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【第13話】北陸上陸! ド迫力のあの崖へ!

みなさんこんにちは。
今週もよろしくお願いします!

これまで関西ツーリングということで、琵琶湖や淡路島、紀伊半島などを周ってきました。今回は少し離れて北陸地方を旅したいと思います。

北陸といえば、どんなものをイメージするでしょうか。日本海の景色、加賀百万石・前田家、越前蟹…。想像するだけでも楽しそうですが、実際はどんな場所なのか行ってみないとわかりませんね。というわけで、大阪から一番近い福井県敦賀市をスタートして、北東を目指してみようと思います。

元気いっぱい! カスタードパン!

8月5日、夏。この土日も天気が良いらしい。2017年の6〜8月にかけて近畿地方は好天に恵まれ、休日はほとんど晴れという自転車乗りには嬉しい年だった。大阪暮らしにとっての北陸の玄関口は敦賀だが、「過去に通った道の続きから走る」というマイルールに則り、琵琶湖北岸のマキノ駅からスタートすることに(第3話参照)。6時30分頃に大阪を出て、マキノに到着したのは8時40分。まずは山を越えて福井県を目指すことから今回の旅は始まる。駅からわずか4㎞の場所に道の駅 マキノがあったので立ち寄ることに。道の駅といえば手作りパンが魅力だが、ここには専門のコーナーがあったので焼きたてのカスタードパンを一つ買った。味はおいしく、これから登る225mの峠を越えるエネルギー補給にはちょうどよかった。

年季の入ったローカルな雰囲気の漂うマキノ駅。まだ朝だというのに湿気が高く暑い
道の駅 マキノでパンを購入。焼きたてなのでホカホカと温かい

マキノから敦賀へ、福井の旅が始まる

国道161号の山道は、滋賀県大津と福井県敦賀を結ぶ重要な道路というこもあり、路面状況は良く勾配も緩めで登りやすかった。峠で県境を越え、山を下り始めた頃には青空が広がっていた。意気揚々と歌なんて口ずさみながらハンドルを右へ左へ切りながら長い下り坂を進んだ。口ずさむ程度なら良かったのだが、熱唱したのが失敗だった。歌う方に集中し、右カーブを曲がりきれずガードレールに突っ込んでしまった。そして思いっきり倒れて道路に転がった。幸いなことに後続車はいなかったので事故にはならなっかったが、およそ15年ぶりか膝小僧をすりむいた。それからどうしてか腕に大きなコブができた。「げんこつ!」を受けたクレヨンしんちゃんのタンコブくらい局所的に腫れ上がっていた。そのせいで思いっきりテンションが下がり、とりあえず坂を降りきった麓にあったコンビニで外の水道水を借り怪我を洗った。それからまもなくして、敦賀の市街地に到着した。くよくよしてもしょうがない、気を取り直して福井を楽しうもうではないか。ちなみに、この一件以降、下り坂で歌うのはやめた。

峠道は見晴らしの良い二車線路。融雪剤ボックスがあり、いよいよ北陸らしさが感じられてきた
敦賀駅前に着いたのはもう11時前。すっかり青空が広がり夏らしい陽気に包まれていた
街で一つくらいは名所へ立ち寄っておきたいと思い、敦賀鉄道資料館へ

美しく走りやすい越前海岸

敦賀を過ぎてからの道は素晴らしいものだった。しばらくは穏やかな敦賀湾を左手に見ながら軽いアップダウンのある道を進んでいった。途中から国道305号に移ると、いよいよ雄大な日本海の景色が広がってきた。道はほぼ平坦で交通量も少なく、かなり走りやすい。13時30分頃に道の駅 越前に着き、昼食をとることにした。福井といえばやはり越前蟹。丼メニューでいただいた。食後はかなりハイペースで先へ進んだ。道路から見える景色の撮影は楽しみつつも、特に観光名所はなかったためほとんどノンストップで、今日のゴールである坂井市へと着いた。坂井市にある名所で日没を見るというのが、今回の一番の目的だ。今は17時前、日没まではだいぶ時間がある。道の駅 ふれあいパーク 三里浜でソフトクリームを食べた。真夏の西日を受けながら食べるソフトクリームは最高に美味かった。

国道305号では海面とほぼ同じ高さを走る。日本海の水平線が広がっていた
蟹がのった丼を昼食に。蟹はおいしいが、酢飯との相性はあまり良くない
海岸線に沿った一本道がどこまでも続く。夏の日本海がこんなに美しいとは
ネット上でも少し有名になっている「左右」という地名。「そう」と読む
特に峠を越えることもなく市から市を跨いでく。写真は福井市

柱状節理ファン必見! 東尋坊へ

18時になろうとする頃、今回一番のみどころである場所へやって来た。その場所こそが東尋坊。世界トップクラスの規模を持つ柱状節理の海食崖で、断崖の高さは最大で約25mにもなるという北陸屈指の景勝地。そして西に面しているので、これは夕日のスポットしても間違いない。遊歩道を歩いて地形を楽しんだ後は、夕景をカメラに収めようとスタンバイすることに。西の空は澄んでいて、水平線に沈む太陽をくっきりと目で見ることができた。日没後まだ空が明るいうちに、東尋坊からわずか2.5㎞の三国港へと向かった。ここが今日泊まる町だ。小さな民宿を予約していた。素泊まりのプランだったので、夕食を求めて三国港駅前に立つ食事処へ。ここで食べた甘えび丼がとてつもなく美味かった。そして我慢できずにビールも注文してしまった。店から民宿までは歩いてすぐの距離なので、自転車は手押しで宿に向かった。

柱状節理の断崖が1㎞にわたり続いているという。岸壁の高さは20mもある
自転車で行けるところまで行ってみる。うっかり落ちてしまったら大変だ
ここまで綺麗に水平線の日没が見られるのは、結構珍しかったりする
夕空に染まる三国港。人の姿はなく、哀愁すら漂う
「食事処 田島」の甘えび丼は2300円。香り・甘味・旨味・食感全てよく、大満足の一杯だった

宿には風呂の設備はないため、近くの温浴施設の案内をされた。部屋に荷物を置いて、すぐにまた夜の町へと出かけたのだった。宿の女将さんがとても優しく、自転車で来たと聞いてペットボトルの飲み物を2本もプレゼントしてくださった。家族経営の民宿は、こういった温かみがあるから好きだ。そして自転車旅でないとなかなか味わえない経験なんだろうと思う。珍しく夜遅い時間になってしまったが、22時頃には就寝した。

第14話、2日目へと続く…。

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