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『蘭学事始』からクイズをつくってみた【解答編】

前回記事はこちら。

 昨日紹介した『蘭学事始』に記載されている西洋の器具について、早速答えを説明しましょう。

①ウエールガラス〈天氣驗器〉
 オランダ語でweerglas、晴雨計のことです。

②テルモメートル〈寒暖驗器〉
 thermometer、寒暖計のこと。英語の綴りとほぼ同じですね。

③ドンドルガラス〈震雷驗器〉
 donderglas、静電気を蓄える「ライデン瓶」のこと。


④ホクトメートル〈水液輕重清濁驗器〉
 岩波文庫版の注には「vochtmeter、比重計」とあります。

 vochtとはオランダ語で「水分」であり、vochtmeterは「湿度計」を意味するはずです。一方、水液の「軽重」や「清濁(おそらく不純物の多寡)」を測るのですから、漢語は比重計だと思われます。玄白は比重計のつもりで、オランダ語を勘違いしたのでしょう。

⑤ドンクルカームル〈暗室寫眞鏡〉
 donkerkamer、暗箱写真機のこと。kamerとは英語のcameraのことですね。
 18世紀の段階ではフィルムに焼き付ける技術はないので、スクリーンに像を投影して映し出す機械を指しました。


⑥トーフルランターレン〈現妖鏡〉
 tooverlantaren、幻灯機のこと。スライド式映写機のようなものです。


⑦ゾンガラス〈觀日玉〉
 zonglas、サングラスのこと。「日を観る玉」、つまりレンズを「玉」と称していたのは面白いですね。

⑧ループル〈呼遠筒〉
  roeper、メガホンのこと。「遠くへ呼ぶ筒」、漢字が上手く器械の特長を表しています。

 皆さんは、どのくらい正解できましたか?



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