じぶんのクセをすきになる【2-3】あなたの命を守ってきてくれた怒りと不安のクセ
あなたの命を守ってきてくれた怒りと不安のクセ
こんにちは、とつゆうです。今日もあなたが自分のクセを面白がって、そのクセを好きになっていけるよう文章を書いていけたらと思っています。
さて、昨日のワークはいかがだったでしょうか?5つくらいは思い出せたでしょうか?こういう作業をやったことがない人にとっては、中々絶妙なラインじゃないかなって思ってます。普段から過去の思い出や印象的な出来事を大事にしている人にとっては、楽勝だったかもしれませんね。段々とギアが上がっていきますので、そういう人もこれから楽しくなってくると思いますよ。もうここからは体感の世界でしかないですから、言葉として説明することがどんどんと難しくなってきちゃうんですが、何とか楽しみながらやってみますね。僕が楽しんで書けていれば、感じながら書けていれば、きっとそれは伝わるはずなので。出来る限り冷静さを欠いた文章をお届けできるよう楽しんでいきます。
さて、昨日のワークは「一日目のイライラから連想される出来事を五つ思い出してメモ帳に書き留める」でした。これは、自分のイライラ、そして感情の震源地を探っていくということがテーマでした。
では今日は、どういうことに進んでいったらいいでしょうか?
次は「その震源地にある自分の無意識の信念を自覚する」ということをやっていきましょう。これはとっても難しいです。意識と無意識の層の、ちょうど中間あたりに入っていきます。意識的な信念を持っている人もいますし、信念が無意識の中に殆ど埋没している人もいます。というか、一人の中で意識上の信念と、無意識での信念が混在していると表現した方が正しいでしょうか。どんな人にも、無意識的に信奉している信念があるということです。
逆に言うと、それが今のあなたの活動するエネルギーをつくっています。その無意識の信念によって、あなたは怒り、不安になり、安心し、そして行動しているのですから。あなたの行動の原動力になっている部分を探るということです。これはとってもとっても大切な作業ですが、精神的な負荷もかかってきます。非常にストレスがかかる状態になります。
もう、今すぐ死にたいとか、そういう感覚を持っている人にはこの先のワークはお勧めしません。一旦、生きましょう。生き延びましょう。それが一番大切です。西洋医学でも何でもいいです。精神科に行ってお薬をもらってきましょう。鬱っぽい人は抗うつ剤、双極性障害っぽい人は安定剤。それをもらって、ひとまず飲んで、ひとまず生き延びましょう。まずはそれが先決です。そして落ち着いてきたら、このワークに戻ってきてください。
「ストレスがかかる」というのがどういう状態かということをもう少し説明すると、「居心地がわるくなる」って感じです。これは一日目のワークから、すでに感じてもらってるかもしれません。誰しも腹が立ったシーンを思い出したら、居心地わるくなりますよね。そんな心理的状態になりたくないですよね。
そうです、心はその状態を避けようとさせてるんです。心は、怒りという感情を通して、「その状態を今すぐに取り除きなさい」って言ってるんです。だから、居心地がわるくなって、すぐにでも落ち着きたくなるのって、当たり前ですよね。逆説的に言えば、心がそうさせてくるための感情が「怒り」ってことなんですから。怒りや不安は、心にとっての防衛反応ってことです。これを理解しておくことは、クセをすきになって受け入れていくために、すごく大切なことです。
じゃあ、心に従った方がいいんじゃない?すぐに怒りの矛先にあるものを建設的に解決して、鎮めてあげた方がいいんじゃない?それが心が言ってることでしょ?って言われちゃうかもしれません。確かに、その通りでもあります。一旦その場では、そうすることが正解でしょう。だって、居心地わるいんですもん。死にたくなってるんですもん。その場で対処することの方が、現実問題すごく大切です。
でもこれ実は、対症療法でしかないんです。その場で起こっていることに、反応してるだけなんです。反射神経だけで行動してる、ってことなんですね。で、何で反射神経で行動すると才能を発揮できないかというと、それが防衛本能から由来している行動だからです。全ての怒りや不安は、自分の命(または自分にとって大切な存在の命)を守るための、防衛反応なんです。
例えば、狩猟採集時代に話を移してみましょうか。何でそんな昔のことで例えるのか?ですかって。そりゃあ、第二次世界大戦以後から換算したとしても、人間という遺伝子が経験してきた時間経過は、その殆どが狩猟採集時代なんです。人類は、その600万年の歴史の中で、殆ど狩猟採集時代しか経験していないんです。すごくないですか?よく考えたら、インターネットができたのって無茶苦茶最近ですよね。スマホなんて、普及してからまだ10年ちょっとくらいしか経ってないんじゃないですか?そんな短い歴史の話、人間の本能やDNAの進化のことを考えるには、あまりにも頼りないですよね。
だから、狩猟採集時代のことを人間の本能について考える例えとして話すわけです。面白いですね。狩猟採集時代には、もっともっと実際的な命の危険がいっぱいだったわけです。夜に寝ているときに、猛獣に襲われちゃうかもしれません。日本だったら、熊とかでしょうか。熊に襲われる危険が耐えず潜んでいるわけです。人間には未来の予測能力があります。それが人間を生き残らせてきたわけですが、その予測能力によって、「夜にこんなに見晴らしのいい場所にいたら、熊に襲われるかも。」なんて考えるわけです。賢いですね。その予測能力って、何のことでしょうか?もちろん「思考」なわけですが、思考をさせている根源は精神なわけです。DNAなわけです。本能なわけです。そう、「不安」なんですね。本能が人間を不安にさせるんです。「こんなところで寝ていたら熊に襲われるかも…」と、本能が不安にさせてくるんです。そうしたら、どうしますか?「ちょっともう少し別の、岩に囲まれた場所に移動しようか。」みたいに考えるわけです。そうして、危険を避けることができるわけですね。
そうです、不安は人間の命の防衛本能ということなんです。これも感情と言えば感情なのですが、僕が感情とちょっと違う場所にある感覚であると考えているのは、このためなんですね。
でも現代ではなかなか、「家のベッドで寝ていたらくまに襲われて死にました。」なんてことは起こらないわけです。僕たちは、そんなに肉体的な死が迫ってきていないわけです。
だから、不安になる必要はなかったんです。不安や怒りから、目の前のことを対処する必要なんて、本当は殆どないんです。すごくないですか?なのにみんな、不安になっちゃうんです。怒るんです。それは狩猟採集時代から人間の本能に刻み込まれた、生存本能なわけです。みんな熊に襲われると思ってるんです。すごいですよね。感情の命令力。凄まじいです。
そして、「不安になって反射神経的に行動する」ことが少なくなるということがどういうことかというと、「自分の身を守る必要はなかったんだ」と思えているということなんです。
「自分の身を守る必要がない」と心の底から思えた人間は、他者に無償の愛を与えることができます。でも、無償で何かを与えるって、すごく損なんです。取引の構造からいうと、自分だけが損をします。そして自分の弱みをさらけ出してしまうことになります。自分だけ弱くなるなんて、イヤじゃないですか?すごく勇気がいることじゃないですか?だから、大切な人と、信頼している人と、その人も弱みをさらけ出してくれる人の前でだけ、自分も弱みをさらけ出したいと思いませんか?相手がムキムキでこっちを攻撃してこようとしてるのに、こっちは弱みをさらけ出したいなんて思わないです。守らなくちゃ、対抗するぞ、って気合いを入れたくなります。または、すぐにでも逃げたくなります。その場でじっと動かないのに、弱みだけさらけ出すなんて、イヤですよね、そんなの。怖いですよね。
でも、「自分の身を守る必要なかったんだ」と根本的に安心している人は、そんなときにも弱みを出しちゃえます。自分だけが損できちゃうんですね。だって、本人は損得の世界に生きていないですから。なぜ損をするのが怖いかというと、生き残りたいからです。自分の身を守りたいからです。だから取引のバランスを気にするんです。
でも、人間って本当はそんなことしなくてもよかったんですね。ただただ、返ってこなくてもいいから愛を与える、それが循環していく。ただそれだけでよかったはずなんです。愛を与えた相手から直接返ってこなくてもいいんです。だって自然ってそうですよね。肉を食べさせてもらった牛さんに、今度は自分の肉を食べさせてあげるよ、なんて言いませんよね。食べっぱなしです。でも、それでいいんです。自然は取引をしません。全体として流れているだけなんです。牛さんを食べさせてもらったなら、今度は自分の栄養を自然に還元していくんです。死んだら自然に還元されていくんです。(今は栄養たっぷりの人間の体も、燃やされちゃうことの方が多いから流れてないんですけどね。悲しいですね。)
そうです、何が言いたかったかというと、「あなたが不安や怒りのままに従って行動する回数が減っていくほどに、あなたは他者に無償の愛を与えられる存在になる」ということなんです。すごすぎます。こんな純粋でシンプルな言語化ができてしまったことに、今自分でも驚いてます。すごいです。
これがクセの力なんですね。あなたのクセは、この「不安」になりやすいポイントを教えてくれています。「怒り」が発動しやすいツボを教えてくれています。クセは、あなたの才能や個性がさらに開いてしまうための、精神からのヒントだったんですね。すごい発見です。
これまでの二日間でやってきたことは、あなたの「不安になりやすいクセ」「怒りやすいクセ」の傾向を掴むためのものだったわけです。傾向を掴むためには、サンプル数が必要なわけです。ひとつでは傾向は分かりません。だから五つなわけですね。すごく計算されたワークなんです。我ながら。
あれ、ここまで書いてまだ三日目のワークを出題していないことに気付きました。すごく大切なことが書けすぎてしまって、今日のワークのことを忘れてしまっていました。
では、今日の内容に沿って、ワークを出しますね。
【クセすきワーク三日目】思い出した五つの出来事のうち、より感情の動きが大きかったシーンをピックアップする。以下の問いについて、丁寧にそのシーンを頭の中で再現して追体験しながら、回答する。
問い:「そのシーンに出くわしたあなたは、その時に行った解決策をとれません。何もできません。そのまま、その状況を放っておくことしかできません。その状況が一向に解決しない場合、あなたの存在はどうなっていってしまう感じがしますか?また、そのとき怒っている相手がいる場合は、相手とのつながりはどうなっていってしまう感覚がしますか?」
さて、全然ワークを出す前に今日の原稿分が終わってしまいましたので、今日のワークの僕の実践事例は、明日の原稿で実際にやってみながら文章にしていこうと思います。
慣れてきたという方や、自分の居心地のわるさ、矛盾に向き合うことに躊躇いがなくなってきたという人は、先に自分だけでやってみて、後から僕の事例を感じてみてもらうのもいいかもしれません。
では、また明日。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?