくると思います。

上を見ると、青空や曇り空、
周りをみると建物や綺麗な花・川、人々。
耳を澄ますと鳥の鳴き声や周りの様々な音が聞こえる。
色々な匂いを感じたり・・・。
色々な五感、を感じることができるでしょう。

これらを楽しめるようになると、大分意欲が出てきました。
外に出る気持ちよさを感じることができるのではないでしょうか。
外が怖くても、自然となれる。
自分を甘やかしながら、歩く体力をつけていきましょうね。


⑤セルフケアをやってみよう

ここからは日常生活動作(ADL)に目を向けましょうか。

食事動作、整容、トイレ、着替え、入浴・・・。
着替えや入浴は毎日やらなくてもいいとは思いますが、
やりたい意欲がある方はやってみましょう!

普段、着替えや入浴は当たり前に行っていますが、
意外と認知機能や体力を使う、難しい動作です。
無理せずやるのがいいのかな、と思います。
着替えが立ってできる、
入浴(シャワー浴)ができると大分状態はいいです!

寝たまま着替えができたり、
お風呂に入らなくても生きてはいけますがね・・・。

以前、お風呂についてまとめていますので、ぜひご覧になってください。

⑥家のことをやってみよう


一人暮らしだと、料理・後片付け、
掃除、洗濯などなど・・・。
家のことが気になり始めることですね・・・。

家事は結構な体力や認知機能が必要になります。
人によってやり方は異なると思いますので、
無理せずゆっくり行うのがオススメです。

いつ、うつ状態になってもいいよう、
極限まで家事を減らしたり、
どれは必要で、どれはやらなくてもいいかな・・・。
など、考えておく機会にもなるかな、と思います。
失敗しても勉強。
うつ状態だとこれができないんだな・・・
と落ち込むのではなく、
うつ状態の時はこうしよう・・・
と考えられるといいですね。
考えながら家事ができるようになると、
段々、脳機能や体力は復活してきていると思います!

⑥そろそろ外に出てみるかい?


そろそろ意欲が高まり、体力がついてきましたか?
段々と外に出てみましょうか。
いきなり、大きな店に行くのは大変だと思うので、
買い物は小さなお店から。
暴露療法みたいになってしまいますが、
服薬の効果+慣れによって、
大分人がいる場所や、外に慣れてくる段階だと思います。

ゴミ捨てをするのもよし、
公園などで自然を感じるのもよし。
趣味をするのもいいですね。

とにかくやらないといけないこと、
趣味などの好きなことを楽しみましょう!
楽しむ、というのが非常にポイントです。

外に出て活動してみることで、
体力や脳機能の回復を実感したり、
これぐらい動けるけど、
こんなに動いたら明日に響く。
などの学びにもなると思います。

お互いに段々と体力をつけていき、
生きやすいような塩梅を見つけていきましょう。

終わりに

長々と書いてしまいましたが、いかがでしたでしょうか。
うつ状態はとても苦しいもの。
そこから体力をつけるのはもっと大変です。

自分をいたわりつつ、
段々と成功体験を積みながら段階を踏んでいきたいですね。
できなくても大丈夫!
それは学びで、次はどうすればいいかを考える。
自己肯定感は高めていきたいものです。

お互いに無理せず過ごしていきましょう。
誰かの参考になると嬉しいです。

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