「関わる時間の多い」専門家の意見に、耳を傾ける重要性
「医師の診断」や、「発達検査の結果」。
それこそが、すべてだと思われている方が、結構おられます。
「発達検査の結果が、〇〇だったので・・・」
よくお聞きする言葉です。
そして、保護者様は、その結果に一喜一憂されます。
でも、よく考えてほしいのです。
あくまでも、それは目安に過ぎないということを。
たとえば、あなたが、お子さんご本人だと想像してみましょう。
*いつものパターンにない、「全く違う場所」に連れて行かれ、
*「ぜんぜん知らない空間」に通されて、
*「まったく知らない大人」が目の前に現れ、
*「突然、やったこともない課題」を出されること。
これって、お子さんにとっては、「恐怖でしかない」のではないでしょうか。
なので、基本的に、検査の結果がかんばしくないことは、当たり前なのです。
本来であれば、上記のような環境ではない中で、発達検査をすべきなのです。
ただ、今の日本の現状では、そのようなことは実際にはできません。
保護者様にとって、思わしくない結果が出たとしても、まったく気にされることは無いことをお伝えしたいです。
そして、もう一つ。
「医師からの診断結果が、〇〇だったので・・・」
こちらも、よくお聞きする言葉です。
残念ながら、お医者様は短時間の中でお子さんを診て、限られた情報から診断されます。なぜならば、それしか方法は無いからです。
でも、この診断でいつも思うのは、「肝心なことを忘れている」ということです。
それは、お子さんの
*普段の生活を見ることなく、
*また、様々な場面を見ることなく、
*その場での姿や、保護者への問診や、検査結果のみで、
診断をされることです。
ですので、数年経ってから、その診断自体が少し変わってしまうケースや、
また、(もともと潜在的にはあった)新たな生きづらさが出てきてしまう可能性もあるのです。
私たちは、医師ではありません。
また、発達検査を行う立場でもありません。
ですので、それらの結果については、尊重しています。
しかしながら、実はその方々よりも、早くそして深く「お子さんの生きづらさ」を発見したりしています。
それは、短い時間の関りだけでは、分からないことでもあるのです。
個別や、集団での療育を、繰り返して行うことにより、気づくことが多いのが現実です。
*「あれ?この児童は、一見、集団の中では、なじんでいるけれども、個別に入ると、こんなに大きな課題があるんだ。。。」とか、
*「この方は、未就学のうちはいいけれども、学校に入ると学習面でつまづきが出る可能性がありそうだ。。。」とか、
*「この方は、普通にお話もできるし、一見何が課題なのか分かりにくいけれど、集団に入ると、他の児童とうまく関われないんだね。。。」など
とにかく、個々の児童と多くの時間を共有し、たくさんの場面で関わっている中で、わかる事実もあるのです。
ですので、恐らく、関りの時間の少ない医師やケースワーカーよりも、(生きづらさ)をはじめとした、多くの情報をつかんでいると思います。
それは時として、ご家族よりも客観的な視点で見ているので、冷静に考えることができるのです。
そんなこともあり、保護者様に直球的にはっきりとはお伝えしないまでも、ヒントを散りばめてお伝えしています。
それを保護者様が感じ取れるかどうかで、お子さんの未来が少し変わってくるかもしれません。
それでも、お子さんの道を決定されるのは、保護者様です。
我々ができることは、ごく限られたことだけなのです。
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